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「滋賀県民は気さくな人が多い。フリーランスの人でも孤独を感じることはありませんよ。」
大学卒業を機に京都から上京し、カメラマンとして働いていた花田さん。
思いがけないきっかけから滋賀へ来る機会が増え、次第にこの地に魅了され、2020年に移住して来られました。「滋賀を拠点にしながらも、旅をしながら働いていきたい」と話す花田さんにとって、滋賀県はどういう場所に感じているのか、お話を伺いました。
__ご職業と簡単な経歴を教えていただけますか。
フォトグラファーとコミュニティマネージャーを軸にフリーランスで活動しています。フォトグラファー歴は7年ほどです。
大学時代に初めてカメラを持って、美大生の友達の作品を撮ったりしているうちに、「クリエイターとして働きたい!」という思いが湧いてきました。その時は趣味程度の力量だったのですが、「勉強しよう」と思って、大学最後の年に思い切ってフォトグラファーの専門学校に入ったんですね。1年間専門学校に通いながら就活をしていたら、東京のあるスタジオで就職が決まったので、新卒からはずっと東京で働いていました。
__そこからどういう経緯で滋賀に移住されることになったのですか?
新卒で入った会社はカメラマンの登竜門のような会社だったので、そこでスタジオアシスタントとして1年間修行をしました。その後、アパレル会社などの専属カメラマンとして働いていたのですが、その頃から海外に行ったり、旅をしながら仕事をするスタイルになってきていたので、「このまま東京に住んでいる意味があるのかな」と思い始めていたんです。もし移り住むなら生まれ故郷の関西の方がいいなと考えていた矢先、コロナ禍で東京にいるメリットが更に下がってきたんですね。
あとは、私が東京にいる間に両親が滋賀県に引っ越していたんです。しかも、私の知らない間に。(笑) それで、お盆やお正月の時に滋賀に帰る機会ができて、だんだんと「滋賀の自然環境ってすごくいいな」と思うようになりました。そうこうしているうちに、仕事のキリが良いタイミングがきたので、思い切って滋賀に移住して来ました。
__ご両親は滋賀との接点があったのですか?
母の友人が滋賀に住んでいたりするので、以前からたまに遊びに来ていたようです。その方の娘さんは私と同級生なので、そういった繋がりもあって私も滋賀に来やすかったですね。
両親は、最初は京都市内で住む場所を探していたそうなのですが、環境的にイマイチピンと来なかったらしくて。たまたま滋賀というところに目を向けてみたら、「自然もあって住みやすそうだな」と思って、イメージに合う今の住まいを見つけたそうです。
__以前お住まいだった京都や東京での暮らしと比べて変わった点はありますか?
京都では宇治市に住んでいましたが、京都の中心地へのアクセスは今住んでいる大津市とそれほど変わらないですね。仕事上、大阪方面や空港などへ行くことも多いですが、むしろ交通の便は良くなった気がします!
東京に住んでいたとき、ベランダから見える景色は隣のマンションのコンクリートでしたが、滋賀の家は、窓を開けると目の前には緑の広がる公園があって、自然との距離が近くてとても驚きました。
__東京から滋賀へ移り住むにあたってお仕事・収入面の不安はありませんでしたか?
コロナ禍ということもあって不安が無かったというと嘘になるのですが、滋賀での繋がりもあったので、ありがたいことにいろいろとお仕事をいただいています。むしろ東京よりも地方の方が人手が足りていないなと感じますね。県内だけじゃなくて京都・大阪でも仕事を取れると思いますし、収入面としては東京にいる時とあまり変わらないです。
私としては、滋賀での仕事の方が企業やキーマンの方との距離感が近く、人間味ある仕事が出来るという点でやりがいも感じられるので、メリットが大きいと思っています。距離感が近いと結果的に長いお付き合いになるので、利益的な面でも東京での仕事とそれほど大差は無いと感じています。
__ではこれからも滋賀に根を下ろして活動しようと考えておられますか?
今の所は拠点は滋賀に置くつもりですが、やはり外に出ることも大事かなと思っています。「いろんな場所に行って、またそれを滋賀に還元できたらいいな」という思いなので、旅をしながら仕事をするというスタイルは崩さないと思います。
__滋賀に引っ越してきて新しく始めたことはありますか?
琵琶湖が近いので、趣味でSUPなどのウォーターアクティビティを頻繁にやるようになりました。ちょっとした散歩や休日に出かける際も、すぐに自然に足が向くようになりましたね。特に湖西がすごくお気に入りで、山と水場の近さなどがハワイやニュージーランドの雰囲気に似ているなと思いました。改めて自分は自然が好きだなっていうことに気づけました。
__最後にこれから移住を考える人へアドバイスをお願いします。
滋賀県民は、外の方と積極的に交流したいという方が多いイメージなので、フリーランスの人でも孤独を感じるようなことは無いですよと言いたいですね。コワーキングスペースやカフェで仕事しているときも、案外皆さんの方から話しかけてくれるなと思います。フリーランスが地方でお仕事をするというと、なかなか怖いイメージがあるなと思っていたのですが、真摯に向き合ったらきちっとお仕事は来ますし、その怖さは幻想でした。
休日の朝にコーヒーを飲みながら湖畔に足をつけてアーシング(裸足や素肌で大地などの自然に直接触れる)すること。
湧き水が汲めること。
比良、彦根、マキノがお気に入りです。