新型コロナウイルス感染症にかかった後、感染性がなくなったにもかかわらず、療養中にみられた症状が続いたり、新たに症状が出現したりするなど、後遺症として様々な症状がみられる場合があります。
後遺症に関する症状の実態については、様々な研究がなされていますが、未だ不明点が多く、それぞれの症状と新型コロナウイルス感染症との因果関係は十分には分かっていません。
世界保健機関(WHO)は、このような症状を“post COVID-19 condition”と称しており、「新型コロナウイルス感染症診療の手引き(別冊)罹患後症状のマネジメント」では“罹患後症状”と言われています。
新型コロナウイルス感染症に関する医療機関向け情報(治療ガイドライン、臨床研究など)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00111.html
(厚生労働省サイトへリンク)
■全身症状
倦怠感,関節痛,筋肉痛
■呼吸器症状
咳,喀痰,息切れ,胸痛
■精神・神経症状
記憶障害,集中力低下,不眠,頭痛,抑うつ
■その他の症状
嗅覚障害,味覚障害,動悸,下痢,腹痛
COVID-19罹患後症状とは、SARS-CoV-2感染の可能性が高い、または感染が確認された既往のある人に起こる疾患と定義され、通常COVID-19の発症から3か月以内に、症状や影響が少なくとも2か月間続くものを指します。
そして、その症状や影響は、他の併存する医学的診断では説明できない、という基準になります(世界保健機構(WHO))。
罹患後症状への治療は、対症療法(それぞれの症状に応じた治療)が中心となります。長引く症状がありましたら、まずは、症状に応じたかかりつけ医にご相談いただくか、診療科目の医療機関を受診しましょう。
(例えば、咳や倦怠感は内科、嗅覚障害は耳鼻科、抑うつ気分は心療内科など症状に応じて受診することになります。)
●罹患後症状(後遺症)に関する動画(内閣官房動画)
https://youtu.be/9zsyGR_MKCI(外部サイトへリンク)
罹患後症状については、世界的に調査研究が進められている最中であり、まだ不明な点 が多いですが、国内の調査研究(厚生労働科学研究)によると、診断後6ヶ月の時点で約 8割の方は罹患前の健康状態に戻ったと自覚したと報告されております。当該研究におい ては、診断後1年の結果についても今後報告される予定です。また、世界保健機関(WHO)は、現時点の知見として、新型コロナウイルス感染症に罹患したほとんどの方は、完全に罹患前の状態に戻るものの、一部の方には、長期的心身への影響が残ることがあると報告しています。
感染可能期間は、一般に発症2日前から発症後7~10 日とされており、罹患後症状があったとしても、基本的に他の人に感染させることはありません。
罹患後症状は、自然経過で徐々に回復することが多いと考えられておりますが、その過程で、症状の緩和や早期回復を目的として、各症状に応じた対症療法が行われることがあります。また、海外の研究によると、新型コロナウイルスワクチンを2回接種した後に新型コロナウイルスに罹患した場合、28日以上遷延する症状の発現が約半数に減少することが報告されています。
症状が段々と改善傾向であるならば、かかりつけ医等に相談しつつ、様子を見ることも可能です。症状が改善せずに持続する場合は、他の疾患による症状の可能性もありますので、かかりつけ医や診断を受けた地域の医療機関にご相談下さい。
一般診療と同様に、診療費の自己負担が発生します。
医師の判断でリハビリが有用とされる場合には、リハビリを提供することはできます。
医師の届出の必要はありません。