人権施策推進課では、人権に関する特集記事「じんけん通信」を毎月、ホームページ上で発信しています。
特集記事にあわせて、ジンケンダーラジオの放送予定と、「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」で実施される障害者スポーツについても掲載しています。
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令和6年(2024年)7月(第195号)
県内で暮らす外国人は年々増加しています。普段の生活で、外国人と接する機会も増えているのではないでしょうか。
県内の外国人の在留資格を見ると、現在、「技能実習」や「特定技能」など、滋賀県内で働いている方がたくさんおられます。
今回、外国人を受け入れている「特別養護老人ホーム レーベンはとがひら」を訪問し、介護事業所で働く外国人や、その外国人を支える方々に取材を行いました。
介護の分野で外国人を受け入れる仕組みとしては、主にEPA(経済連携協定)、在留資格「介護」、技能実習、特定技能(1号)の4種類があります。
以上の中でも「技能実習」は、外国人が日本で技能や技術、知識を修得し、出身国の経済発展を担っていただくために創設された制度です。実習期間は最長5年とされています。
また、「特定技能」は、人材確保が困難な状況にある以下の分野において、一定の専門性・技能を有する外国人を受け入れる制度です。平成31年(2019年)から受入れが可能となりました。
なお、令和6年6月14日に改正法が成立し、技能実習制度に代わって新たに育成就労制度が創設されることとなりました。改正法は2027年までに施行される見通しとなっています。
国内における介護分野の特定技能外国人在留者数は、年々増加しています。
直近の令和5年12月末の在留者数は、約28,000人であり、過去最多となっています。
介護の現場を支える外国人の数が増えています。
令和5年8月に県が調査したところ、介護職場のうち施設系※では約4割の事業所で外国人を雇用していることがわかりました。
※施設系…介護老人福祉施設(特養)、介護老人保健施設(老健)、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護、短期入所生活介護(ショートステイ)、介護医療院、介護療養型医療施設
<外国人介護職員の雇用状況>
A.介護職員79人のうち、外国人は14人います。
滋賀県国際介護・福祉人材センター等を通じて受け入れており、中国、インド、インドネシア出身の方がいます。
外国人の介護職員が少しずつ増えています。
A.仕事のマニュアルにふりがなを付けたり、専門用語の解説を用意したりしています。
施設の入所者さんの様子をパソコンで記録する業務があるのですが、記録がしやすいように、日本語の定型文を用意しています。
また、当施設には生活支援担当がいます。生活支援担当は、仕事以外の面もサポートしています。ごみ捨てや契約関係、医療機関の受診など、外国人にとって難しいことが日常生活にたくさんありますので、付き添うこともあります。
さらに、SNSに出回っている誘惑や不法行為等の不適切な情報についても、「これはあかんよ」と注意を呼びかけています。
仕事上の指導は、基本的に日本人と同じ対応ですが、「何かあったら相談してね」とよく声をかけています。大切な職員を預かっていますので、親代わりという気持ちを持って支えています。
A.住宅の確保が一番の課題です。外国人が入居できる住宅が少なく、取り合いの状態です。
介護事業所を運営する法人が保証人になるとしても、「外国人だから」という理由で入居を断られることが多いです。不動産業者から「入居できる部屋が見つかったら連絡しますね」と言われても、連絡はなかなか来ません。
入居できる住宅が少ないと、様々なリスクがあります。職場から遠い家に入居して、慣れない自転車で通勤していて事故に遭った職員がいます。また、帰り道に怖い思いをした職員もいます。
マナーを守っていても、報道等により、外国人の入居に対して悪いイメージを持たれている方もおられ、残念に思います。
A.★ニキタさん
インドから来ました。安全で、きれいで、歴史のある日本に魅力を感じて来ました。
★王(おう)さん
中国から来ました。日本の桜がとても好きです。日本に来て、違う生活を送ってみたいと思いました。
A.★ニキタさん
お年寄りのお世話が好きなので、この仕事を選びました。
★王(おう)さん
中国では看護学校に通っていましたが、高齢化が進む中、介護の知識がほしいと思って就職しました。
A.★ニキタさん
ご飯やお風呂などのお世話をするのが楽しいです。「いつもありがとう」と言ってもらえると嬉しいです。
★王(おう)さん
日本語は難しいですが、コミュニケーションが上手くいくと嬉しいです。
A.令和2年4月に、県からの委託を受けて設立した機関です。
当センターは、外国人が円滑に働けるように外国人と介護事業所等をサポートする「監理団体」と「登録支援機関」の機能を持っています。
外国人の受入れを考えている介護事業所等からの相談に応じたり、雇用にあたってのマッチング支援を行ったりしています。
求人から採用、入国、就労までの手続き等の説明や、面接のセッティング、現地での視察・面接への同行等も行っています。
受入れ後も、介護技術や日本語のスキルアップのための学習支援や、介護福祉士の国家試験対策など、様々な研修を行っています。また、外国人からの生活相談に応じるなど、両面のサポートを行っています。
A.介護分野での人手不足が深刻化する中、大切にしているのは、職員同士の「つながり」です。
滋賀県国際介護・福祉人材センターでは、勉強会だけでなく交流会を定期的に開催しています。バーベキューやカレー作り、バドミントン等を通して、他の介護施設の職員と情報を共有したり、友人を作ったりする機会となっています。
これらの取組を知って、他県から滋賀県で働きたいと申し出てくれた外国人もいます。
外国人の職員にとって、住みやすく、生活しやすい環境はもちろん大切ですが、人とのつながりも大切なのです。
今回の取材を通して、外国人が安心して生活し、働けるよう、受入れ側で様々な取組が行われていることがわかりました。
しかし、入居できる住宅がなかなか見つからないという、生活基盤に関わる問題があります。もし自分が海外で働くことになって、住む家がなかなか見つからなかったら、どんなに不安になるだろうと思いました。
「外国人だから」という理由で、偏見や差別の意識を持っていないか、考え直す機会になりました。
人口減少や高齢化、また、育成就労制度の創設により、日本で働く外国人はこれからも増えていくと思われます。
言葉や文化、宗教が違っても、同じ国で暮らす仲間です。国籍を超えて人のつながりを大切にして、お互いに支え合うことが大切であると感じました。
県では、日々の暮らしの中で人権について考え、行動につながるきっかけとなるよう、エフエム滋賀(e-radio FM77.0)で人権啓発ラジオ番組を放送しています。※「style!」の番組内
毎週火曜日10時15分~(5分間)
7月2日・・・・「就職と人権」
7月9日・・・・「刑を終えた人の人権」
7月16日・・・「新型コロナウイルス感染症と人権」
7月23日・・・「ハンセン病と人権」
7月30日・・・「エイズと人権」
番組には、エフエム滋賀のパーソナリティー林智美さんと、滋賀県人権啓発キャラクター「ジンケンダー」が出演しています。ちょっと難しい人権課題を、毎週わかりやすく解説しています。
放送から1週間以内であれば、「radiko」(アプリ)で聴くこともできます。
ぜひお聴きください!
滋賀県で、令和7年(2025年)に「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」が開催されることをみなさんはご存じでしょうか。
じんけん通信では、このうち全国障害者スポーツ大会、「障スポ」で実施される障害者スポーツを、毎月紹介しています。
今回は、正式競技の1つ、「陸上競技」の概要について、ご紹介します。
◆陸上競技(りくじょうきょうぎ)
身体障害のある選手と知的障害のある選手が出場する競技です。
100メートル走や砲丸投げなどの一般的な種目と、スラローム、ビーンバッグ投げなど、障害者スポーツ特有の種目を設け、使用する用具を工夫するなどして、全15種目が行われます。
詳細は、大会公式ホームページをご覧ください♪
●“社会を明るくする運動”強調月間
~犯罪や非行を防止し、立ち直りを支える地域のチカラ~ 強調月間
“社会を明るくする運動”は、すべての国民が、犯罪や非行の防止と罪を犯した人たちの更生について理解を深め、それぞれの立場において力を合わせ、犯罪や非行のない安全で安心な明るい地域社会を築こうとする、法務省が提唱する全国的な運動です。強調月間である7月を中心に、1年を通じてSNSを活用した広報活動等に力を入れて取り組まれています。
◇法務省ホームページ「第74回“社会を明るくする運動”」
https://www.moj.go.jp/hogo1/kouseihogoshinkou/hogo_hogo06.html
●再犯防止啓発月間
法務省では、7月を「再犯防止啓発月間」と定めています。県では、関係機関が一丸となって、生きづらさのある人に寄り添いながら、犯罪が選択肢とならないような社会環境をつくるとともに、それがひいては被害者を生み出さない社会となることを目指して、令和6年3月に第二次滋賀県再犯防止推進計画を策定しました。
◇滋賀県ホームページ「滋賀県における再犯防止の取組」
https://www.pref.shiga.lg.jp/ippan/kenkouiryouhukushi/chiiki/326010.html
●青少年の非行・被害防止滋賀県強調月間
内閣府では、7月を「青少年の非行・被害防止全国強調月間」と定めています。本県においても、同月を「青少年の非行・被害防止滋賀県強調月間」とし、関係機関・団体、地域住民等が青少年の非行と犯罪被害に対する共通の理解と認識を深め、青少年はもとより、社会全体が規範意識を高め、社会環境の浄化を図るための諸施策・諸活動を集中的に実施し、青少年の非行や被害の防止と保護の徹底を図ります。
●なくそう就職差別 企業内公正採用・人権啓発推進月間
県および市町では、企業の経営者や従業員等が同和問題をはじめとする人権問題に対する正しい理解と認識を深め、差別のない明るい職場づくりを推進するため、企業における就職差別の撤廃と同和問題をはじめとする人権研修がより一層充実・強化されるよう、毎年7月を「なくそう就職差別 企業内公正採用・人権啓発推進月間」とし、各種啓発活動を行っています。
●16日性同一性障害者特例法の公布
平成16年(2004年)のこの日に公布。性同一性障害である場合、家庭裁判所の審判を経て、戸籍上の性別を変えることができるようになりました。
●30日人身取引反対世界デー
国連により、平成26年(2014年)に定められました。人身取引の問題を世界中の人に知ってもらうため、キャンペーンが展開されます。