累積債務が増加していく中、平成17年1月、滋賀県造林公社は、新たな経営改善計画を策定するため、上流・下流社員からなる経営改善検討会議を立ち上げました。この経営改善検討会議では、(1)今後の森林づくり、(2)今後のランニング経費、(3)累積債務の処理方策の3点を中心に検討されてきましたが、意見がまとまらず計画をとりまとめには至りませんでした。
この間、下流団体をはじめ公庫から返済の猶予をいただきながら検討を進めてきましたが、平成19年4月、公庫からの返済猶予を得ることが出来ず、公社は延滞状態となりました。その後も、下流および公庫とも協議を進めてきましたが進展せず、平成19年10月31日、公庫から「延滞を解消しなければ全額繰上償還の手続きを進める」との通告がありました。
これ以上、公社独自の努力では現在の厳しい経営環境を克服することは困難との結論に至り、両公社は、平成19年11月8日に緊急理事会を開催し、公庫、滋賀県および下流団体に対して特定調停を申し立てることを決定し、同年11月12日に滋賀県造林公社が、同月15日にびわ湖造林公社がそれぞれ大阪地方裁判所に特定調停を申立てました。
これを受けて、公庫は同年11月8日に公社に対し一括償還請求を行いました。公社は支払うことができないことから、10か月後には公庫と損失補償契約を締結している滋賀県に請求が来る状態となりました。これを回避するため公庫と協議を続けてきましたが、平成20年9月4日に県が免責的に引き受けることになりました。
その後、滋賀県および下流団体の債権について協議を続け、平成23年1月6日に申立人(公社)から調停条項案が相手方(滋賀県、下流8団体)に提出され、同月20日までに相手方から申立人に対し、調停条項案を受入れる旨の回答があり、各議会に関係議案が上程されました。
各団体とも関係議案が可決され、平成23年3月30日に開かれた調停期日において特定調停が成立しました。