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学校における新型コロナウイルス感染症対策と学校運営に関するガイドライン~『新しい生活様式』を踏まえた学校生活を進めるために~

I はじめに

  「学校における新型コロナウイルス感染症対策と学校運営に関するガイドライン~『新しい生活様式』を踏まえた学校生活を進めるために~(以下『本ガイドライン』という。)」は、文部科学省作成の「新型コロナウイルス感染症に対応した学校再開ガイドライン」、「新型コロナウイルス感染症に対応した小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校等における教育活動の再開等に関するQ&A」および「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル~『学校の新しい生活様式』~」などを踏まえ、本県の学校における新型コロナウイルス感染症対策に対応した学校運営のガイドラインを示すものです。

 各県立学校においては、本ガイドラインに示した内容に基づき、「新しい生活様式」を踏まえた学校生活の定着に向けて各校の取組を進めるとともに、各市町教育委員会においては、本ガイドラインの内容を踏まえ、児童生徒の実態や地域の実情等に応じて、所管する各学校についての取組を検討・実施してください。

 この内容は、今後、本県、近隣府県および全国の新型コロナウイルス感染症の感染状況等に対応し、国の通知等を受け、見直すことがあることに御留意ください。

 なお、状況に応じた県からの通知、地域の感染レベル等については、各校、市町への通知とともに、県教育委員会HPに掲載していますので、文部科学省や厚生労働省等各省庁のHPなども含め、最新情報の確認をお願いします。

本ガイドラインの策定および改定の経過
令和2年6月11日 文部科学省作成の「新型コロナウイルス感染症に対応した学校再開ガイドライン」などを踏まえて策定。
6月18日 マスクの着用等に係る内容について一部改定。
7月14日 体育科・保健体育科の授業および部活動に係る内容について一部改定。
7月21日 県立学校において児童生徒等に感染等が発生した場合の対応等を追記。
9月17日 「コロナとのつきあい方滋賀プラン」を踏まえるとともに文部科学省の衛生管理マニュアル改訂を踏まえた改定。
11月12日 発熱などの症状がある者に対する県の相談・受診体制が改められたことを踏まえて一部改定。
12月10日 文部科学省の衛生管理マニュアル改訂を踏まえた改定。

II 感染症対策の基本的な考え方

 感染症対策においては、一人ひとりの感染予防に関する行動が、自分の命を、家族を、大切な人を、社会を守ることにつながる。学校教育活動の再開にあたっては、教職員、幼児・児童・生徒、その保護者、その他学校関係者などの全員が、この認識を共有し基本的な感染症対策を徹底していくことが、重要である。

 学校では、特に(1)~(6)の基本的な感染症対策を徹底する必要がある。

(1)家庭と連携した健康観察の徹底

(2)正しい手洗い、咳エチケットなどの基本的な感染症対策の徹底

(3)感染リスクが高い3つの条件(三つの密)が同時に重なることの徹底的な回避

 1:密閉 2:密集 3:密着 「ゼロ密を目指す」

(4)学校医や学校薬剤師と連携した保健管理体制の整備

(5)体調不良者への対応計画、連絡体制の確認

(6)感染症を正しく理解するための指導と差別・いじめ等への配慮・注意

 新型コロナウイルスへの長期的な対応が必要であること、現状の分析等から感染症対策を行っていた場合には、学校内で感染症が大きく広がるリスクを下げることができると考えられることから、各学校における感染拡大防止のための工夫や努力を継続していく。また、学校外における行動についても自ら感染症対策を意識することができるよう学校においてもしっかりと指導していくことが大切である。

 教育活動の継続にあたっては、学校では、「新しい生活様式」を踏まえた学校の行動基準に示された「感染レベル」に応じた感染症対策を行う必要がある。レベル1~3のいずれの地域に該当するかは、学校や地域の感染状況や医療提供体制等の状況を踏まえ、県健康医療福祉部と相談の上、県教育委員会で判断する。地域の感染レベルについては、一週間ごとに見直し、県のホームページに掲載する。またレベルが変更される場合には、メールにて通知する。

「新しい生活様式」:学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル(文部科学省)を参照

III 学校運営

1 児童・生徒への指導

1 体調管理の徹底

 感染症を予防するためには、疾病に対する抵抗力を高めるため、十分な睡眠、適度な運動、バランスの取れた食事を心がけるようにする。

 児童生徒等に発熱等の風邪症状、強いだるさ、息苦しさ等がある場合は、症状がなくなるまで、自宅で休養するように指導する。またこの場合は、症状がなくなるまで出席停止とする。(令和2年5月21日付文部科学省Q&A参照)

*感染症サーベイランスシステム上は「発熱等による」また家族等に風邪症状や発熱がある場合は、「家族等のかぜ症状等による」として入力する。

【健康観察の項目の例】

【健康観察について】

〇風邪症状などないか家庭と連携した健康観察を実施する。健康観察表を学校でも確認し、登校した児童生徒の体調管理をより一層はかる。

*毎朝起床時に検温するよう指導し、平熱を把握する。食後や運動後は体温が上がる場合が多いが、発熱等体調不良の判断は、平熱と比較したり、本人の疲れ具合等の訴えによって判断する。

〇登校前に検温していない児童生徒は、登校後保健室等で検温を実施する。

〇朝の登校時だけでなく、授業中や昼食前、部活動前等、随時、児童生徒の健康観察を行う。

〇児童生徒が感染する場合、家庭内感染であることも多いことから、家族も健康観察を実施していただくなど、感染症対策を徹底する。

【登校後体調不良を申し出た児童生徒】

〇児童生徒が体調不良時に、ためらうことなく申し出ることが可能な環境作りが必要である。

〇登校後体調不良を訴えた場合は、保護者に連絡し、迎えに来てもらう等すみやかに下校措置をとる。その際は、他の児童生徒と別の部屋で待機するような工夫をする。

〇保健室のベッドを使用した際は、手すりは次亜塩素酸ナトリウム等による消毒や布団の日光消毒を行い、該当児童生徒が使用したシーツを洗う。

〇該当児童生徒が使用したトイレの水洗レバー、ドアノブ、水道の蛇口ハンドル等を消毒する。

〇該当児童生徒について、翌日以降体調不良が続く場合は、家庭での静養をするよう指導し、無理な登校は控えさせる。また、高熱が続く場合や咳等の症状が続く場合は、かかりつけ医など身近な医療機関や受診・相談センターに電話相談するように指導する。

2 感染症対策

 【手洗い】

〇休み時間ごとに石けんでの手洗いを行う(エタノール消毒薬は不要)

 【マスクの着用】

〇飛沫やくしゃみ等によるしぶきを飛ばさないため、児童生徒および教員はマスクをする。教員は指導に応じて、マスクとフェイスシールドを使い分ける。

〇咳エチケットの指導を徹底し、マスクを着用していない場面では、ティッシュ、ハンカチ、袖で口や鼻を覆うなど、しぶきを飛ばさないようにする。

【3つの咳エチケット厚生労働省】

〇各自が必要な持ち物

 清潔なハンカチ・ティッシュ・マスク

 マスクを置いたり持ち運んだりするための布又はビニール袋

 【通学時(混雑する電車・バスを利用する場合)】

〇マスクをつけて乗車し、車内においては、友だちと密着した状態で話したりするような状況を避けるよう指導する。

〇つり革や手すり、座席等からの感染リスクを避けるため、学校到着時に手洗いをする。

 

 【徒歩や自転車での通学時】

〇炎天下等では熱中症の危険性があることから、マスクの着用は必ずしも必要とはしない。友達との距離を十分確保しながら通学したり、向かい合った状態で話しながら歩いたりしないように指導する。マスクを着用していない場合には、咳エチケットが大切であることも併せて指導する。

〇徒歩や自転車の通学であっても、信号の押しボタン等触る可能性があるため、学校到着時には手洗いをする。

 

 【学校外での行動】

 高校生については、生徒の生活圏が広がることから、学校外における行動についても自ら感染症対策を意識することができるよう学校においてもしっかりと指導していくことが大切である。

3 正しい知識の指導

感染症の予防「手洗い」の指導資料

〇児童生徒一人ひとりが新型コロナウイルス感染症に関する正しい知識を身につけ、自ら感染を防ぐ正しい行動がとれるように、発達段階に応じた指導を行う。

 

 【新型コロナウイルス感染症の感染防止対策の指導内容】

○ウイルスは、自分自身で増えることはできないが、粘膜などの細胞に付着して入り込んで増えること。

○新型コロナウイルス感染症は、現時点(令和2年4月)では、飛沫感染または接触感染によって感染するとされていること。

○感染症を予防するには、運動、食事、休養及び睡眠の調和のとれた生活を続けることが有効であること。

○ウイルスから身を守るために、換気など周囲の環境を衛生的に保ち、正しい手洗いの方法を身に付けること。

○ウイルスに感染していても症状が出ない場合があり、その人たちが、知らないうちに感染を拡めてしまうことがあること。

○妊婦や高齢者、基礎疾患がある場合は、重症化するリスクが高いことが報告されていることから一層注意が必要であること。

○ウイルスから、自分自身を守るため、そして、大切な人を守るため、「不要不急の外出を避ける」「3密を避ける」等の感染症の予防策の徹底が必要であること。

○行動が制限されている中でも、家族や友人と、「3密」を避けて工夫した交流をすることで心身の健康を保つようにすること。

○私たち一人ひとりが、感染症を予防するためにできることをしっかりやっていくことが大切であり、自分の生活や体調を振り返り適切に行動することが感染拡大防止にもつながること。

≪参考資料≫

首相官邸ホームページ

https://www.kantei.go.jp/

・新型コロナウイルス感染症に備えて ~一人ひとりができる対策を知っておこう~

・感染症対策特集~様々な感染症から身を守りましょう~ 等

厚生労働省ホームページ

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html

・国内の発生状況・新型コロナウイルス感染症に関するQ&A 等

文部科学省ホームページ

https://www.mext.go.jp/a_menu/coronavirus/index.html

・やってみよう! 新型コロナウイルス感染症対策 みんなでできること

国立感染症研究所ホームページ

https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov.html

・新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 関連情報ページ

4 人権への配慮

 感染者、濃厚接触者とその家族、対策や治療にあたる医療従事者とその家族、外国から帰国した方などに対する偏見や差別につながるような行為は、断じて許されるものではない。また、新型コロナウイルスに感染する可能性は誰にでもあり、感染した本人に罪があるわけではない。偏見や差別、いじめなど、いわれなき人権侵害の発生を防ぐために、以下の点に留意し、一人ひとりの子ども・教職員の人権が大切にされる学校づくりの取組を進める。

1. 正しく知る

 新型コロナウイルス感染症に関する様々な情報の中には、不確かな情報や事実と異なる情報が溢れている。氾濫する情報に翻弄されることなく、正しい情報に基づいた認識・判断ができるよう発達段階に応じた指導を行う。

2. 正しく行動する

 正しい情報を基に、自らの人権感覚に支えられた豊かな想像力を積極的に働かせ、偏見や差別、いじめを生み出さないよう、お互いの人権に配慮した言動をとることが大切である。例えば、マスクをしていない、咳をしている、登校時における検温で熱がある、医師の指示等により出席を控えているなどの児童生徒への偏見や差別、いじめが生じないように配慮する。また、万が一、身近なところで感染が発生したときには、冷静さを失わず適切な対応がとれるよう指導・支援を行う。

3. 一人ひとりを大切にする

 新型コロナウイルスを理由に悩んでいる児童生徒や孤立している児童生徒はいないかという視点をもち、一人ひとりを注意深く見守り、児童生徒の課題の早期発見に努め、必要な支援を行う。また、感染した人や症状のある人を責めるのではなく、思いやりの気持ちをもち、人と人との心のつながりを大切にする集団づくり・仲間づくりの取組を進めていく。

 

≪参考資料≫ 新型コロナウイルス感染症を通して学ぶ「人権学習指導資料」

人権教育の充実・深化の一助となるべく学習指導資料を作成しました。

 

■学校現場の状況を踏まえ、教材(ワークシート・資料)に指導案(例示)をセットし、すぐにでも授業化できるように構成しています。

 

■新型コロナウイルス感染症を通して学ぶ内容で構成しており、様々な人権課題にも適応できるように作成しています。

 

■対象学年・部を示していますが、実態に合わせて編集し活用していただくことも可能です。

人権教育課ホームページ https://www.pref.shiga.lg.jp/edu/school/zinken/

2 教育活動の実施にあたって

1 学校の環境整備

〇学校医、学校薬剤師と連携し、学校の保健管理体制を確認する。

〇校内に石けんや手指消毒用のアルコールを設置し、衛生を保つ環境を整備する。

〇学校内で共用する物品については、使用後の手洗いを徹底する。

〇校内清掃については、教職員の監督の下で実施し、清掃後は手洗いを徹底する。

〇文部科学省「新しい生活様式」を踏まえた学校の行動基準を参考に、空き教室の利用や教室の座席の配置等、身体的距離の確保に努める。

 *マスクを着用した上で児童生徒間距離は1mを目安に最大限の間隔をとるよう座席を配置する。

〇教室の換気

 ・教室の換気を十分に行う。(できるだけ2方向の窓を開け、風通しを良くる。窓を開ける幅は10cm~20cm程度を目安とし、上の小窓や廊下側の欄間を開けるなどの工夫をしてください。)

(参考)令和2年10月12日付県保健体育課事務連絡「冬季における換気の徹底」

「北海道の冬季の寒さに配慮した学校の換気方法」http://www.hro.or.jp/list/building/koho/develop/gakko_kannki.html

 ・冷暖房機使用時も窓を開けるか欄間を開けて換気する必要がある。その際、必ず廊下の外窓を開けておく。

 ・最低対角線上2方向の窓を開けておくことが望ましい。天候等の関係で常時開けられないときは、休み時間には必ず行うことが必要。1時間に1回(5~6分)程度窓を広く開ける。

 ・冬季に空気が乾燥している場合の適度な加湿は、ウイルス飛散防止の一助となるが、マスクを着用している場面が多いことなどに鑑み、教室にぬれタオルを掛ける等、無理のない範囲で行う。

〇消毒の方法について

・児童生徒等がよく手を触れる箇所(ドアノブ、手すり、スイッチなど)や共用物は1日に1回以上、消毒液を浸した布巾やペーパータオルで拭く。

・トイレや洗面所は、家庭用洗剤を用いて洗浄する。

・消毒作業中に目、鼻、口、傷口などを触らないように注意する。

・換気を十分に行う。

・エタノールを使用する場合は、布等に含ませ、消毒対象を拭き、そのまま乾燥させる。エタノールは揮発性が高く、引火しやすい性質があるため、電気スイッチ等への直接の噴霧は故障や引火の原因になるため注意する。

次亜塩素酸ナトリウムで消毒する際は、必ず手袋を着用し、手指消毒には使用しない。(ラテックス製ゴム手袋を使用する場合はラテックスアレルギーに注意する。)また、非常にアルカリ性が高く、薄めた液でも材質によっては変色や腐食を起こす場合があることから、拭いた後は必ず清潔な布等を用いてしっかり水拭きし、乾燥させる。希釈した次亜塩素酸ナトリウムは使い切りとし、長時間にわたる作り置きはしないようにする。職員室に常備し、必要に応じて教室に持参する。

 *次亜塩素酸ナトリウムの噴霧は、吸ったり目に入ったりすると健康に害を及ぼす可能性があるため、絶対に行わないこと。

次亜塩素酸の噴霧については、その有効性及び安全性は明確になっているとは言えず、学校には健康面において様々な配慮を要する児童生徒等がいることから、児童生徒等がいる空間で使用しない。

・新型コロナウイルスに対して効果が確認された界面活性剤を含む洗剤について効果が確認された界面活性剤を使用している洗剤のリストが掲載されている独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)のホームページを参照。(https://www.nite.go.jp/information/osirasedetergentlist.html

使用する際には、経済産業省及びNITE が作成したパンフレット「ご家庭にある洗剤を使って身近なものを消毒しましょう」https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/0522_poster.pdf)を参考とする。

〇感染者が発生した場合の消毒について

 児童生徒等や教職員の感染が判明した場合には、保健所及び学校薬剤師等と連携して消毒を行うが、必ずしも専門業者を入れて施設全体に行う必要はなく、当該感染者が活動した範囲を特定して汚染が想定される物品を消毒するようにする。なお、物の表面についたウイルスの生存期間は、付着した物の種類によって異なるが、24 時間~72 時間くらいと言われており、消毒できていない箇所は生存期間を考慮して立ち入り禁止とするなどの処置とする。

 

【参考】厚生労働省のホームページにおいて、新型コロナウイルスについて、「物の表面についたウイルスは時間がたてば壊れてしまいます。ただし、物の種類によっては24 時間~72 時間くらい感染する力をもつと言われています。」とされています。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html#Q2-1 「新型コロナウイルスについて 問1」より)

2 教室の環境整備

学級担任用チェックリスト
朝の健康観察 チェック
1 児童生徒の健康観察表を確認し体調不良者がいないことを確認した
2 検温等実施していない児童生徒に検温、健康観察を実施した
3 登校後手洗いをしていない児童生徒に手洗いを実施させた
4 マスクを着用していない児童生徒に予備のマスクを着用させた
授業中
5 教職員はマスクを着用する
6 授業中、休み時間、昼食時の児童生徒の健康観察を実施した
7 教室の窓を2方向開けた
8 冷暖房時は、休み時間に5分以上換気した
9 授業後には児童生徒に手洗いに行くよう指導した
喫食中
10 昼食前には、机の清拭や児童生徒の手洗いを指導した
11 昼食時には、飛沫が飛ぶことを防ぐような机配置にした
12 昼食時には、会話を控える指導をした
休み時間
13 トイレや移動教室へ行くときは密接、密集とならないように指導した
14 友だちとくっついたり、接触するような遊びを避けるように指導した
校内清掃
15 清掃時間には、監督をし清掃後には児童生徒の手洗いを指導した
16 放課後には、共用備品やドアノブ等の消毒を実施した
17 教室近くの手洗い場の清掃と石けんの補充をした

3 各教科等の留意事項

【学習活動の重点化に係る留意事項】

 ○指導計画の見直しに際しては、教科書発行者提供の参考資料も踏まえつつ、各地域や学校、児童生徒の実態を踏まえて、何を学校の授業以外の場で取り扱うことが適切であるかを検討した上で判断すること。

 ○学習指導の重点化に当たっては、ICTや学習指導員の活用、地域・家庭等との連携などを図るとともに、学校の授業以外の場での児童生徒の学習状況を適切に把握すること。その際、児童生徒の学習状況に応じて必要な場合には個別に指導を行う等の配慮を行うこと。

 ○家庭において行うものについては、家庭の事情等に鑑み、家庭での実施が困難と思われる児童生徒について学校で個別に指導を行う等の配慮を行うこと。

 ○児童生徒同士の話合いや共同での発表資料の作成などの活動については、ICTの活用により感染症対策を講じながら効果的に行うなど、指導計画の見直しを検討すること。

 ○小学校第6学年および中学校第3学年における各教科等に共通の考え方を以下に示す。

・学習指導要領に規定されている内容を改めてよく確認し、それを効果的に指導する観点から、主たる教材である教科書および教科書と併用できる教材について、授業において取り上げるべき箇所を確認すること。

・学校の授業以外の場で取り扱う学習活動については、事前指導を十分に行った上で取り組ませるとともに、児童生徒一人ひとりの授業外での学習状況を適切な方法により把握し、その後の指導の改善等に生かしていくこと。

・学校の授業以外の場で取り扱う学習活動と学校における授業との関連や、指導順序の変更を行う際の単元や題材などの内容のまとまりについて十分配慮すること。

 ※教科ごとの重点化に係る具体的な考え方については、「学校の授業における学習活動の重点化に係る留意事項等について(通知)」を参照すること。(令和2年6月5日付2初教課第5号参照)

 ※高等学校等においても、各教科・科目等の特質や生徒の発達の段階や多様な学校の実態を踏まえつつ、上記通知を参考にすること。

<小中学校>

(1)理科、図画工作科、美術科、技術・家庭科、体育科、保健体育科等において、共用する器具や用具、ICT機器等(キーボードやマウスなど)を使用する場合は、使用前後に手洗いや可能な限り消毒を行う。

 

(2)各教科等における「感染症対策を講じてもなお感染のリスクが高い学習活動」として、以下の活動が挙げられる。レベル3では行わないようにする。レベル2では、可能な限り感染症対策を行った上でリスクの低い活動から徐々に実施する。レベル1では、可能な限り感染症対策を行った上で実施することを検討する。(「★」はこの中でも特にリスクが高いもの)

・各教科等に共通する活動として「児童生徒が長時間、近距離で対面形式となるグループワーク等」および「近距離で一斉に大きな声で話す活動」(★)

・理科における「児童生徒同士が近距離で活動する実験や観察」

・音楽における「室内で児童生徒が近距離で行う合唱及びリコーダーや鍵盤ハーモニカ等の管楽器演奏」(★)

・図画工作、美術における「児童生徒同士が近距離で活動する共同制作等の表現や鑑賞の活動」

・家庭、技術・家庭における「児童生徒同士が近距離で活動する調理実習」(★)

・体育、保健体育における「児童生徒が密集する運動」や「近距離で組み合ったり接触したりする運動」(★)

(注)なお、特に配慮を要する「体育科・保健体育科」については、次項を参照。

 

(3)小中学校の特別支援学級における留意事項については、「III-3特別支援学校における留意事項」の項目を参照。

<県立学校>

(1)できるだけ個人の教材教具を使用させ、児童生徒同士の貸し借りはさせないこと。また、器具や用具を共用で使用する場合は、使用前後の適切な消毒や手洗いを行うこと。

(2)学習指導要領に則り、6月1日からの授業開始を踏まえ、科目ごとにシラバスを作成し、各教科・科目の目標、学習計画、使用教材、評価の観点、評価方法等を生徒等に十分説明を行うこと。

(3)各教科等における「感染症対策を講じてもなお感染のリスクが高い学習活動」として、以下のような活動があげられる。

・各教科等に共通する活動として、「児童生徒が長時間、近距離で対面形式となるグループワーク等」および「近距離で一斉に大きな声で話す活動」

・理科における「児童生徒同士が近距離で活動する実験や観察」

・音楽における「室内で児童生徒が近距離で行う合唱およびリコーダーや鍵盤ハーモニカ等管楽器演奏」

・美術、工芸、書道における「児童生徒が近距離で活動する共同制作等の表現や鑑賞の活動」

・家庭、技術・家庭における「児童生徒が近距離で活動する調理実習」

・職業に関する教科における「実習等の指導」

(体育科、保健体育科については次項を参照)

 

上記の活動について地域の感染レベルにより、実施の有無について検討する。

 【レベル3の場合】

・上記の活動については、行わないこととし、指導順序の変更など、各教科等の指導計画を見直し、必要な措置を講じること。

 【レベル2の場合】

・上記の活動については、可能な限り感染症対策を行った上で、リスクの低い活動から徐々に実施することを検討すること。また、リスクの高い活動については慎重に検討すること。

 【レベル1の場合】

・上記の活動については、可能な限り感染症対策を行った上で、実施できることとする。

 例1)調理実習行う場合には、調理台の使用を1台につき生徒2名までとするなど、対面にならないように配置する。

 例2)校内での介護実習室での実習の場合には、対人の実習ではなく、モデル人形に対する実習を行う。

(4)学校図書館については、感染対策を徹底した上で、時間帯を決めるなどして貸出等を行う。

4 特に配慮を要する「体育科・保健体育科」について

 体育の授業は、教室で行う他教科に比べて、新型コロナウイルス感染症対策がより必要なため、下記の留意事項に基づき、引き続き十分な対策措置を講じた上で実施する。

 学校再開以降、体つくり運動等を主体として実施してきたが、児童生徒の体力の回復状況や、感染に関する最新の状況にも留意して、通常の授業の実施に向けて内容を一部更新できるものとする。

 

(1)学習全般に関する指導上の留意事項

・活動中のマスクの着用は不要とするが、児童生徒の間隔を十分に確保する。(できるだけ2m、最低1m)

十分な身体的距離がとれない状況で、十分な呼吸ができなくなるリスクや熱中症になるリスクがない場合はマスクを着用する。

・マスクの着用を希望する生徒には、家庭用マスクを着用するよう指導し(医療用は不可)、激しい運動への参加は避けるようにし、呼吸が苦しくなった場合はマスクを外し、他の児童生徒から2m以上の距離を確保して休憩させる。

・授業前後に同時に多数の児童生徒が更衣をし、更衣室が密集状態にならないよう、更衣場所や更衣のための時間を確保する。

・授業の前後の手洗い、また特に授業後は洗顔を徹底し、手指や顔を清潔に保つ。

・体育館等の屋内で授業を実施する場合は、その場所のドアを広く開け、こまめな換気や消毒液の設置などの措置を実施する。

・使用する用具や器具、手を触れる場所等は使用前に消毒する。

・授業の前後だけでなく、授業の途中においても健康観察や健康状態のチェックをこまめに行い、風邪の症状や倦怠感など、体調がすぐれない生徒は実技への参加を見合わせる。

・環境条件を把握し、状況に応じて適切な水分補給を行うなど熱中症の予防に努める。(授業の途中での水分補給や、屋外の場合は帽子の着用など)

・授業開始時の準備運動を入念に行う。

・ラケットやグローブなど、使用する用具の共用、体操服やシューズ等の貸し借りは避ける。
(用具は各自で持参、共用する場合は消毒の徹底や手袋の着用等)

・教師は原則マスクを着用すること。ただし、自らの身体へのリスクや児童生徒への指導のために自らが運動を行う場合などはマスクを外すことは問題ない。マスクを外す際は、不必要な会話や発声を行わず、児童生徒との距離を2m以上確保する。

・指導にあたっては、マイクやハンドマイク等を有効に活用するなど、児童生徒が近距離で集合・整列する場面を避けるための工夫をする。

(2)学習内容に関する留意事項

・感染リスクが高い学習活動は、年間指導計画の中で指導の順序を入れ替えるなど工夫する。

・グループで行う活動については、必要以上に密集せず、十分に距離を取って、短時間で行えるよう内容や方法を工夫する。(特に活動の合間の待機時間等は1~2メートルの距離を確保する)

・児童生徒が密集する運動や、近距離で組み合ったり接触したりする場面が多い運動、また近距離で対面したり、大きな声を出したりするような活動については、換気、身体的距離の確保や手洗いなど、可能な限り感染症対策を行った上で、リスクの低い活動から徐々に行うような指導計画のもとで実施する。(人数、時間、スペースなどの工夫)

5 学習保障について

<小中学校>

 臨時休業により標準時数を下回ってしまった場合においても、下回ったことのみをもって学校教育法施行規則に反するものとはされない。学習内容の保障のため、授業においては、指導順序の変更や教師による適切な事前・事後の指導と家庭学習の組合せによる指導計画の立案など、各教科等の指導計画の見直しを検討する。

児童生徒の学習保障を行うための対応例

未指導時間数(日数)が学校行事等を省いて、前年度3月分は2週間10日間、今年度4月分は2週間10日間、5月分は3週間15日間の合計35日分、と算出される場合、以下のような計画を立てることが考えられる。

【具体例】

・夏季・冬季休業の短縮(15日間)と年間を通じての取組(20日分)によって補充する。

学習内容の軽重、家庭学習等での補充による18日分(108時間)は、前年度3月の2週分と今年度4月から3月までの35週分の合計37週分において、1週あたり概ね0.5日分(3時間分)の内容を学習内容の軽重や家庭学習等で補うこととして算出している。

 

 上記の例のほか、「土曜日授業を行う」、「朝の短時間学習(モジュール)を設定する」、「水曜日の6校時を授業にあてる」などを実施することも考えられる。また、授業や家庭学習等での学習内容の理解促進を図るための放課後等を使った学習や、1コマを40分や45分に短くした上での一日当たりの授業コマ数の増加等の時間割編成の工夫を行うことも考えられる。

<県立学校>

(1)5月末までの臨時休業で、平年と比べ授業日が31日減少したことによる授業数の不足を長期休業期間の短縮や土曜日等の授業、時間割編成の工夫や学校行事の精選等によって、各校の実情に合わせて、少なくとも20日程度の授業日を設定すること。

(2)不足する授業日の設定期間や設定時間(午前中授業や始業開始時刻等)については、熱中症対策等も考慮し、各校の実情や児童・生徒の実情に応じて、長期休業期間の短縮や土曜日等の授業、時間割編成の工夫や学校行事の精選等を組み合わせて設定すること。

(3)必要に応じて家庭学習の課題やレポート提出等でさらに不足する授業内容を補充すること。

(4)授業日の設定について、各学校の指導体制に見合った日数・時数になっているか、児童・生徒・教職員の負担が過重となっていないか等を配慮すること。

(5)長期休業期間の短縮や土曜日等の授業を設定する場合、長期休業日変更届や土曜日等の授業実施届を提出すること。

(6)授業日数および授業時数については、滋賀県立学校の管理運営等に関する規則第4条による。

第1学期4月1日から7月31日まで

第2学期8月1日から12月31日まで

第3学期1月1日から3月31日まで

 ただし、通知表や調査書等に授業日数等を記入する場合は、各校が定める日までの日数等を記入することができる。

※20日間設定した場合の例

例1)◇夏季休業期間の授業日設定(18日間)

7月21日(火)~ 8月 7日(金):12日間

8月24日(月)~ 8月31日(月): 6日間

 ◇土曜日の授業日設定(2日間)

9月26日(土)、11月 7日(土)

例2)◇夏季休業期間の授業日設定(13日間)

7月21日(火)~ 7月31日(金): 7日間

8月24日(月)~ 8月31日(月): 6日間

 ◇通常6限授業のところ、週に3日間7限授業を設定(7日間)

9月 1日(火)~12月 4日(金): 7日間

(1時間×3日×14週)

6 学習評価

<小中学校>

(1)年間を通した評価の考え方

1. 年間の指導および評価計画の確認・見直し

 臨時休業の長期化による未指導分の指導や、体育、理科、音楽、図画工作、美術、工芸、家庭、技術・家庭等を中心とした「児童生徒が近距離で活動する学習活動」が十分に行えない学習を想定し、年間指導計画および評価計画について、確認したり、見直したりすること。

 その際、学校で行う学習と家庭で行う学習(ワークブックや書き込み式のプリントの活用、レポートの作成など)を関連付けて計画するなどの工夫をすること。

 

2. 観点別学習状況の評価を行う場面の精選

 いつ、どのような方法で、児童生徒について観点別学習状況を評価するための記録をとるのかについて、評価の計画を立てること。

 

3. 児童生徒自身に学習の見通しをもたせること

 確認・見直しを行った各教科等の学習計画や評価の方針を、事前に児童生徒・保護者に説明する場面を必要に応じて設けること。

 

(2)1学期の評価

 臨時休業中の家庭学習や、教育活動再開後の学習(学校で行う学習と家庭で行う学習)の成果、日々の授業の中で把握した学習の取組状況を踏まえ、総合的に判断した上で評価すること。

 年間指導計画を見直した結果、1学期に行うことができなかった学習内容(実技や実習等を含む)については、2学期以降に実施し、学習の成果として評価すること。

 

(3)家庭学習の評価

 各教科等の年間指導計画や評価計画を踏まえた課題が、家庭学習で成果を得られる内容かどうかについて確認すること。

 また、最終的に提出されたレポートや作品等のみで評価するのではなく、家庭学習の取組状況についても適切に把握し、学習評価に反映することができるように工夫をすること。

 

<県立学校>

(1)家庭学習の評価については、指導計画を踏まえながら学習課題を課し、その学習状況や成果を把握することで、学校における学習評価に反映させることができる。

(2)家庭学習について、児童生徒の学習状況および成果を確認した結果、十分な学習内容の定着が見られ、再度指導する必要がないものと判断したときには、学校再開後に、当該内容を再度学校における対面指導で取り扱わないこととすることができる。

(3)臨時休業が長期化する場合、学校として今年度の各教科・科目、総合的な探究の時間等の学習評価の方針を立て、児童・生徒およびその保護者に丁寧に説明すること。

例1)実技を中心とした科目の学習が十分に行えない場合は、提出された課題等の内容により総合的に判断した上で評価する。

例2)指導の順序を変更した結果、1学期に行うことができなかった実技や実習については、2学期以降の学習の成果として評価する。

7 児童生徒の出席停止の考え方

(1)児童生徒、教職員の家族の職場に濃厚接触者がいた場合

(例)生徒の同居する父の勤務先に濃厚接触者が判明したが、父は濃厚接触者とはなっていない場合

→通常登校

 

(2)児童生徒、教職員の家族が濃厚接触者となった場合

(例)生徒の同居する母の勤務先に感染者が判明し、母が濃厚接触者となった場合

 →この場合は、濃厚接触者に当たらないため登校できる。しかし、感染の可能性が高まっていると保護者からの申し出等により合理的な理由があると校長が判断した際には、出席停止とする。

 

(3)児童生徒、教職員の家族の感染が判明した場合

感染者の濃厚接触者となり、学校保健安全法第19 条に基づく出席停止となる。なお、この期間は、感染者と最後に濃厚接触をした日から起算して2週間とする。

 

(4)児童生徒、教職員の感染が判明した場合

児童生徒、教職員が新型コロナウイルス感染症を発症またはPCR検査等で陽性反応が出た場合は、入院または自宅療養により、治癒するまで出席停止となる。

 学校は、保健所が行う感染者の行動履歴把握や濃厚接触者の特定等のための調査に協力する。また保健所の指示に従い、消毒その他適当な処置をする。

 

(5)児童生徒等に発熱等の風邪の症状がみられる場合

 児童生徒等に発熱等の風邪の症状がみられる場合は、出席停止とする。

 レベル2やレベル3の地域においては、同居の家族に発熱等の風邪の症状がみられるときにも、出席停止とする。

 

(6)保護者から感染不安等で学校を休ませたいと相談された場合の対応

 保護者から欠席させたい事情をよく聴取し、学校で講じる感染症対策について十分説明するとともに、学校運営の方針について理解を得るよう努めること。

 その上で、同居家族に基礎疾患のある者や高齢者がいる場合など、配慮を要する場合があることや、新型コロナウイルス感染症については現時点で未だ解明されていない点も多いなどの特性に鑑み、合理的な理由があると校長が判断する場合には、指導要録上「出席停止」として記録することも可とする。

 

(7)海外から帰国した児童生徒等への対応について

 過去14日以内に海外(全ての国・地域)から帰国した児童生徒等については、検疫所長の指定する場所(自宅等)で14日間待機していることを確認した上で、健康状態に問題がなければ登校させて差し支えない。

 加えて、帰国した日の過去14日以内に「入管法に基づく入国制限対象地域」に滞在歴のある児童生徒等については、検疫におけるPCR検査の結果が陰性かつ、自宅等で14日間待機していることを確認した上で、健康状態に問題がなければ登校させて差し支えないこと。

 なお、「入管法に基づく入国制限対象地域」等は今後変更があり得るので最新の情報に注意すること。

【参考】厚生労働省ホームページ

「水際対策の抜本的強化に関するQ&A」

  (https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/covid19_qa_kanrenkigyou_00001.html

図:児童生徒等に感染等が発生した場合の対応

*レベル2や3の地域では、同居の家族に風邪症状がある場合も登校せず、自宅で静養することとする。(出席停止となる。)

8 年間行事計画の見直し

<小中学校>

(1) 年間行事計画の見直しの必要性

 昨年度末の未指導分の指導については、「新型コロナウィルス感染症対策に伴う臨時休業期間における取組について」(令和2年3月9日付け滋教委幼小中第142号)を踏まえ、遺漏なく実施する必要がある。

 今年度の新学期からの学習については、可能な限り、令和2年度の教育課程内での補充のための授業や教育課程に位置付けない補習を実施したり、家庭学習を適切に課すこと等の必要な措置を講じたりすること。その際、学校行事の精選等について検討し、年間行事計画の見直しを図る必要がある。

 

(2)学校行事等を実施する上での留意事項

学校行事等については、集団感染リスクへの対応を徹底した上で実施できることとする。ただし、実施に当たっては、開催する時期、場所や時間、開催方法等について十分配慮すること。

・運動会等の実施に当たっては、児童生徒が密集する運動や、児童生徒が近距離で組み合ったり接触したりする場面が多い運動については、地域の感染状況等を踏まえ、安全な実施が困難である場合は、実施を見合わせることも考えられる。
また、開閉会式での児童生徒の整列、児童生徒による応援、保護者等の参観、児童生徒や保護者が昼食をとる場所等についても、一度に大人数が集まって人が密集しないような工夫をするとともに、保護者等に対しても、手洗いや咳エチケット等の基本的な感染症対策を徹底すること。

文化祭等の開催については、県が作成した「イベント開催における新型コロナウイルス感染予防対策」や「地域の行事感染防止対策チェックリスト」等を参考に適切に対応する

・修学旅行の実施については、感染防止対策を最優先とし、児童生徒の健康状態の把握、訪問地の状況把握、日程および交通手段の検討等を行った上で適切に判断し、保護者の理解を得ること。

・儀式的行事等で合唱を行う場合は、一般社団法人全日本合唱連盟が作成している感染症対策のガイドラインや本ガイドラインをもとに活動を進めること。

 

<県立学校>

(1) 年間授業日数が、現時点で、年度当初の計画より下回る状況であるが、「生徒が学校に登校できるようになった時点で、可能な限り、令和2年度の教育課程内での補充のための授業や教育課程に位置付けない補習を実施すること、家庭学習等を適切に課すこと等の必要な措置を講じること。その際、例えば、時間割編成の工夫、学校行事の精選、長期休業期間の短縮、土曜日に授業を行うことなどが考えられる。」(令和2年4月10日付け文科省通知)とされており、各学校においては、その実情に応じて、再開後の授業日数および授業時数の確保を行うとともに、年間行事計画を見直すこと。

(2)学校行事等の取り扱いについて

・地域の感染レベル1の場合、集団感染リスクへの対応を徹底したうえで実施できることとする。

・文化祭等の開催については、県が作成した「イベント開催における新型コロナウイルス感染予防対策」や「地域の行事 感染防止対策チェックリスト」等を参考に適切に対応する。

修学旅行の実施については、感染症防止対策を最優先とし、一般社団法人日本旅行業協会等が作成した「旅行関連業における新型コロナウイルス対応ガイドラインに基づく国内修学旅行の手引き(第3版)」(2020年9月1日)を参考にしつつ、児童生徒の健康状態の把握、訪問地の状況把握、日程および交通手段の検討等を行った上で適切に判断し、保護者の理解を得ることとする。

9 部活動について

 部活動については、感染に関する最新の情報にも留意し、十分な感染症対策や熱中症対策を講じて、活動を実施すること。 その際、生徒本人・保護者の意向を尊重し、参加を強要することがないようにするとともに、部活動は生徒だけに任せるのではなく、活動前はもちろん、活動中についても健康観察を十分行い、教師や部活動指導員等が生徒の健康状態をしっかり把握して実施すること。

 また、各種大会への参加や泊を伴う活動については、意義や目的に照らし、学校として責任をもって実施の必要性を判断すること。

(1)実施にあたって

部活動の実施について

(2)具体的な留意事項

 ・「運動部活動に参加する学生等の集団における新型コロナウイルス感染症対策の徹底について(通知)」文部科学省スポーツ庁(R2.9.3)「総合的なガイドライン」スポーツ庁(H30.3)・文化庁(H30.12)や「部活動の指導について」県教委(H30.7)を遵守すること。

 ・活動前、休憩時、活動後などに手洗い(洗顔含む)を行うこと。

 ・部活動ごとに場所や時間を割り振るなど、更衣室や部室も含めて一度に大人数が集まって人が密集する活動とならないようにすること。

 ・体育館、校舎内等の屋内施設を用いる場合、ドアを広く開け、普段以上のこまめな換気を行うこと。

 ・生徒が手を触れる場所(ドアノブ、手すり、スイッチ)や用具・器具・楽器等は、消毒液等を使用して清掃を行うなど、十分な感染症対策を講じること。

 ・給水用のボトルやコップ、汗を拭くタオルなどは共用しないこと。

 ・活動中のマスクの着用は必ずしも必要ないが、生徒の間隔を十分に確保すること。

 ・部活動の実施に当たっては、各競技団体等が作成するガイドラインを踏まえること。

 ・各種大会への参加や泊を伴う活動については、会場への移動時や宿泊時、スポーツ・文化活動以外の場面も含め、生徒・教師等の感染防止対策を徹底すること。

 ・感染状況の推移や最新の科学的知見を反映して、活動内容が変更されることがあります。

10 こころのケア

(1)児童生徒の心身の状況の把握

 多くの児童生徒は様々な不安や恐れ等、心理的なストレスを抱えているという前提で、まずはその状況把握を徹底し、教職員間で情報共有を積極的に行う。

 1. 学級担任や養護教諭を中心に子どもの様子(心身の状況、人間関係、身なり、言動等)を丁寧に観察する。

 2. アンケートや健康相談の実施等、状況把握の方法を工夫する。

(2)児童生徒のこころのケア等

 気になる児童生徒については、密を避ける等感染拡大防止に十分配慮したうえで、面談を行うなど児童生徒に寄り添った支援を行う。

 1. 把握した気になる児童生徒の状況について、関係する教職員がケース会議で共有し、アセスメント基づいた支援方針・支援計画を立て、組織的に支援する。

 2. 立案した支援方針・支援計画を、適切に保護者とも共有し、協力しながら支援を行う。

 3. ケース会議・具体的支援の際には、必要に応じて、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを積極的に活用する。

 4. 被虐待児童をはじめとする要保護児童等、特に配慮を要する児童生徒については、専門家を活用したり関係機関と連携したりしながら、きめ細かな対応を工夫する。特に支援ニーズの高い児童生徒については、定期的な状況把握(1週間に1回以上)を継続して行う。

(3)感染者、濃厚接触者等に関する偏見や差別の防止

新型コロナウイルス感染症に関わる人(感染者やその家族、濃厚接触者、医療従事者とその家族等)に対する誹謗中傷や排除等も懸念されることから、いじめが起こらないように未然防止の取組を進めるとともに、該当する児童生徒の見守りや不安な気持ちに寄り添った支援に努める。

 1. 新型コロナウイルス感染症に関する正しい知識を伝え、正しい情報に基づいて判断、行動するよう指導する。

 2. 児童生徒の心のつながりを意識し、居場所づくり・絆づくりに努める。

(4)関係機関・相談窓口等への相談

 学校でさまざまな悩みを受け止めることを伝えたうえで、学校外の相談機関(「24時間子供SOSダイヤル」…0120-0-78310や各市町の相談窓口等)についても再度周知する。

11 学校給食等食事をとる場面における留意事項

 学校給食は、児童生徒の健やかな育ちを支える重要な機能である一方、感染のリスクが高い活動でもある。学校給食を実施する場合は、食品等を介して飛沫が口に入る可能性など、感染対策に特に注意する必要があることから、以下の点に留意して実施する。同様に、高等学校等で弁当を持参する場合や教職員の食事の場面においても飛沫を飛ばさないような席の配置や、距離が取れなければ会話を控えるなど対応をする。食事後の歓談時には必ずマスクを着用する。

<給食調理室>

 (1)「学校給食衛生管理基準」に基づいた調理作業や配食等を行うことを徹底する。

 (2)感染レベルに応じて、配膳の過程での感染防止のため、献立を工夫する。可能な限り品数の少ない献立(例えば、主食と主菜、具沢山の汁物等)で適切な栄養摂取ができるようにすることや、可能な場合には給食室において弁当容器等に盛り付けて提供することなどの工夫が考えられる。また、それらが困難な場合に、少なくとも配膳を伴わない簡易な給食(パン、牛乳等)を提供することも考えられる。

 (3)食材料の発注については、食品ロス削減の観点等から一か月分をまとめずに分割して行う。

<教室>

 準備・配膳・後片付け

 (1)児童生徒及び教職員全員が食事の前の手洗い(石けんを使用する)を徹底する。

 (2)給食の配食、配膳を行う児童生徒及び教職員は、下痢、発熱、腹痛、嘔吐等の症状の有無、マスクの着用や衛生的な服装をしているか、手指は確実に洗浄したか等、給食当番活動が可能であるか毎日点検し、記録する。

 (3)給食当番が適切でないと認められる場合は、給食当番を交代するなど対応をする。

 (4)給食前、給食後のテーブル等は衛生的な布巾等で拭く。

 喫食中

 (1)会食にあたっては、飛沫を防ぐために、例えば、机を向かい合わせにしない、座席を離す、前を向いて食べる、会話を控えるなどの対応を工夫する。

 (2)喫食中は、机上にハンカチ等を置いて、いつでも使用できるようにするなど、咳エチケットを徹底する。

 (3)喫食の際には、着用していたマスクを清潔な布又はビニール袋等に入れて適切に保管する。

3 特別支援学校における留意事項

1 スクールバス・チャーターバスの運行について

(1)運行にあたって

 1. 知肢併置特別支援学校においては、6月8日より増車されるスクールバスを有効に活用するとともに、換気や消毒など可能な限り感染症拡大防止対策を行い、運行管理委託に基づき運行すること。

 2. 児童生徒の家庭状況に配慮しつつ、スクールバス内の「密接・密集・密閉」をできる限り避けるために、可能な限り保護者送迎の協力を求めること。保護者送迎のために必要な交通費については、特別支援教育就学奨励費の支給対象とすること。

 

(2)衛生管理

 1. 換気のためにバスの窓を、危険のない範囲で一律3cm程開ける。窓の常時開放が難しい場合は、機を見て可能な限り換気に努めること。

 2. バスの運行前あるいは運行後、手の触れるところを消毒すること。消毒用のエタノールもしくはアルコールの代替として次亜塩素酸ナトリウムで消毒してもよい。次亜塩素酸ナトリウムの場合は、運行終了後に使用するのが望ましい。

 3. 運転手、介助員は、乗車前に体温測定と手指消毒を徹底して行い、飛沫を広げないようマスクを着用すること。介助員は介助毎に手指消毒を行うこと。

 4. 児童生徒には、飛沫飛散防止のため会話を控えることやマスクの着用について徹底するが、児童生徒の実態を考慮し、一律にマスクの着用は求めないこと。

 5. スクールバスを降車して校内に入る際は、児童生徒の手指の消毒を行うこと。

 

(3)児童生徒が乗車するにあたって

 1. 保護者の責任の下で家庭において健康観察を行い、連絡帳や健康観察表への記入を徹底してもらうとともに、咳や発熱の症状がある場合は、自宅で休養し、乗車することのないよう保護者に依頼すること。

 2. 可能な限り乗車席の間隔を空けること。

 3. 登校時、下校時に昇降口が過密とならないよう、スクールバスの乗降時間に時差を設定すること。

 4. 保護者からバス登校に不安がある等の理由で自家送迎の申し出がある場合は、意向に沿うこと。

 5. 医療的ケアの必要な児童生徒や基礎疾患のある児童生徒等のスクールバスの乗車については、2の項に準じて対応すること。

2 医療的ケアが必要な児童生徒等や基礎疾患等のある児童生徒等の対応について

(1)登校の判断

 1. 医療的ケアが必要な児童生徒等(以下「医療的ケア児」という。)の状態は様々であるが、医療的ケア児の中には、呼吸器疾患等により気管切開や人工呼吸器を使用する者も多く、重症化するリスクが高いことから、医療的ケア児が在籍する学校においては、地域の感染状況を踏まえ、主治医の見解を保護者に確認するとともに事前に受入れ体制などを学校医等に相談の上、個別に登校の判断をすること。

 2. 基礎疾患等があることにより重症化するリスクが高い児童生徒等(以下「基礎疾患児」という。)についても、地域の感染状況を踏まえ、主治医の見解を保護者に確認するとともに事前に受入れ体制などを学校医等に相談の上、個別に登校の判断をすること。

 3. 校長が、出席すべきではないと判断した場合の出欠は、「学校保健安全法第19 条による出席停止」又は「非常変災等児童生徒又は保護者の責任に帰すことができない事由で欠席した場合などで、校長が出席しなくてもよいと認めた日」として扱うことができる。また、これらの場合、指導要録上も「欠席日数」とはせずに、「出席停止・忌引等の日数」として記録を行うこと。

 ※ここでいう「主治医の見解」とは、当該児童生徒等が学校で感染するリスクや、学校で医療的ケアを行う際に、新型コロナウイルス感染症対策として特に注意しなければならない点などを指す。

 

(2)教育活動における感染予防対策の徹底

 重症化するリスクが高い医療的ケア児や基礎疾患児に対して教育活動を行う場合は、以下の事項について留意すること。なお、併せて令和2年6月22日付け滋教委特支第432号「特別支援学校等における新型コロナウイルス感染症対策に関する考え方と取組について(通知)」および令和2年6月23日付け事務連絡「医療的ケアを必要とする幼児児童生徒が在籍する学校における留意事項について」を参考に、引き続き十分な感染予防対策を講じるとともに、児童生徒等の様子を丁寧に観察し、体調の変化を早期に発見し、早期に対応できるよう努めること。

 1. 医療的ケアの実施

「1ケア1手洗い(手指消毒)」、「ケア前後の手洗い(手指消毒)」を基本とすること。

※ここでいう「1ケア1手洗い(手指消毒)」とは、例えば、同じ医療的ケア児に対して、たんの吸引と経管栄養を行う際、それぞれの医療的ケアごとに手洗いまたは手指消毒を行うことをいう。

また、特に気管内吸引や吸入などを行う際は、使い捨て手袋、フェイスシールドを着用すること。使い捨てエプロンが準備できるようであれば、必要に応じて、着用すること。

 

2. 排せつの介助等

おむつ交換の際は、排せつ物に直接触れない場合であっても、使い捨て手袋に加え、フェイスシールド、使い捨てエプロンを着用すること。

※ポータブルトイレを利用する場合の介助も同様とする。

 

3. 教室等の換気

換気は、気候上可能な限り、常時、2方向の窓を同時に開けて行うこと。また、常時行うことが困難な場合は、30分に1回以上、数分間程度、窓を全開すること。

 

4. 消毒・清掃等の実施

医療的ケア児が利用する教室等については、1日1回以上、湿式清掃し、乾燥させること。

床に血液、分泌物、嘔吐物、排せつ物等が付着した場合は、手袋を着用し、次亜塩素酸ナトリウム液(0.1%)等で清拭後、湿式清掃し、乾燥させること。

※次亜塩素酸ナトリウム液を含む消毒液の噴霧については、吸引すると有害であり、効果が不確実であることから行わないこと。

トイレのドアノブや取手等は、消毒用エタノールで清拭すること。または、次亜塩素酸ナトリウム液(0.05%)で清拭後、水拭きし、乾燥させること。

3 身体接触による介助および学習等の配慮について

 児童生徒等の障害の状況等により、密接な接触が避けられない場合も考えられるが、できるだけ密接な接触を避けることや、咳エチケット、手洗いや手指の消毒などの感染予防について、認知面の発達段階に応じて分かりやすい指導を行うこと。そのうえで以下に示す事項に留意して実施すること。

(1)食事介助

 給食および食事介助については、令和2年5月20日付け滋教委特支第354号(高校教育課および保健体育課との三課通知)「学校再開後の対応について」に添付した別添3「学校再開に伴う学校給食の対応について」および同日付滋教委特支第355号「県立特別支援学校の教育活動再開に向けた対応について(通知)」に基づき、対面指導をする場合は、食事をしながらの介助を控えること等に留意すること。

 

(2)作業学習・実習

 1. マスクの着用を徹底するとともに、共用の教材、教具、機器、設備など適切に消毒するとともに常時換気する。(ただし、常時マスクを着用する必要のない内容において、児童生徒の間隔を十分に確保できる通常の活動中では、マスクの着用をさせる必要はない)

 2. 活動の前後には手洗いを徹底すること。

 3. 実習(材料運搬や作業)においては教員・生徒同士の接触を極力避け、個人で使用する材料や道具の配布および回収はできる限り生徒個人が行うこと。

 4. 授業前後の更衣室が密集状態にならないよう、更衣場所や順番、時間など工夫すること。

 

(3)自立活動

 児童生徒が受診している病院等の主治医やPT、OT、ST等と十分に連携の上、指導計画や指導方法の見直し等を行い、一層の感染症対策を講じた上で指導を行う等の対応を図ること。

4 障害特性を踏まえた指導について

 特別支援学校に通う児童生徒等の障害特性等を踏まえ、下記の点についても十分に配慮すること。

(1)視覚障害

 障害の程度や発達の段階、学習内容等に応じて、触覚教材や拡大教材、音声教材やICT機器等を活用した教材等を効果的に組み合わせること。また、それら教材、機器等の消毒等、衛生管理、感染症対策に留意すること。

 

(2)聴覚障害

 1. 教員が指導する際にはフェイスシールド、透明マスク、透明衝立を効果的に活用すること。

 2. 日常的にコミュニケーション手段が制限される場面も多いことが想定されることから、文字情報の提供など必要な視覚情報の保障に配慮すること。

 

(3)知的障害

 1. マスクの着用や身体接触の防止等の理解が困難な児童生徒に対して、ソーシャルディスタンスの図示、座席の配置など、障害の状況や程度に応じて視覚情報等も十分に活用しながら、感染防止に向けた指導に努めること。

 2. ブランコ、滑り台等の遊具の使用にあたっては、クラス、グループ単位での使用スケジュールやルールを設定し、児童生徒が密集しない環境設定に努めること。

 

(4)肢体不自由

 特に医療的ケアを必要としたり、基礎疾患を有する児童生徒の指導にあたっては、健康状態の把握に十分に努めるとともに、車椅子や補装具、教材、教具の消毒の徹底等、衛生管理、感染症対策に留意すること。

 

(5)病弱

 1. 特に外部との接触機会の低減による児童生徒の心理的ストレスへのケアに配慮し、児童生徒が入院、入所している病院、施設と十分に連携を図りながら、これまで以上に相談体制の充実に努めること。

 2. 教職員自らの健康状態について十分に留意し、病院、施設への出入りや、教材、教具を持ち込む際には、教材、教具の消毒の徹底等、衛生管理、感染症対策に留意すること。

5 進路指導および関係機関との連携について

(1)高等部の就業体験(実習)

 1. 職場体験・実習については、企業や事業所等と連携しながら実施時期や回数、内容等について検討し、本人や保護者と今後の見通しや計画について情報の共有を行うこと。特に高等部3年生については、福祉、労働、健康・医療等関係機関との連携を強化し、卒業後の進路実現を見据えた取組を進めること。

 2. 就業体験(実習)の実施にあたっては、企業等が講じる感染防止対策に応じて対応するとともに、日頃から家庭と連携し、健康管理や感染予防に努めること。

 3. 就労支援については、就労アドバイザーによる開拓情報や「しがしごと応援団」登録企業データーベース等を有効に活用すること。

 

(2)教育相談等

 1. 市町教育委員会が主宰する教育支援委員会への参画については、主宰者の方針に応じるとともに、感染拡大防止に十分に留意すること。

 2. 教育相談等の実施については校園等と十分に連携し、感染症対策を講じた上で実施すること。

6 寄宿舎における留意事項

 寄宿舎内では、感染拡大は起こりうるものと想定し、共同生活を通じた教育的意義にも配慮しつつ、平時から健康管理や感染症対策、感染者発生時の対応について学校医や関係機関と検討し、予め決めておくこと。

 「3つの密」の回避について工夫するとともに、手洗いやマスクの着用、換気の徹底等基本的な感染症対策を実施し、万全を期すこと。

 また、寄宿舎においても、上記3(1)について留意すること。特に、以下のような感染症対策を徹底すること。

 1. 飛沫感染に留意し、近距離での大声を徹底的に避ける。

 2. こまめな手洗いを励行する。

 3. 食事や集団での移動の際の三密(密閉、密集、密接)を避ける。

 なお、寄宿舎の運営に関わっては、居室や共有スペースにおける感染症対策、平時の対策に加え新型コロナウイルス感染症疑い例が発生したときの対応に万全を期す必要があることから、「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル~「学校の新しい生活様式」~」(令和2年9月3日改訂版)における記載事項を踏まえて適切に対応すること。

4 教職員の健康管理・服務について

1 教職員の衛生上の感染予防対策

(1)体調管理の徹底

 ○ 感染症を予防するためには、普段から十分な睡眠とバランスのよい食事、適度な運動などで免疫力を高め、自ら健康管理を徹底することが大切です。

 ○ 特に、糖尿病、心不全、呼吸器疾患などの基礎疾患等のある方は、新型コロナウイルスに感染した場合重症化のリスクが高いことも報告されていますので、定期的に通院や服薬を行って、健康状態の悪化を防ぐようにしてください。

 ○ 自らの健康状態を把握するため、下記の健康観察を実施願います。

  【健康観察】

1. 毎日自宅で検温を行い、発熱等風邪症状などがないか健康観察を実施し、健康観察票に記録する。

2. 健康状態に不安がある場合は無理な出勤を避け、発熱等の風邪の症状がみられる時は自宅で休養し出勤しないこと。

 ○ なお、これまでの発生事例を見ると家庭内感染を起こしやすい感染症であることから、教職員だけでなく家族も感染症対策を理解した行動や健康観察を実施していただくことも予防対策となります。

 ○ このような取組は、常勤非常勤を問わず、講師、生活介助員、事務室職員等、児童・生徒との接触が想定されるすべての教職員等に徹底する必要があります。

 

(2)感染症対策

 ○ 教職員の感染症対策は、児童・生徒への感染症予防対策に準じて実施することにより、児童・生徒、教職員双方の感染リスクを低減できます。

 ○ とりわけ、マスクの着用と手洗いの励行の徹底は、感染症予防の基本中の基本です。

【手洗いの徹底】(厚生労働省HPより)

 【マスクの着用】

 ・教職員等は、原則としてマスクを着用してください。

 ・ただし、自らの身体へのリスクがあると判断する場合や、児童生徒への指導のために自らが運動を行う場合などは、マスクを外すことは問題ありません。なお、マスクを外す際は、不必要な会話や発声を行わず、児童生徒や他の教職員等との距離を2m以上(ランニングなどで同じ方向に動く場合は更に長い距離)を確保してください。(令和2年5月21日付スポーツ庁政策課学校体育室「学校の体育の授業におけるマスク着用の必要性について」より)

 ・夏期の気温・湿度が高い中でマスクを着用すると、熱中症のリスクが高くなる恐れがあります。このため、屋外で人と十分な距離(少なくとも2m以上)が確保できる場合には、熱中症リスクを考慮し、マスクをはずすようにしてください。また、マスク着用中は屋内外を問わずこまめに水分補給を行うなど熱中症予防対策を心掛けてください。

 

(3)環境管理

 ○ 日々の職場の清掃や換気については、「2 教育活動の実施にあたって 1 学校の環境整備」の項を参考に定期的に行ってください。

 ○ 職員室等における勤務については、可能な限り他者との間隔を確保(おおむね1~2メートル)し、会話の際は、できるだけ真正面を避けるようにしてください。職員室内で十分なスペースを確保できない場合は、空き教室を活用して職員が学校内で分散勤務することも必要に応じて考慮してください。

 ○ 特に人がよく触れる場所(ドアノブ、電気のスイッチ、窓の持ち手や鍵部分など)や機器(プリンタースイッチ、共有パソコンやマウス等)については拭き掃除をして使用してください。

 

(4発熱などの症状がある場合の相談・受診について

〇新型コロナウイルスの初期症状は、インフルエンザや風邪などと見分けにくいことから、発熱などの症状がある場合の相談、受診体制が、令和2年11月より下記のとおり変更されました。

・ 発熱、のどの痛み、頭痛、下痢、体のだるさ、においや味がわかりにくい等の症状のある方は、受診の前に、まずは、かかりつけ医など身近な医療機関(診療所・クリニック)に電話等で連絡し、症状等をお伝えください。

・ 診療所等によっては、発熱患者を診ることができない場合がありますが、その場合は、他の医療機関を案内されます。

・ 医師の診察により、必要な検査を受けることになります。

・ なお、相談先・受診先に迷った時は、受診・相談センター(毎日24時間対応)に連絡すれば、お近くの診療・医療機関を案内してもらえます。

 

(5)職場への報告

○ 発熱等風邪症状のある職員は、職場の管理職に申し出て、必要な指示を受けてください。

○ 以下の場合は、職場の校長等管理職に報告してください。(校長等管理職は、教職員等がためらうことなく申し出ることが可能な環境づくりをすること)

1. 医療機関等で新型コロナウイルス感染症検査の結果、陽性と診断された場合

2. 1 の疑いがあり、検査や検査結果の連絡待ち等である場合

3. 濃厚接触者として検査を受ける場合

○ 教職員からの報告を受けた県立学校長等管理職は、健康福利室まで個人情報に留意した上で報告をお願いします。

 

2 新型コロナウイルス感染症に感染し、または感染のおそれがある場合の休暇制度

<感染が判明した場合>

 教職員が新型コロナウイルス感染症に感染したことが判明した場合は、保健所および医療機関の指示に基づき、その態様に応じて、公立学校職員勤務時間条例第20条第1号または第3号の特別休暇を取得するなどして、療養に専念してください。

<感染のおそれがある場合>

 次のような場合においては、公立学校職員勤務時間条例第20条第3号の特別休暇の取得が可能です。必要に応じて休暇を取得するなどして、感染防止対策を図ってください。

・ 新型コロナウイルス感染症を検疫法第34条の感染症の種類として指定する等の政令第3条において準用する検疫法第16条第2項に規定する停留の対象となった場合

・ 職員またはその親族に発熱等の風邪症状が見られることから、新型コロナウイルス感染症対策の基本方針(令和2年2月25日新型コロナウイルス感染症対策本部決定)等を踏まえ、勤務しないことがやむを得ないと認められる場合

・ 新型コロナウイルス感染症対策に伴う小学校、中学校、高等学校、特別支援学校、義務教育学校、中等教育学校等の臨時休業その他の事情により、子の世話を行う職員が、当該世話を行うため勤務しないことがやむを得ないと認められる場合

→ 令和2年3月2日付け滋教委教第210号「新型コロナウイルス感染症拡大防止において出勤することが著しく困難であると認められる場合の休暇の取扱いについて(通知)」(Q&Aの最終更新:令和2年11月24日)

3 感染拡大防止対策としての勤務時間の割振り変更(時差出勤)

<県立学校>

 (1) 新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に向けた取組の一環として、教職員の通勤時間の調整および勤務時間の分散を必要とする場合には、校長は、対象の教職員からの申請に基づき、校務に支障のない範囲で教職員の勤務時間の割振りを変更することができます。

 (2) 通勤時間の調整を行う場合については、利用する公共交通機関の便を前後にずらすなどしてラッシュアワーを避けるために必要な時間に相当する、対象の教職員の勤務時間の割振りを変更することができます。

 (3) 教職員の勤務時間を分散させる場合については、学校の通常の勤務時間の前後1時間半の範囲内で、対象とする各教職員の勤務時間の割振りを変更することができます。

→ 令和2年2月28日付け滋教委教第201号「新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に向けた県立学校の教職員の勤務時間の割振りについて(通知)」(最終改正:令和2年4月7日)

<市町立学校>

 学校を設置する各市町の教育委員会が定めるところによります。

4 教育職員に係る週休日等の振替の特例

 新型コロナウイルス感染症対応に係る学校教育の正常化のため土曜授業等を設定するに当たり、教育職員に週休日・休日に勤務を命じる場合に、教育職員の休息の確保を図るため、勤務を命ずる日から起算して8週間前の日から、勤務を命ずる日から起算して20週間後の日までの期間を振替対象期間とすることができます。(令和2年度中に対象業務を命じる場合に限る。)

→ 令和2年7月22日付け滋教委教第734号「新型コロナウイルス感染症対応に係る学校教育の正常化に向けた教育職員の週休日・休日の振替対象期間の取扱いの特例について(通知)」

5 妊娠中の女性教職員に関する服務上の取扱い

<県立学校>

 (1) 妊娠中の女性教職員が、保健指導または健康診査を受けた結果、当該女性教職員の作業等における新型コロナウイルス感染症に感染するおそれに関する心理的なストレスが母体または胎児の健康保持に影響があるとして、母子保健法の保健指導または健康診査を行う医師または助産師(以下「医師等」という。)からこれに関する指導を受け、それを申し出た場合であって、医師等の指導に基づき、当該女性教職員が指導事項を守ることができるようにするため、当該女性教職員の作業の制限、出勤の制限等の措置を講じる必要がある場合は、校長は、当該女性教職員に対して、1 感染のおそれの低い作業への転換、2 自宅への出張の命令または 3 特別休暇(私傷病特別休暇)の取得のいずれかの措置を講じることとされています。(令和3年1月31日までの時限的な取扱い。)

 (2) 上記のうち 2 の取扱いをする場合は、学校の臨時休業期間中に適用されていた「新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に向けた県立学校の教職員の在宅勤務に関する実施要領」(令和2年6月7日をもって廃止)が準用され取り扱われます。

→ 令和2年5月28日付け滋教委教第544号「新型コロナウイルス感染症の感染拡大状況等を踏まえた「妊娠中及び出産後の女性労働者が保健指導又は健康診査に基づく指導事項を守ることができるようにするために事業主が講ずべき措置に関する指針」に基づく教職員の出勤の制限の取扱いについて(通知)」

<市町立学校>

 学校を設置する各市町の教育委員会が定めるところによります。

6 感染再拡大時等の対応

 万一、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が再び起こるなど、本県各学校においてもその対応が必要となった場合は、その状況に応じて、教職員の服務に関する臨時的な取扱いを設けることがありますので、県教育委員会(市町立学校については市町教育委員会)からの通知連絡を確認されるようお願いします。

IV 臨時休業

1 臨時休業措置を講じる基準

学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル】(令和2年123日付け文部科学省通知)参照

【地域全体の臨時休業の考え方】

 〇 緊急事態宣言が出された場合において、特措法第 45 条第2項に基づき都道府県知事より学校の施設の使用の制限又は停止等の要請を行ったり、同法第 24 条第7項や第36 条第6項等に基づき、都道府県知事や市町村長が教育委員会に対し、必要な措置を講ずることの要請を行ったりする場合がある。いずれの場合であっても、学校の設置者は、児童生徒等の生活圏におけるまん延状況を把握し、児童生徒の学びの保障も考慮しつつ、臨時休業の必要性について、首長と事前に十分相談を行い、必要に応じ学校の臨時休業等の措置を講じる。また臨時休業を行う場合であっても学びの保障する観点から、分散登校による任意の登校日を設けるなど、感染リスクを可能な限り低減しつつ、登校の機会を設ける工夫を行う。

県立学校における児童生徒等に感染等が発生した場合の対応(補足)

(1) 感染が判明した場合、保健所等と相談の上、濃厚接触者や感染経路の確認、校内の消毒等、設置者が臨時休業の要否について検討する。

濃厚接触者は保健所により特定されるが、以下の場合等が考えられる。

・学級では、マスクを外して昼食を食べたり、マスクを外して行う学習場面があるため同じ学級の児童生徒は濃厚接触者と考えられる。

・同じ部活動、一緒に登下校する児童生徒はマスクを外す場面での接触の可能性があることから活動、行動を共にしたものは濃厚接触者と考えられる。

・当該学級担任、授業担当者は机間指導等することから、濃厚接触者と考えらえる。

・濃厚接触者以外に広い範囲で「接触者」として検査される場合がある。

(2) 児童生徒または教員の感染疑い、また、濃厚接触者となり、検査を受けると連絡があった場合には、2週間分の健康状況(発熱や呼吸器症状)、マスク着用の有無、行動歴(詳細な時間割表・座席表・部活動の活動状況)を把握し、速やかに保健所の調査の協力ができるように準備する。

(3) 濃厚接触者が特定され出席停止の措置が行われ、校内の消毒が完了した際には、速やかに学校を再開する。出席停止の期間は、感染者は治癒するまで、濃厚接触者は最後に感染者と接触した日の翌日から2週間とする。

(4) 校内の消毒は、保健所の指示を受け、学校医、学校薬剤師に相談の上、該当者の教室、使用したトイレ、児童生徒がよく手を触れる所(水道、手すり、使用物品等)をエタノール等をひたした雑巾等を使って、学校の職員が実施する。その際には、使い捨て手袋、マスク、ビニールエプロンを着用の上実施することが望ましい。

一地域に感染者が増加した場合の対応

 各校の設置者は、該当保健所だけでなく、県教育委員会に相談し、地域全体の学校運営について判断をする。

*相談を受けた県教育委員会は、県健康医療福祉部、衛生科学センター、防災部局等と連携し地域全体の感染状況等を把握したうえで、各校の設置者の相談に応じるものとする。

2 県立学校におけるICT教育の環境整備とオンライン授業に係る研究

1 ICT教育の環境整備

【令和2年度】

 ・県立学校のすべてのホームルーム教室と特別教室6教室に校内無線LANを整備。

 ・県立中学校、県立特別支援学校(小学部・中学部)には児童生徒1人1台の端末を整備。

 ・県立高等学校には、大型提示装置(移動式プロジェクター)と移動式スクリーン、タブレットのセットを3組、県立特別支援学校には、大型提示装置、実物投影機、タブレットのセットを3組整備。

 ・それに加え、タブレットを県立高等学校に40台ずつ、県立特別支援学校(高等部)に8台ずつ整備。

 ・今後、これらの機器を通常の授業で積極的に活用するものとする。また、オンライン授業においても活用するものとする。

2 オンライン授業に係る研究

・新型コロナウイルス感染症の今後の感染拡大に備え、各学校においてオンライン授業の実施に向けた研修に取り組むものとする。

・具体的な研修方法等については、今後、通知予定であるが、すでに様々な取組を行っている学校においては、それをさらに進めるものとする。

PDF資料

【本ガイドラインに関する問合せ先】

(健康管理に関すること)保健体育課保健安全・給食係

電話:077-528-4614

(部活動に関すること)保健体育課学校体育係

電話:077-528-4627

(高等学校・県立中学校に関すること)高校教育課教育力向上係

電話:077-528-4575

(特別支援学校に関すること)特別支援教育課教育指導係

電話:077-528-4643

(人権教育に関すること)人権教育課企画振興係

電話:077-528-4592

(教職員の健康管理に関すること)健康福利室健康管理係

電話:077-528-4559

(教職員の服務に関すること)教職員課服務・免許係

電話:077-528-4530

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