人権施策推進課では、人権に関する特集記事「じんけん通信」を毎月、ホームページ上で発信しています。
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令和6年(2024年)2月(第190号)
「難病」とは原因が不明かつ治療法がない病気であって、長期にわたる治療が必要な病気のことを言います。また、誰が、いつ、難病にかかるかはわかりません。現在、各機関にて難病の解明についての研究や新薬の開発がなされています。また、平成27年1月1日に施行されました「難病の患者に対する医療等に関する法律」(以下、「難病法」という。)において、国の施策として難病患者が守られるようになりました。難病患者の周りの環境はその時代の医療水準や社会事情によって変化します。
難病の疾病数は、難病法では338の疾患(国から医療費の助成をもらえる疾患数)が定められており、それ以外には1,000疾患または2,000疾患以上あるのではないかと言われています。また、発症年齢は様々であったり、同じ疾患でもその方によって症状が違うなど難病のあり方は多種多様であり、一人ひとりの状況に応じた理解や対応が大切です。
じんけん通信2月号では、大津市の滋賀県厚生会館にある「滋賀県難病連絡協議会」を訪問し、協議会の取組等について、堀井理事長、藤居副理事長、水江常務理事からお話を伺いました。
Q.協議会発足から現在に至るまでの経緯を教えてください。
治る見込みのない難病を宣告されると、不安でたまらなくなります。また、周囲の人々から奇異の目で見られたり避けられたりすることを恐れて、患者自身が難病を隠そうとされることもあります 。
そのような状況において、様々な困難に直面されている難病患者やその家族が安心して暮らすこと ができるように、「ひとりぼっちの難病患者をなくそう」をスローガンにして、 1984年(昭和59年)9月、6団体545名で滋賀県難病連絡協議会が誕生しました。 2001年(平成13年)には、全国にある地域難病連絡協議会の中で全国初のNPO法人の認証を受け、現在は9団体391名で活動しています。
また、当協議会は(一社) 日本難病・疾病団体協議会( JPA:Japan Patients Association )に加盟しており、JPA北陸・近畿ブロックでの交流会や全国総会にも参加しています。
<特定非営利活動法人滋賀県難病連絡協議会 加盟9団体(順不同)>
○全国膠原病友の会 滋賀支部
○公益社団法人日本リウマチ友の会 滋賀支部
○NPO 法人京都スモンの会 滋賀支部
○全国筋無力症友の会 滋賀支部
○稀少難病の会 おおみ
○全国パーキンソン病友の会 滋賀支部
○日本ALS協会 滋賀県支部
○滋賀県網膜色素変性症協会
○近江脊柱靭帯骨化症友の会
Q.協議会の活動について教えてください。
協議会では、難病に関する調査研究啓発事業を行っています。また、難病に関する相談支援事業としまして、滋賀県難病相談支援センターを滋賀県から受託し、難病についての相談を行っています。
啓発事業としては、毎年、滋賀県との共催により「難病のつどい」を開催しています。14回目の開催となる令和5年度は、「知ろう改正難病法”今”使える難病患者の制度」をテーマに、対面とオンラインを併用して難病のつどいを開催しました。令和4年度は「防災」、令和3年度は「就労」など、さまざまなテーマにおいて、県民のみなさんと共に難病の理解に努めています。
また、年に3回、機関誌「しがなんれん」を発行し、正会員や賛助会員をはじめ多くの方に難病に関するタイムリーな情報を発信しています。
県庁の本館1階県民サロンや厚生会館1階には、難病・慢性疾患患者支援自動販売機を設置し、売上げの一部を難病患者支援の活動源としています。なお、都道府県庁での設置は、滋賀県庁が全国で初めてになります。
この他にも、毎年2月の最終日に世界同日で開催される世界稀少・難治性疾患の日イベントへの参加や、勉強会の開催等、様々な啓発活動を行っています。
Q.難病相談支援センターの事業について教えてください。
難病相談支援センターでは、面談、電話、メール等による相談支援事業からピアサポート、さらには、就労支援、交流会や医療講演会の開催などにより、難病に関する情報の収集・提供等を行っています。また、在宅難病患者等療養生活用機器貸出事業も行っています。
相談支援事業は、平日の午前10時から午後4時まで行っています。相談窓口には、難病支援員(保健師・看護職)や難病相談員(患者・家族)がいますので、療養や日常生活の悩みなど、何でも相談していただければと思います。
就労相談は、毎週金曜日の午前10時から午後3時まで行っています。また、予約制で毎月1・3・5週は難病患者就職サポーター(ハローワーク相談員)が同席します。「急に仕事を休むことになるかもしれない」「就労先で配慮してもらえるか不安」と感じておられる方も、それぞれの症状の特性に応じた支援をさせていただきます。「働きたい!働き続けたい!」と思っている難病患者の方は、ぜひご相談ください。
Q.活動において、意識していることはありますか。
難病患者のニーズを把握することが大切だと考えています。患者交流会として、月1回程度「ホッとサロン」を県内各地で開催し、生活の工夫や病気の話、困っていること等について情報交換をしています。「ホッとサロン」は、難病患者が悩みを相談して精神的に楽になってもらうことができる場であるとともに、難病患者のニーズを把握する場でもあります。難病患者やご家族が、今どのようなことに困っておられて、どのような支援を必要とされているのかを把握しながら、難病患者の役に立てるようにしていきたいと考えています。
Q.これまでの活動の中で、よかったことはありますか。
人と会う機会を大切にして、難病患者やご家族どうしの交流の場を設けています。交流会を開催した際に、参加者の方から「話をすることで気が楽になった。」と言っていただくことがあり、とても嬉しく思いました。
滋賀県難病連絡協議会の加盟団体ごとにも様々な活動があります。「全国パーキンソン病友の会 滋賀支部」では、お正月に交流会を開催してゲームやレクリエーションを行い、喜びのお声をいただきました。他にも毎月1回集まって卓球なども行っています。
Q.今後の課題や目標はありますか。
現在の協議会は、高齢の会員の割合が高く、若い世代の会員は多くない状況です。今後も活動を続けていくためには、若い世代にたくさん参加してもらうことが必要だと感じています。
難病を発症する年齢は60 歳以上であることが多いですが、年齢に拘ることなく幅広い世代の方々に難病に関する情報を発信し、一人でも多くの人に難病について考えていただければと思います。
Q.じんけん通信の読者にメッセージをお願いします。
難病は、いつ誰が発症してもおかしくありません。今でも、患者本人やご家族が、自宅に介護サービス事業者の車が停まっていることを気にされたり、患者の部屋を人目から見えにくい場所にされるということも聞きます。じんけん通信の読者の皆さんも、難病や難病患者の現状について
知っていただきたいと思います。
難病についてお悩みのことがありましたら、ぜひ、滋賀県難病連絡協議会までご連絡ください。困ったときや不安なときは、一人で悩まないで皆で語り合いましょう。
事務所所在地:〒520-0044 大津市京町四丁目3-28 滋賀県厚生会館 別館2 階
難病についてお悩みの方、関心のある方は、下記までご連絡・ご相談ください!
○特定非営利活動法人滋賀県難病連絡協議会
TEL/FAX : 077-510-0703
メールアドレス : [email protected]
ホームページ : https://shigananren.org/
★正会員、賛助会員の入会を募集しています!ご入会、ご協力いただける方は、ぜひご連絡ください!
★協議会の加盟団体についても、お問い合わせいただけます!
○滋賀県難病相談支援センター
TEL : 077-526-0171
FAX : 077-526-0172
メールアドレス : [email protected]
ホームページ : https://www.pref.shiga.lg.jp/site/nanbyou_center/
●2月1日~3月18日 サイバーセキュリティ月間
昨今、サイバー空間において国民の個人情報や財産をはじめ、実生活に悪影響を及ぼすサイバー攻撃による被害が深刻化しています。安全・安心な社会の実現のために、サイバー空間の利用者である国民一人ひとりが、意識・理解を醸成し、対策を進めていく必要があります。期間中、政府機関が各種啓発主体と連携し、サイバーセキュリティに関する普及啓発活動を集中的に実施します。
●4日~10日 滋賀県がんと向き合う週間
2月4日の世界がんデーに世界各国でがんに関する啓発行事が行われることから、滋賀県は、2月4日から10日を滋賀県がん対策の推進に関する条例で「滋賀県がんと向き合う週間」と定め、「県民および事業者の間に広くがんに関する理解と関心を深めるとともに、がんの予防、早期発見等に関する自主的な取組への意欲を高める」こととしています。期間中、がんに関心を持っていただけるよう広報等を行います。
滋賀県ホームページ「がん情報しが」
●20日 世界社会正義の日
国際連合は平成19年(2007年)の決議で、この日を採択しました。平成7年(1995年)の「世界社会開発サミット」で採択された宣言の内容である貧困の撲滅や、男女同権、労働者の権利について目標達成に向けた取組の促進を加盟国に働きかけるもので、啓発活動等が行われます。
●21日 国際母語デー
言語と文化の多様性、多言語の使用、そしてあらゆる母語の尊重の推進を目的とし、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)が平成11年(1999年)に制定しました。