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じんけん通信

 人権施策推進課では、人権に関する特集記事「じんけん通信」を毎月、ホームページ上で発信しています。

 特集記事にあわせて、ジンケンダーラジオの放送予定と、「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」で実施される障害者スポーツについても掲載しています。

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 「じんけん通信」は、バックナンバーもご覧いただけます。

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令和6年(2024年)8月(第196号)

オリンピックの夏季大会が、7月26日にフランスの首都・パリで開幕しました。その後8月28日には、パラリンピックが開催されます。滋賀県に関わりのある選手17人が出場する予定で、その活躍が期待されています。

また、国内においては、来年、令和7年(2025年)9月28日から国民スポーツ大会が、同年10月25日からは全国障害者スポーツ大会が、44年ぶりに滋賀県で開催されます(通称「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ2025」)。開催まで残り約1年となり、楽しみにされている方も多いのではないでしょうか。

今回のじんけん通信では、障害者スポーツの普及等に取り組んでおられる、滋賀県パラスポーツ指導者協議会 会長の赤井 弘和(あかい ひろかず)さんにお話を伺いました。

特集 障害者スポーツ 普及の取組~わたSHIGA輝く国スポ障スポをきっかけに~

まずは基礎知識を学びましょう

「障害者スポーツ」とは?

障害者スポーツとは、既存のスポーツを障害の種類や程度に応じてルールを変更したり、特別な用具を使用したりして、障害のある人々が参加できるよう工夫されたスポーツ活動のことで、パラスポーツとも言います。障害者スポーツは、障害のある人もない人も一緒に楽しむことができるスポーツなのです。

平成23年(2011年)8月に施行された「スポーツ基本法」において、障害者が自主的かつ積極的にスポーツを行えるよう、必要な配慮をしつつ推進することが定められています。文部科学省では、これに基づき平成24年(2012年)3月に「スポーツ基本計画」を策定し、「年齢や性別、障害等を問わず、広く人々が、関心、適性等に応じてスポーツに参画することができる環境を整備すること」を基本的な政策課題として、障害者スポーツの推進を図っています。

障害者スポーツには、上記のように既存のスポーツを工夫したものだけではなく、障害のある人のために特別に考案された独自のスポーツなど、様々な種目があります。全国障害者スポーツ大会(以下、「障スポ」)の種目は次のとおりです。

ジンケンダーたくさんの競技があるのだー!

個人競技

・陸上競技(50m走、100m走、走幅跳、砲丸投など)
・水泳(自由形、平泳ぎ、背泳ぎ、バタフライなど)
・フライングディスク
・アーチェリー
・ボウリング
・アーチェリー
・ボッチャ
・卓球

団体競技

・車いすバスケットボール
・グランドソフトボール
・バレーボール
・バスケットボール
・ソフトボール
・サッカー
・フットソフトボール

障害者スポーツの認知度

滋賀県が令和6年(2024年)2月に実施した「令和5年度滋賀県スポーツ実施状況調査」によると、障害者スポーツに「関わったことがない」との回答が86.8%あり、障害者スポーツが多くの県民に認知されていないことが分かりました。

問17あなたは、これまでどのような形で障害者スポーツに関わったことがありますか。
(出典:滋賀県「令和5年度滋賀県スポーツ実施状況調査」より抜粋)

 また、問17で「関わったことがない」以外の回答をした人に、「障害者スポーツに関わったのはどのような理由から」か尋ねたところ、「テレビやインターネットで放映されていたから」が最も多く40.2%を占めていました。

問17のaあなたが、障害者スポーツに関わったのはどのような理由からですか。
(出典:滋賀県「令和5年度滋賀県スポーツ実施状況調査」より抜粋)

令和3年(2021年)に東京で開催されたパラリンピックで滋賀県出身のパラアスリートが金メダルを獲得され、メディアで取り上げられたことで、障害者スポーツを知った方も多いのではないでしょうか。

滋賀県で来年開催される障スポが、障害者スポーツの認知度の向上につながることが期待されています。

インタビュー

滋賀県パラスポーツ指導者協議会の赤井会長にお話を伺いました!

Q.滋賀県パラスポーツ指導者協議会とは、どのような団体ですか?

A.公益財団法人日本パラスポーツ協会が認定する公認パラスポーツ指導者で構成している団体で、滋賀県には約390人の会員がいます。
会員の活動はボランティアであり、私のように一般の企業に勤めている人もいれば、学校の教員として勤務している人もいます。

公認パラスポーツ指導者になるには、養成講習会を受講するか、認定された大学・専門学校で該当するカリキュラムの単位を取得する必要があります。

指導者になる人は、元々スポーツをしていた人もいれば、全くスポーツをしていなかった人もいます。また、障害者スポーツに興味があるとか、仕事で障害のある人に関わっているため資格を取る人もいます。

養成講習会では、パラスポーツの目的や理念、障害の理解に関することを学びます。講習会受講後は、障害のある方とのスポーツ活動を通して、その人の個性や特性、性格など、障害を含めた人と人として理解を深め、パラスポーツの振興を支える役割を担っています。

Q.なぜ指導者として活動するようになったのですか?

A.現在の障スポは、何回でも出場できますが、前身の全国身体障害者スポーツ大会は、一生に1回しか出場できない大会でした。私は沖縄大会に出場しましたが、「これが終わってしまったらもう出られないし、これからどうしようか」と思っていました。その頃指導してもらっていた八田 智洋(はった ちひろ)さんの人柄に憧れて、こんな風になりたいと思い、指導者になりました。それが20歳の時です。八田さんに出会っていなかったら、今取材を受けているとか、こんな立場になっているということは、なかったと思います。

八田さんは、障害がある者が自ら障害者スポーツの普及に取り組んでいくことを望んでおられ、全国に先駆けて滋賀県で障害者スポーツ協会や指導者協議会の立ち上げをされました。
私や滋賀県障害者スポーツ協会の原会長も障害があり、八田さんの遺志を継いでいます。障害がある者がこういった団体の会長をしているのは全国的にも珍しいことです。

ちなみに私は18歳で就職し、すぐに職場の事故で右腕を失いました。県立むれやま荘で職業訓練を受ける中、そこの職員さんに、県大会に出てみないかと言われたのが、障害者スポーツを知ったそもそものきっかけでした。

それまでは障害者スポーツを見たことも聞いたこともありませんでした。今はテレビやラジオなどメディアで見たり、聞いたりしますが、特に私みたいに田舎に住んでいると、あまりそういう情報が入ってこないので、全く関わっていなかっただろうなと思います。

Q.指導者協議会の活動について教えてください。

A.指導者協議会では主に、指導者となった人が中級や上級へスキルアップする手助けや、障害者スポーツの普及・啓発に取り組んでいます。

障害のある・なしにかかわらず、障害者スポーツを身近に知ってもらうために、商業施設などで障害者スポーツの義足やレーサー(競技用車椅子)を展示したり、スラロームや車いすバスケットボールなどの体験ブースを出したりしています。
また、大学の学生さんと協働して、地域のイベントにブースを出したりしています。

コロナ禍になってからは、大勢の人を集めて行うことが難しくなったので、市のスポーツ推進員さんと個別の体験会を開くなどしていました。最近は制限もなくなったので、以前のとおり大勢の人を集めるか、個別にするか検討しているところです。

Q.活動をする中で、難しいことや大変なことはありますか?
ジンケンダーこのポロシャツが目印なのだ!

A.滋賀県の指導者協議会には約390人の会員がいますが、実際に指導者として活動している人は100人もいない状況です。せっかく時間をかけて資格を取ってもらっているので、有効に活用してもらいたいと思います。

一方で、滋賀県障害者スポーツ協会と一緒に開催している「スペシャルスポーツの広場」は7年目となり浸透してきており、関わってくれる人が増えてきました。このイベントは、滋賀県在住または勤務する障害者とその家族や付添人が対象ですが、スタッフも参加者と一緒に楽しく遊ぼうというのがコンセプトで、大学の学生さんをはじめこのポロシャツを着て活動している人が増えてきたと感じています。

また、来年滋賀県で障スポが開催されることもあり、色々なところから「体験会をしてもらえないか」と、私が副会長を務める滋賀県障害者スポーツ協会に連絡が来るため、その依頼を指導者協議会で受けています。
スペースの条件などで実施することが難しい会場でも、声をかけていただくと、何とか工夫して体験していただけるようにしようと思っています。楽しく体験していただけると、大変な分、返ってくるものが大きいと感じています。

Q.今後の活動にあたっての抱負や、障スポに期待することをお聞かせください。

A.指導者協議会の第一の目的は、指導者の皆さんのスキルアップと、障害者スポーツの普及と発展です。

スキルアップに関しては、年1、2回程度の研修会をこれからも継続していきたいと考えています。

障害者スポーツの普及と発展に関しては、競技振興は障害者スポーツ協会や県庁などにお任せして、私たちは協議会は障害者スポーツの理解促進や、上記の「スペシャルスポーツの広場」など、障害者スポーツを深く知ってもらう、理解してもらうということに軸足を置いて取り組んでいきたいと思います。

いつも体験会の終わりに挨拶をさせてもらうときは、「フットワークの軽さが唯一の自慢なので、依頼があればどこへでも行く、なんでもやらせてもらいます」と言っています。指導者協議会を広く知ってもらって、障害者スポーツ体験をしたいときは、「ここに言えば何とかしてもらえる」ということを広く知ってもらいたいです。

来年の障スポまであと400日ほどですが、まだまだ県民への周知ができていないと思っています。微力ながら指導者協議会も協力していますので、障スポの会場にお客さんがいっぱいになって、「あ、障害者スポーツってこんなんなんだ、これは楽しそうだな」というのを感じてもらえたらと思います。

特に、障スポには障害者スポーツ特有の競技がたくさんあります。車いすバスケットボールや、ボッチャ、グランドソフトボールなど、障害者ならではのスポーツをぜひ観てほしいと思います。
なかなか観る機会がないと思いますが、せっかく地元滋賀県で開催されるので、ぜひとも観てもらって、3日間会場が満員御礼で終われたらなと思っています。

ありがとうございました!

取材を終えて

今回の取材で、「滋賀県パラスポーツ指導者協議会」という団体を初めて知りました。指導者協議会をはじめ、多くの人が関わって障害者スポーツを支えておられることが分かりました。

障害者スポーツを通じ、障害のある人への理解を深めることが大切です。

滋賀県では、来年の障スポ開催に向けて、県内各地で障害者スポーツの体験や啓発イベントが行われています。まずは、実際に体験するなど、障害者スポーツに触れてみてはいかがでしょうか。

<ジンケンダーと一緒に障害者スポーツを体験できるイベント>

◆「じんけんミニフェスタ」

日時:9月28日(土) 11:00~16:00 場所:ブランチ大津京(大津市二本松1-1)

フライングディスクの一つ、アキュラシーを体験できます。
本来は輪の中にディスクを通しますが、体験ではネットに向かって投げてもらいます。

イベントの詳細はこちら
https://www.pref.shiga.lg.jp/ippan/kurashi/zinken/320538.html

◆「じんけわくわく冬まつり」

日時:12月8日(日) 10:00~14:00 場所:米原市米原学びあいステーション(米原市下多良三丁目3番地)

ボッチャを体験できます。

イベントの詳細はこちら
https://www.pref.shiga.lg.jp/ippan/kurashi/zinken/331979.html

 

<その他障害者スポーツを体験できるイベント>

◆「「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」開催1年前イベント」

日時:11月16日(土) 場所:平和堂HATOスタジアム(滋賀県彦根市松原町3028)

競技体験ブースを設置予定です。

詳細が決まり次第「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」ホームページへ掲載します。
https://shiga-sports2025.jp/shospo

ジンケンダーのちょっと一言 障害者スポーツを体験してみるのだー!

ジンケンダーラジオ 放送中♪

 県では、日々の暮らしの中で人権について考え、行動につながるきっかけとなるよう、エフエム滋賀(e-radio FM77.0)で人権啓発ラジオ番組を放送しています。※「style!」の番組内
 

今月の放送予定

毎週火曜日10時15分~(5分間)

8月6日 ・・・・「インターネット上の人権侵害1」
8月13日・・・・「インターネット上の人権侵害2」
8月20日・・・・「ヘイトスピーチ」
8月27日・・・・「じんけんミニフェスタ」

番組には、エフエム滋賀のパーソナリティー林智美さんと、滋賀県人権啓発キャラクター「ジンケンダー」が出演しています。ちょっと難しい人権課題を、毎週わかりやすく解説しています。
放送から1週間以内であれば、「radiko」(アプリ)で聴くこともできます。
ぜひお聴きください!

わたSHIGA輝く 国スポ・障スポ ~障害者スポーツのご紹介3~

 じんけん通信では、令和7年(2025年)の「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」に合わせて、「障スポ」で実施される障害者スポーツを、毎月紹介しています。

 今回は、正式競技の1つ、「水泳」の概要について、ご紹介します。

◆水泳(すいえい)

身体障害のある選手と知的障害のある選手が出場する競技です。

自由形、背泳ぎ、平泳ぎ、バタフライの各25メートルおよび50メートル、200メートルリレー、200メートルメドレーリレーを実施します。

障害区分身体障害・知的障害 準備運営滋賀県・草津市 競技会場インロフニア草津アクアティクスセンター(草津市立プール) 開催日程令和7年10月25日から26日

 詳細は、大会公式ホームページをご覧ください♪

 https://shiga-sports2025.jp/shospo

ジンケンダー応援しに行きたいのだー!

人権カレンダー8月

●6日 広島原爆の日 /9日 長崎原爆の日
昭和20年(1945年)8月6日に広島へ、9日には長崎に原爆が投下され、広島では約14万人が、長崎では約7万人の方が亡くなったとされています。

●7日 ホームレス自立支援法の公布・施行
平成14年(2002年)のこの日に公布・施行。ホームレスの自立の支援や、ホームレスとなることを防止するための生活上の支援等に関して、国、地方公共団体の責務を明らかにしました。 平成30年(2018年)6月14日の改正により、自立支援の有効期限が令和7年(2025年)まで10年間延長となりました。

●12日 国際青少年デー
8月12日を「国際青少年デー」とすべきだとする青少年に関する世界閣僚会議の提案が、平成11年(1999年)12月17日、国連総会に認められました。 この日は政府やその他の人々の注意を世界の青少年問題へ向ける機会とされており、毎年異なるテーマが設定されています。

●15日 戦没者を追悼し、平和を祈念する日
昭和20年(1945年)8月15日に第二次世界大戦が終結したことを受け、昭和57年(1982年)に、この日を「戦没者を追悼し、平和を祈念する日」とすることが閣議決定されました。

●21日~27日 全国一斉「こどもの人権相談」強化週間
全国の法務局では、8月21日から8月27日までの7日間を全国一斉「こどもの人権相談」強化週間として、こどもの人権に関する専用相談窓口「こどもの人権110番」(フリーダイヤル0120-007-110[ぜろぜろななのひゃくとおばん])とチャットによる相談窓口「LINEじんけん相談」の平日の相談受付時間を延長するとともに、通常、相談対応をしていない土曜日・日曜日も人権相談に応じます。相談は無料、秘密は厳守します。
法務省ホームページhttps://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken112.html

●28日 解放令の公布
明治4年(1871年)のこの日、明治政府は、それまで賤民とされていた人々の身分や職業を平民と同様とする内容の「太政官布告(解放令)」を公布しました。

●30日 強制失踪の被害者のための国際デー
世界のいたるところに存在する何万人という強制失踪の被害者への関心を高める日となっています。わが国は拉致問題を含む強制失踪の問題への国際的な関心を高める上でも重要であることから、「強制失踪からのすべての者の保護に関する国際条約」に平成19年(2007年)に署名、平成21年(2009年)7月23日に締結しました。

お問い合わせ
滋賀県総合企画部人権施策推進課
電話番号:077-528-3533
FAX番号:077-528-4852
メールアドレス:[email protected]
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