文字サイズ

滋賀県ホームページ

滋賀に気づいた人INTERVIEW#24 森和樹さん

11

「釣り人の聖地でもある琵琶湖。この湖の魅力、釣りの魅力を多くの人と共有したい。」

釣りの面白さをもっと世の中に広めようと会社員を辞めて遊漁船運営会社をはじめた森さんは、起業してまだ1年目。働き方が変わったり、助けてくれる人がいたりと毎日が発見の日々だそうです。はじめての事ばかりで不安がある中「自分がしたいことに、チャレンジできている今が楽しい」と話します。釣りと琵琶湖を心から愛し、何事にも真剣で積極的に取り組まれている姿が印象的でした。

あたため続けていた夢を実現。

__移住を決めたきっかけは?

香川県の出身で、就職して大阪府堺市にある釣り具メーカーに15 年間勤務していました。釣りが大好きで、ルアーの企画に携わりマレーシアに転勤したり、アメリカ、オーストラリアなど世界9 カ国で釣行をしていました。その仕事も大好きでしたが、日本で釣りの面白さをもっと伝える仕事がしたい、もっと遊べる場所を提供したいという想いがありました。社会人になった頃から、その夢を持ち続けていたので退職を決意し、バス釣りガイド業として起業を決意しました。

滋賀県を移住地に選んだのは、琵琶湖をもっと深く知るためです。会社を辞めるときには周りからの反対もありましたが、自分のしたいことを選びました。奥さんには付き合った頃から将来の話はしていましたが、いざ起業となると「本気なの?」と少し心配そうでもありました。サラリーマン生活が安定すればするほど、転職には正直なところ不安はありましたね。

大


 

__なぜ、海ではなく琵琶湖を選んだのですか?

釣り人の間では琵琶湖はバス釣りの聖地と言われているからです。私が20 歳まで住んでいた香川県は、水不足に備えるため、ため池が沢山ありました。子どもの頃は、バスフィッシングがブームで自転車でよくバス釣りをするために近所の池に通っていました。私がバス釣りを好きなのは、そのような環境にいたのも理由かもしれませんね。

釣りの大会で日本中を周り、香川県や大阪府にも船をおいていた時期もありました。琵琶湖には2017 年頃から船を置くようになり、大阪府から通っていました。でも、私には琵琶湖で実現させたいことがあり「ただ釣りが好きな人」というだけでは、そのことを語れないなと感じて、移住を決意しました。

11

琵琶湖の素晴らしさを伝える仕事。

__今は、どんな仕事をしていますか?

「LANDPASS/ ランドパス」という屋号で、琵琶湖で釣り用のボートでガイドのサービス会社を経営しています。釣りは大人から子供までが楽しめます。釣りの他にも、ボートで琵琶湖遊覧や写真撮影などのプランも用意しています。琵琶湖から眺める風景は雄大で、皆さんとても喜んでくださいますし、お客様との出会いは、いつも楽しいですよ。

琵琶湖って淡水で波も穏やかで、船酔いもしにくく、潮風でベタベタすることが無く、遊ぶにはすごくお勧めな場所です。滋賀県で起業する際、地元の商工会議所にも大変お世話になりました。「困った時には、取引先になるかもしれない企業もご紹介しますよ。」と親身に声を掛けていただき、それは何かに繋がるかどうかではなく、気持ちが嬉しかったです。

11


 

__琵琶湖でしか味わえない魅力は?

琵琶湖は日によって色が違うのも魅力の一つです。琵琶湖大橋を北側に越えると、海のような透明感があります。また、日本で唯一の、淡水湖にある有人島の沖島があり、見に行く人も多いです。琵琶湖の真ん中に現れる沖の白石は、普段では見られない神秘的な雰囲気があり、琵琶湖はいくら走っても飽きない、面白い場所です。この規模の湖は他に例える場所は無く、唯一無二な存在です。思わず写真を撮りたくなる風景が溢れていますよ。また、南はソルトレイクシティのような街で、琵琶湖が身近に感じられます。夜は湖から眺める街並がとても綺麗で、予告なく花火が湖上にあがることもあります。琵琶湖の魅力を、釣り人以外の人にも、もっと知ってもらわないと勿体ないです。

11


 

ここでしか出来ない楽しみ方がある。

__琵琶湖の遊び方を教えてください。

ボートで浮かぶ湖上は、好きなだけ素晴らしい景色が眺められる特等席です。湖側から自分たちが住んでいる場所を見るのも楽しいです。もちろん釣りに関しても自由な発想、自由な移動展開で楽しめるのが魅力です。そして、湖上で作るコーヒーやカップラーメンは格別です。湖上飯は、最高ですから一度は経験してみてくださいね。

また、琵琶湖では、浜沿いにボートで行ける飲食店もいくつかあります。滋賀県では車だけでなく、船でも県内を移動できます。湖上は信号も無いので、渋滞には巻き込まれません。また、琵琶湖沿いには、無料で止められる駐車スペースも整備されていて、場所代が無料のキャンプができる公園も充実しています。こんなにメリットがある琵琶湖なんだから、“外で” 遊ぶ人がもっと増えてほしい。自分がそのきっかけを作っていきたいです。

11


 

__ご家族は滋賀県での暮らしを、どう思われていますか?

奥さんは、大阪生まれ、大阪育ちです。滋賀県に移住する前に、一緒に下見に来たことがありますが、ネガティブなイメージは全くと言って良いほど無く、好印象でした。私が住む大津京から奥さんの実家がある大阪府へは、快速で乗り換えもなく行けますし、交通の便が良いです。引っ越した頃に嬉しく感じたのは、圧迫感の無い景色の素晴らしさでした。
また、ほどよく道が整備されていて、2人で琵琶湖を眺めながら散歩することもあります。車も道を譲ってくれる方が多く、買い物もしやすい。家も好条件で駅近に住めます。在宅ワークが増える中で、滋賀県が人気になる理由がわかりますね。奥さんとはお互いに「住みやすいね」と話しています。

11

釣り人として、理想は追い続けたい。

__移住後に、新しく始めたことはありますか?

今年、バスボートに乗ったことがなく普段は水辺で遊ばない子供達に、無料で釣りに招待して、湖上を楽しんでもらうイベント「子ども夢プロジェクト」に参加しました。私は移住者なのでここでは新参者ですが、同業者の方達には、疎外感無くとても親切にしていただいています。琵琶湖で遊漁船を運営するには、様々な規則がありますが、これからもっと活動の枠を広げ、人々の幸せに繋がる様々な事にチャレンジしたいと思います。琵琶湖が元気だと、全国が元気になるような気がするのです。

11


 

__叶えたい夢はありますか?

先日、人気YouTuber で様々な料理に挑戦するチャンネル「きまぐれクック Kimagure Cook」さんが来てくれて、釣りのガイドをさせていただきました。特定外来生物であるバスを釣って、料理し、食する企画で「綺麗な琵琶湖で育ったブラックバスは美味しいのではないかと思いここまで来た」と言っていただき「普通にごちそうだ」と広めてくれました。

バスを駆除するだけでなく、その命を大切に活用できないかとも考えています。バスの調理は、少し手間がかかりますが、滋賀県にはブラックバスを食べられるお店もあります。私はまだまだ無知で微力ですが、自分が出来ることを模索し続けたいと思います。

11

ある一日のスケジュール

  • 5時00分起床して朝食
先輩移住者インタビュー一覧