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「自然が豊かで人が良い。そんな地元で農業をやりたかったんです。」
“地元永源寺に帰ってきて農業をやる”ということが高校時代からの夢だった柴田さん。学生時代に打ち込んだ野球で完全燃焼し、今は農業へ一直線だといいます。「農業で成功して滋賀から出ていった友達を地元に迎えたい。」そう、まっすぐに語る柴田さんの地元愛を通して、滋賀・永源寺の魅力に迫ります。
__簡単な経歴を教えていただけますか。
東近江市、旧永源寺町の出身です。小学生から大学生まで野球をやっていまして、大学では京都に住みながら4年間野球に打ち込んでいました。大学でレベルの高い野球に触れて、野球をやることに達成感を感じたこと、そして高校卒業時からの夢が『地元に帰ってきて農業をやる』ということだったので、まずは資金を貯めようと思い、滋賀に帰って就職しました。新卒から車のディーラーで働いていましたが、地元の人と喋っているうちに「早く永源寺で農業がしたい!」と思い、予定を前倒しして前職を退職し、今は農業のアルバイトをしています。これから農業大学校に通って、そこを卒業したら独立して自分で農業をやりたいと思っています。
__どういったきっかけから農業を志されたのですか?
高校から大学へ入学する頃に、たまたま農業の記事やテレビを見たのですが、最初は単純に「儲かりそうだな」と思ったんですよ。(笑) ただ実際は、職人的な一面や天候に左右される部分、そして営業も必要というとても難しい仕事だと気づいて。いろいろと調べていくうちに、そんな農業に対して挑戦したいという気持ちに変わっていったんですね。それで、自分の挑戦に適したところはどこだろうと考えたときに、やはり生まれ故郷である永源寺の環境が一番だと思って、地元で農業をやろうと決意しました。
__大学を出て「そのまま都会に住みたい、働きたい」という気持ちはありませんでしたか?
最初は都会で働くことも考えて就活をしていましたが、やはり滋賀に戻って来たいという気持ちが大きくなりました。
大学4年間で京都に出てみて、自分としてはどちらも違和感なく住めたんですね。でもやはり落ち着くのはこの永源寺という町で。都会に行くのは休日に遊びに行くくらいで満足かなと思ったんです。
__滋賀に帰ってくる後押しになった出来事やエピソードはありますか?
中学校からの友達と「地元で一緒に働こう」と言い合っていたことも、滋賀に戻ってきた理由の一つですね。結局他のみんなは滋賀から出ていってしまったのですが、もし自分が農業で成功したら、みんなも帰ってくるかなと思ったんですよ。出ていった友達が帰ってくるのであれば、ゆくゆくは大きな会社にしてみんなで農業ができたら良いなと思います。
__独立して農業を始めるにあたってどんな準備をしておられますか?
まず前職を辞めたタイミングでそのまま市役所に行って、担当の方に相談していろいろな農家に体験へ行かせていただきました。その中で、「農業学校へ行くのが良いよ」とアドバイスをいただいたので、近江八幡市にある農業大学校の就農科に入る予定をしています。学校では、場所を与えられて自分で決めた作物を1年間育て、出荷までの一通りの流れを担当するそうです。農業経営や農業の基礎については学校で学べない部分もあると思うので、今の2つのアルバイトでいろいろと教えていただいています。桑やモリンガなどを育てる地元の会社と、近江八幡で野菜づくりをされている個人農家で働いているのですが、基礎から教えていただいて、とても勉強になっています。
__前職と今とで、生活の仕方は変わりましたか?
ディーラーで働いていた際は、土日に仕事があることも多く、結構忙しくしていました。前職を辞めたことで、もちろん収入面などのデメリットはありますが、今の方が断然充実していますね。農業の仕事をしながら、休日はキャンプやDIYをしたりする時間が増えましたし、余裕もできたことで「地元には良いところがたくさんあるな」と改めて気づくようになりました。
__休日はどのあたりに遊びに行かれますか?
湖岸緑地は良く遊びに行きます。夜に行ってテントを張って、対岸の夜景を眺めながらおつまみを食べたり、コーヒーを飲んで帰るみたいな感じでゆったり過ごしますね。夏は長浜や高島の水のきれいな地域に行ってSUPをしたりします。あとは滋賀県外もよく行きますよ。永源寺からだと名古屋方面のアクセスが良いので、車で気軽に県外へ遊びに行きますね。車移動が基本なのは気を付けないといけないですが、都会へのアクセスが良くて利便性が高いという点でも、滋賀はとても良い場所だと思います。
__滋賀や永源寺の魅力はどんなところですか?
自然が豊かで人が良くて、何でもある町ですね。
例えば、都会にいると何も考えなくても遊ぶ場所やものなどが揃うと思うのですが、田舎だと頑張って考えないと遊びが出てこないんですよ。でも、その遊びが田舎ならではで特別面白かったりするので、そういうところが好きですね。
あとは、地元だと通りすがりで出会った小学生などに「おかえり」「ただいま」と挨拶する文化があるんですね。そういう人の温かさに触れる機会がたくさんありますし、みんなで協力して生きているというような感覚があります。
琵琶湖があるので、湖岸でテントを張って、ゆっくりご飯を食べたりキャンプしたりすること。夜になると対岸の夜景が特に綺麗。