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滋賀に気づいた人INTERVIEW #05 五百木誠さん・五百木祥子さん

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「町屋に導かれるようにカフェをオープン。みんなが集い、語らう場に」

「町屋に導かれるようにカフェをオープン。みんなが集い、語らう場に」定年後は祥子さんの地元関西で暮らしたいと物件を探しはじめ、日野町で築150年以上の町屋を購入。修繕が進むにつれ素敵に変化していく町屋を見て、ただ住むだけではもったいないと「カフェ・雑貨 らっこや」をオープン。まったりとした時間が流れるカフェには、コーヒー好きはもちろん、五百木夫妻とのおしゃべりを楽しみにやってくる客も多い。

懐かしい町並みに歴史を感じる建物

――定年後の終の棲家を日野町に決めた理由は?

祥子:私は大阪で生まれ育ち、京都の大学に通っていました。就職してからは名古屋で暮らしていましたが「定年したら関西に帰りたい」とずっと主人に言っていたんです(笑)。
誠:私ものんびりとした暮らしを求めていたので、定年を数年後に控えたころから、休みの日に二人で物件探しを始めました。私たちの希望は、畑のできる家。でも、探してみるとなかなか理想の物件に出会えなくて…。まちなかの物件では広い庭もないし、予算のこともあるし、目線を変えて田舎の空き家を探してみようかと。

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祥子:ネット検索していたらたまたま日野町の空き家バンクがヒットして、そこに掲載されていた建物の写真や間取りを見てびっくりしました!京都の町屋のような歴史を感じる建物がお手頃価格だったんです!とにかく一度見に行ってみようということで初めて日野町を訪れました。ちょうどそのとき「日野ひな祭り紀行」のイベントが行われていて、お雛様が飾られた歴史ある町並みをひと目で気に入りましたね。

素敵に変化した町屋!住むだけではもったいない!

――空き町屋を購入してみていかがでしたか?

誠:最初に出会った家は二人で暮らすには広すぎて、私たちの暮らしにちょうどいい大きさだった今の家に決めました。築150年以上、薬問屋を営む近江商人が住んでいた歴史ある町屋でした。とはいえ、空き家になって5年以上過ぎていたこともあり、土間の天井は抜けているし、台所も撤去されているし、正直すぐに住める状態ではなかったので、週末に名古屋から通い、こつこつと掃除や修繕をしていました。

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祥子:夏は涼しくて快適だったのですが、冬の寒さが想像以上で…。とてもこのままでは暮らせないと、地元の大工さんにお願いして少し本格的に修繕してもらったら、建物が見違えるほどいい雰囲気になったんです!こんな素敵な建物、自分たちで住むだけではもったいないと思いました。

――カフェオープンのいきさつは?

誠:とにかくこの家をたくさんの人が集まる場所にしたいと思って。でも、自分たちに出来ることってなんだろう…。いきなり「コミュニティスペースです」と言っても、地元の人になかなか受け入れてもらえないんじゃないか。そんな話から、カフェだったら誰もが気軽に訪れやすいんじゃないかと考えたんです。

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祥子:近所にコーヒーを楽しめる喫茶店がほとんどなかったことも理由のひとつ。名古屋では喫茶店でコーヒー飲みながら、休憩したり、考え事したりするのが当たり前だったし、日野町にもそんな場所があってもいいかと思って。無鉄砲なチャレンジだったかもしれませんが、すべてこの家がそうしなさいと言っていた気がします。建物に導かれたのかも…。

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誠:店名は、古いものを楽しむという想いを込めて「楽古屋=らっこや」にしました。
お店の一角にギャラリースペースも作って、日野町在住や日野町出身の作家さんの作品も取り揃えています。

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歴史ある町に、受け入れ上手な住人

――日野町での暮らしはいかがですか?

誠:日野町は脈々と受け継がれてきた歴史文化をとても大切にする地域だと感じます。それでいて外部の人を受け入れることにあまり抵抗がない。大きなお祭りがあることが一因なのかな。800年以上の歴史がある日野祭には、各町内から曳山がでます。いつもは静かな町がこのときばかりは大賑わいで、外からもたくさんの人が手伝いにくるのが当たり前。私もここに住むようになってから参加していますが、皆さんとてもフレンドリーに受け入れてくれます。

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――移住を考えている人にアドバイスを

祥子:立派な古民家が手に入れやすいということもあって、日野町には若い人たちが何組も移住してきています。同じようにコミュニティスペースを始めた方もおられて、みんなで地域を盛り上げられたらいいなと仲良く交流させてもらっています。
私は移住するなら、新しくコミュニティを作っていくよりも、コミュニティが出来上がっているところに入れてもらうほうが暮らしやすいんじゃないかなと思います。

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誠:木や風の香り、鳥の声…、朝起きて窓をあけると自然を五感で感じることができます。もともとのんびりとした性格の僕にはとても合っている場所。最近はありがたいことにカフェが忙しくて、のんびりできてないのが残念なんですけどね(笑)。

ある一日のスケジュール

  • 7時00分起床 飼い猫に餌をねだられ、早朝から起こされることも多い(笑)
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