人権施策推進課では、人権に関する特集記事「じんけん通信」を毎月、ホームページ上で発信しています。
特集記事にあわせて、ジンケンダーラジオの放送予定と、今月からは「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」で実施される障害者スポーツについても掲載しています。
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令和6年(2024年)6月(第194号)
6月1日は「人権擁護委員の日」です。現在、滋賀県には221人の人権擁護委員がおられ、県民からの人権相談に応じたり、人権の大切さを広めたりする活動を行っておられます。
今回のじんけん通信では、人権擁護委員として長年活動しておられる滋賀県人権擁護委員連合会 会長の向井 洋子(むかい ようこ)さんと、大津人権擁護委員協議会事務局長の田所 秀孝(たどころ ひでたか)さんにお話を伺いました。
向井会長
PTAの会長として学区内のいろいろな行事へ参加していたところ、人権擁護委員を探していた市役所からお願いされたことがきっかけです。人権擁護委員になったばかりのころは、子育て真っ最中であり、他の人権擁護委員は定年退職された方がほとんどだったため不安もありました。しかし、現在まで15年間活動を続けており、昨年、女性として初めての会長に就任しました。
田所事務局長
私は人権擁護委員をしていた先輩から引継いだことがきっかけです。右も左もわからない中で始めましたが、活動していくうちに、どんどんとやりがいが出てきました。2006年から人権擁護委員として活動しており、気が付けば18年目となりました。
人権擁護委員は、主に1.人権相談活動、2.人権侵犯に関する調査・救済活動、3.人権啓発活動の3つを行っています。
1.の人権相談活動としては、法務局で午前9時半から午後4時半まで電話や面談による相談を受けています。各市町で特別に場を設けて相談を受けることもあります。(特設相談)
2.の人権侵犯に関する調査・救済活動としては、「人権を侵害された」という被害者からの申告などを受け、法務局職員と協力して調査に当たります。
また、「こどもの人権SOSミニレター」を毎年6月に県内すべての小学校と中学校に配布しています。これは、先生や保護者にも相談できない子どもの悩みを把握し、学校や関係機関と連携を図りながら、様々な人権問題の解決にあたるための取組です。毎年100~150通ほどの手紙が届きますので、人権擁護委員がお返事を書いていますが、この「こどものSOSミニレター」がきっかけとなって調査・救済活動につながる場合もあります。
3.の人権啓発活動としては、小学校や中学校で人権教室を行っています。時には未就学児に対して行うこともあります。人権について、子どもだけでなく親子で考えてほしいという思いから、「家に帰ったら、今日の人権教室のことをお家の人にも話してね」と伝えるようにしています。幼いころから人権について考えることで、人権の大切さを認識してもらうとともに、行動するきっかけになれば良いなと思っています。
最近では、企業からの人権研修の依頼も多くなりました。大学の入学式で研修を行ったり、企業の入社式で「ビジネスと人権」としてハラスメントや社内の人との関わり方等の研修を行いました。昔に比べると、人権擁護委員の活動がひろがっています。
様々な相談がありますが、子どもであれば、友人・家族との関係に関することや、新しい環境になじめない、といった相談が多いです。
大人からは、近隣との付き合いや職場でのハラスメントなどの相談が多いです。
最近は、LGBT等の悩みについての相談も増えてきました。
インターネットに関する課題が多いと感じています。子どもの間でスマートフォンが普及していることにより、SNSで特定の人を仲間から外したり、悪口を書きこんだりする問題が起こっています。
そこで人権擁護委員連合会では、NTTドコモとコラボして「スマホ・ネット人権教室」を開いています。小学生、中学生、高校生はもちろん、教職員や保護者も対象にして、スマートフォンやインターネットの使い方や危険性について理解してもらうとともに、トラブルへの対処方法やモラルの育成を行っています。
外出自粛やリモートワークが広がったことによる影響からか、電話による相談が多かったです。
コロナが流行し始めた頃は、新型コロナウイルス感染症の患者に対する差別についての相談がありました。また、ワクチン接種をめぐる差別や、学校が休校になったことによる交友関係の悩みなどの相談もありました。
また、コロナ禍の啓発活動はとても難しいものでした。感染対策のため啓発物品を直接配れないので、手に取ってもらう機会が減ったり、人権教室が例年通り行えなかったりするなどの困難がありました。そんな中でも知恵を出し合いながら、パネル展を行ってみたり、あらかじめビデオを収録して人権教室で放映してみたりするなどの工夫を凝らしました。パネル展の取組は現在も続けて行っています。
人権に関する課題は日々変化しています。様々な相談に対応できるよう、ニュースなどで最新情報をチェックするようにしています。
相談を受けた際は自分の名前をお伝えし、相談者に安心してもらえるようにしています。また、じっくりお話を聞き、相談者がどのような対応を望まれているのかを確認するようにしています。
相談内容によっては、関係者の協力を得た上で調査を行うことがあります。調査結果に基づき人権侵害が認められるかどうかを判断し、必要に応じて適切な措置をとります。
救済措置は、相手に罰を与えるのではなく、相手に人権について考え、自主的に改善するきっかけを提供することを目的としています。
人権擁護委員の日である6月1日の前後に、各市町で特設相談を開設します。また、公共施設や量販店などで街頭啓発を行います。街頭啓発では、相談窓口の連絡先やQRコードを記載した啓発物品を配ります。
また、12月4日~10日の人権週間には、「一日人権擁護委員」が任命される市町があります。彦根市では「ひこにゃん」が一日人権擁護委員となって、一緒に街頭啓発等の活動を行っています。
1月には、中学生の人権作文コンテストの表彰式を行います。次世代を担う中学生の皆さんに、日常生活の中で得た経験に基づく人権作文を書いてもらうことを通して、人権について理解を深め、豊かな人権感覚を身に付けてもらいたいと思います。
困った時は、一人で悩まず、気軽にご相談ください。秘密はかたく守ります。
電話や面談のほかに、インターネットやLINEでも相談できます。
みんなの人権110番0570-003-110
女性の人権ホットライン0570-070-810
こどもの人権110番0120-007-110
法務省インターネット人権相談受付窓口https://www.jinken.go.jp/
法務局LINEじんけん相談検索ID:「@linejinkensoudan」
県では、日々の暮らしの中で人権について考え、行動につながるきっかけとなるよう、エフエム滋賀(e-radio FM77.0)にて人権啓発ラジオ番組を放送しています。※「style!」の番組内
毎週火曜日10時15分~(5分間)
6月4日(火)・・・・「人権擁護委員、相談体制」
6月11日(火)・・・「地球温暖化と人権」
6月18日(火)・・・「外国人の人権」
6月25日(火)・・・「産後パパ育休制度」
番組には、エフエム滋賀のパーソナリティー林智美さんと、滋賀県人権啓発キャラクター「ジンケンダー」が出演しています。ちょっと難しい人権課題を、毎週わかりやすく解説しています。
放送から1週間以内であれば、「radiko」(アプリ)で聴くことができます。
ぜひお聴きください!
「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」が令和7年(2025年)に滋賀県で開催されます。
じんけん通信では、このうち障害者スポーツ大会(障スポ)にあわせて実施される障害者スポーツを毎月紹介していきます。
初回の今月号では、「わたSHIGA輝く障スポ」の概要について、ご紹介します。
◆正式名称・・・・・・・・第24回全国障害者スポーツ大会
滋賀県では、前身の「全国身体障害者スポーツ大会」も含めると、44年ぶりの開催となります。
◆大会愛称・・・・・・・・わたSHIGA輝く障スポ
選手、ボランティアをはじめ、県民、来場者など滋賀県で開催する両大会に関わるすべての人が、様々な場面で主役として光り輝き、夢や感動、連帯感を共有できる大会を目指します。
◆大会スローガン・・・湖国の感動未来へつなぐ
◆大会会期・・・・・・・・令和7年(2025年)10月25日(土)から10月27日(月)までの3日間
◆実施競技
正式競技・・・公益財団法人日本パラスポーツ協会が定める「全国障害者スポーツ大会競技規則」に基づき実施する競技
1.陸上競技 2.水泳 3.アーチェリー 4.卓球(サウンドテーブルテニスを含む)
5.フライングディスク 6.ボウリング 7.ボッチャ 8.バスケットボール
9.車いすバスケットボール 10.ソフトボール 11.グランドソフトボール 12.バレーボール
13.サッカー 14.フットソフトボー ル
オープン競技・・・障害者スポーツの普及の観点から有効と認められる競技
1.SOバドミントン 2.ゴールボール 3.スポーツウエルネス吹矢
大会公式ホームページはこちらからご覧くださいhttps://shiga-sports2025.jp/shospo
●1日 人権擁護委員の日
6月1日は「人権擁護委員の日」です。人権擁護委員は、あなたの街の相談パートナーとして、様々な人権侵害など、皆さんの問題解決のお手伝いをしています。女性・子ども・高齢者などをめぐる人権の問題やインターネット上の人権侵害、新型コロナウイルス感染症に関連した差別などでお困りの方は、「みんなの人権110番(電話0570-003-110)」までご相談ください。
●12日 児童労働に反対する世界デー
平成14年(2002年)にILO(国際労働機関)が制定しました。児童労働の撤廃をめざして、世界各地で様々な活動が展開されます。
●20日 世界難民の日
難民の保護と支援に対する関心を高め、世界各地で行われている難民支援活動への理解を深めるために、平成12年(2000年)12月の国連総会で決議、制定されました。毎年、世界各地で様々な活動が展開されます。
●22日 らい予防法による被害者の名誉回復及び追悼の日
平成21年度(2009年度)から、ハンセン病療養所入所者等に対する補償金の支給に関する法律の施行日である6月22日が「らい予防法による被害者の名誉回復及び追悼の日」と定められています。ハンセン病に対する偏見・差別をなくすため、この機会にハンセン病への理解を深めましょう。
●23日 慰霊の日(沖縄県)
沖縄県が制定している記念日で、沖縄戦等の戦没者を追悼する日と定められています。毎年この日に、糸満市の沖縄平和祈念公園で沖縄全戦没者追悼式が行われます。
●23日~29日 男女共同参画週間
6月23日から29日は「男女共同参画週間」です。国、地方公共団体などが、男女共同参画社会づくりに対する国民の理解と関心を高めるためさまざまな行事を行います。