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滋賀に気づいた人INTERVIEW#35 岡田豊さん

「琵琶湖を一望できる場所で、自然とつながる暮らしをしています。」

琵琶湖の風景に一目惚れしたのをきっかけに大津市の志賀に移り住んでからは、湖を一望できる土地で農的暮らしを始めるなど、日々自然とつながる暮らしを楽しむ岡田さん。イラストレーター、Podcast MC、琵琶湖清掃ボランティア、建築と、自身のアーティストとしての力を地域のコミュニティに活かすべく、湖西を拠点にじつにさまざまな活動を行っています。

土地の魅力に一気にハマった、志賀という聖地。

___滋賀に来られたきっかけは何ですか?

イラストレーターとして活動しながら軽バンで日本中を旅したり、バックパッカーとしてアフリカやアジアを渡り歩いたりする生活を送っていました。その後、油絵を学ぶために 2009 年から伊豆で暮らしていたのですが、東日本大震災をきっかけに家族と親元に近い土地で暮らそうという話になって、関西で家を探すことになったんです。滋賀には息抜きのドライブで訪れたのですが、湖西の道を走った際に目の前にパッと開けた琵琶湖の光景が、大好きだった伊豆の風景にそっくりだったことに驚きました。そのまま湖まで出られそうな道を進んでいたら、目の前に浜がバーンと広がって……。その瞬間に「ここは聖地や!」と魅力に一気にハマって、志賀への移住を決めました。


 

___滋賀の「志賀」に来て始められたことは何ですか?

当初はイラストや ART 制作中心の生活だったのですが、元々農的な暮らしをしてみたい気持ちが漠然とあって、それができる志賀での暮らしにもっとウェイトを置きたいという思いが強くなっていったんです。すると偶然、琵琶湖を一望できる土地を地元の方に紹介してもらい、そこで田んぼや畑にチャレンジすることができました。また、僕が移住を決めたきっかけとなった松の浦の浜では、定期的に「Monday Beach Cleanup」というゴミ拾い活動を行っています。元々は浜に遊びにくるたびに見つけたゴミを一人で拾っていたのですが、次第に協力してくれる人が集まってくれるようになって、今では地域のちょっとした交流の場にもなっています。

湖西の魅力があったから生まれたコミュニティ。

___志賀ではどんな活動をされていますか?

友人と「百姓 ART LAB radio」というポッドキャストを不定期で配信していて、地域の方をゲストとして紹介することがあるのですが、そのうち「地域には面白い人たちがいっぱいいるのに、集まれる場所がないよね」という話をするようになったんです。僕自身、クリエイティビティを地域のコミュニティの発展に活かしたいという思いが強くなっていましたし、大きなことを考えてもひとりでするのは困難で、それよりもみんなで学んで育てられるコミュニティを作りたいという気持ちがありました。それでパン屋の友人がオーナーとなってくれて共に立ち上げたのがオルタナティブ公民館「打明」です。施設内にはパン屋などの常設店舗があるほか、さまざまな用途で使えるイベントスペースも設けています。


 

___イラスト以外の創作活動について教えてください

室内で絵を描くより、太陽を浴びてフィジカルにものを作りたい――。そんな思いから、イラストという「平面」から建築という「立体」も手掛けるようになりました。「打明」内にあるハーブアロマショップ「Organic herb center」は、元々農小屋だった建物に廃材を活用して改装したもので、捨てられるはずだった素材が目的の場所に美しくはまっていくたびに、「このためにお前は来たんか!」と嬉しくなりましたね。そうした多様な創作活動の一環として「打明」にてさまざまなイベントを企画することもありますが、僕は地域内外の交流を活発にする焚き付け役のような裏方ポジションで、みんなで作るコミュニティを楽しませてもらっています。


 

「打明」は、“湖西ファン” が集まる場所。

___岡田さんにとって湖西とはどんな場所ですか?

環境がいいですね。湖西の魅力があってこそ、「打明」などのコミュニティができあがっていったんだと思います。今まではそうした土地の環境を見て移住してこられる人が多かったんですけど、月一開催の「蓬莱の家」での朝市「HOURAI マルシェ」など、人が出会うきっかけづくりのプラットフォームが充実してきていて、人同士のやりとりやつながりを見て移住したいと希望する人も現れるようになったんです。ここ 10 年で”湖西ファン„がめちゃくちゃ増えてきているなと。「打明」では遊びやカルチャーの接点として音楽イベントも開催しているのですが、「そういうコンテンツもここにはあるんだな」と魅力に思ってもらえ、関西圏や湖東からも人が来てくれるようになりました。


 

地元を楽しんでいる大人たちの背中を子供に見せたい。

___今後の夢はありますか?

今後の暮らしを考えた際に、地域にはどうしても最小単位のコミュニティが必要になってくると思います。自分たちの意思決定で小回りがきく、小さい単位のコミュニティを育てることが暮らしの豊かさになっていくでしょうし、日本各地にそういったコミュニティができている昨今なので地域外との繋がりも大切に、風通しの良いエリアでありたいと思っています。そして何より、子供世代にも魅力のある地域であり続けたいですよね。ここに住んでいるけど街に働きに出る人も多いので、地元で能力を落とせるきっかけが作れたらいいなと思ったりもしています。この地域を楽しんでいる大人たちの背中を子供たちが見てくれて将来街に出て行っても、帰ってきたいなと思ってもらえるような場所にしていきたいです。


 

___滋賀への移住を検討している方にメッセージはありますか?

オルタナティブ公民館「打明」はいろんな方が色んな催しをしているので、気になるものがあればぜひ訪れてほしいですし、コミュニティの空気を知りたいと悩んでいる方がおられたら「百姓 ART LAB radio」のポッドキャストを聴いてもらったり、朝市「HOURAI マルシェ」に一度足を運んだりされてみてはいかがでしょうか。自然や人とつながる暮らしに興味がある方には本当に住みやすい地域だと思います。ぜひお待ちしています。

ある一日のスケジュール

  • 7時00分 起床。 朝食。 子供の送迎
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