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滋賀県が締結する契約に関する事業者調査【令和4年度調査結果】

調査の目的、実施方法(アンケート調査)

【目的】
滋賀県が締結する契約に関する条例」(令和3年滋賀県条例第36号)推進に関し、滋賀県の契約に関する取組方針」に掲げる、環境に配慮した事業活動、多様な人材の活用、県の契約の履行に係る業務に従事する者の労働環境の整備についての事業者の取組状況を把握するため、統計法(平成19法律第53号)に基づく届出統計として実施しました。

【実施方法】
調査対象:
滋賀県建設工事等入札参加資格有資格者名簿および滋賀県物品・役務および庁舎管理業務に係る
競争入札参加資格者名簿に記載のあるすべての事業者 
5,901
調査時期:令和4年10月
調査方法:
郵送により調査票を配布し、郵送で提出する方法または滋賀県オンライン受付システムへ入力
する方法により
提出
回収率:56.4( 有効回収数3,327件 )

【調査内容】
(1) 滋賀県の契約に関する取組方針の「地域経済の活性化への配慮」、「一定の行政目的の実現図るための契約の活用」に関する取組状況
(2) 今後の県の取組の参考とするための内容
(3) 県の入札制度、県を相手方とする契約に関する意見

回答事業者の概要

・地域(※県内事業者は、県内に本店を置く事業者。)
県内事業者 48.6%、県外事業者51.0%、不明0.4% 

・規模(※小規模企業、中小企業は、中小企業基本法の規定による区分。大企業はこれら以外。)
小規模企業 40.1%中小企業 41.9%、大企業 15.8%、その他法人 1.6%、無回答 0.6%

・主な事業内容
工事請負 39.7%、 工事等業務委託 11.4%、 業務委託 26.5%、 物品等の売買 22.4%

調査結果のポイント

(1)「地域経済の活性化への配慮」「一定の行政目的の実現を図るための契約活用」関係

「下請契約、再委託契約の相手方として県内事業者を選定したか。」(設問2)
県内事業者は85.5%、県外事業者は30.9%が選定。
(下請・再委託契約を行わなかった者を除くN = 845 )

図1

「工事材料を県内事業者等から調達したか。」(設問3)
 県内事業者は72.6%、県外事業者は11.5%が、「ほぼ全て」調達。(N = 619 )

図2

「委託業務の成果物に県内企業の製品を使用したか。」(設問4)
県内事業者は42.9%、県外事業者は11.8%が使用。
(製品を使用しない業種の者、無回答を除く N = 347( 県内161、 県外186) )

環境に関する認証等の取得状況」(設問5) (※複数回答 N = 1506 )
ISO14000シリーズ 20.2% エコアクション6.2%、GPプラン滋賀4.5%、
KES・環境マネジメントシステム・スタンダード2.0%、エコステージ0.3%

【その他の取組】
SDGs関連、CO2削減関連、淡海エコフォスター、滋賀グリーン活動ネットワークなど

多様な人材の活用状況」【障害者雇用】(設問7)
法定雇用率対象事業所(従業員43.5人以上 N = 100)について、県内事業者は48.0%が達成
(参考)滋賀労働局令和4年「障害者雇用状況」集計結果滋賀県58.6% 全国48.3%

労働環境の整備状況」【社会保険の加入】(設問8)
「 加入すべき者がいない 」場合を除くと、各保険とも約99%加入。( N = 3327 )
(参考)国土交通省公共事業労務調査(令和310月調査)企業別各保険加入割合99%

(2)「今後の県の取組の参考とするための内容」関係

県の入札における考慮事項に反映すべきと考えるCSR等について」(設問11)
県の「社会政策推進に配慮した入札等実施要領」に掲げているもの以外として、
健康経営優良法人認定、えるぼし認定、賃上げ表明など。

「民間事業者との契約と比較した場合の県の委託業務の相違点」(設問12(2))
(主な事業内容が、業務委託、物品等の売買の事業者が回答対象 N = 724 ) 
「 感じる 」または「 少し感じる 」と回答した事業者の回答をみると、
「 契約金額の水準 」29.2%と最も高く、次いで「 契約の仕様の内容 」が14.9%、
「 契約の履行上のやりとり 」が11.9%、「 業務完了後に県が行う履行確認 」が6.7%。

※【「感じる」または「少し感じる」ことについての記述内容】当ページ末に掲載

図3

契約金額で業務に従事する労働者の当該期間の賃金を確保できているか。」(設問12(4))
(主な事業内容が、業務委託、物品等の売買の事業者が回答対象 N = 724 )

「 確保できている 」また「 ほぼ確保できている 」と回答した事業者は60.0
「 厳しい 」または「 少し厳しい 」と回答した事業者は18.6%。

「プロポーザル関係」(設問13(2)、(3)) (N = 278 )
【提案期間】
「 十分あった 」または「 ほぼあった 」と回答した事業者は76.2%、
「 なかった 」また「 あまりなかった 」と回答した事業者は11.9
【仕様の内容】 
企画提案を行う上で必要な情報が、
「 十分に示されていた 」と回答した事業者は
69.1%、
「 不足していた 」また「 少し不足していた 」と回答した事業者14.0

(3)県の入札制度、県を相手方とする契約に関する意見

入札情報、入札参加、期間・時期、資格要件、発注方式、契約手続などの面からの意見。 

賃金実態調査(アンケート調査と同時実施)

調査対象:
県と契約している清掃、警備、設備管理等の事業者29社(63契約)を選定
回収率:
事業者 31.0%9件)契約 38.1%(24件))※清掃39人分設備管理6人分の回答。
調査結果:
・平均年齢: 清掃65.2歳、設備管理41.3歳
・勤続年数: 清掃4.8年、設備管理16.7年
・就業形態(正規割合):清掃 2.6%、設備管理100%
・給与形態(時給割合):清掃92.3%、設備管理0%
・平均労働時間(h/日):清掃4.4時間、 設備管理9.1時間
・最低賃金割合(※): 清掃64.8%、設備管理16.6%

最低賃金以上950円未満の時給帯の割合
今回の調査で最低賃金未満の労働者はいなかった。
(最低賃金 R3.10.1R4.10.5 896円)

民間事業者との契約と比較した場合の県の委託業務の相違点 【「感じる」または「少し感じる」ことについての記述内容】

契約金額の水準
マイナス面
・業務の内容・量に対して、委託費が安いと感じる。
・積算で用いる単価(労務費・材料等)と実勢価格に乖離がある。
・民間事業者の方が支払を細かく、中間払いを設定している。
・(物品・役務)最低制限価格の設定がなく、非常に安価な契約が多い。
◇プラス面
・県の積算単価は毎年上昇しているが、民間の単価は何年も上げられない。
・民間には入札制度はなく、低価格での契約をするところがある。

契約の仕様の内容(記載内容の具体性など)〉
マイナス面
・業務成果を過大に求める傾向がある。
・資格要件などの条件設定が厳しい
・具体的な記載がなく、不明な点があるため見積りしにくい。
・業務の目的、意図がわかりづらい。
・仕様内容が複雑であったり、細かすぎたりする。
・業務量に応じた人員の仕様になっていない。
・特定の業者を想定した仕様になっている。

・毎年同じ仕様で、社会状況などの変化に合わせた内容になっていない。
◇プラス面
・民間の業務は、契約を締結して進めることがあまりない。

契約の履行上のやりとり(仕様外の要求、報告等の方法・頻度等)〉
◆マイナス面
・内容変更の指示が遅かったり、仕様にないことを要求される。
・仕様にない業務を、慣例で求められる。
・採択された企画以上のことを求められるが、契約額の増額を認めない。
・協議事項についての決定が遅く、手持ち、手戻りが生じ、残り工期まで多忙な作業に追われる。
・提出書類が多く、押印を求められるものも多い。
・十分な協議がされないため、成果物の修正を行う必要がでてくる。
◇プラス面
民間の方が、工期的に余裕が少ないことが多い。

業務完了後に県が県が行う履行確認(確認の精度)〉
◆マイナス面
・経費根拠など、詳細な報告を求められる。
・同じような内容、意味を持つ完了届、引渡書などといった書類が多く、簡略化してほしい 
・履行確認が全て書類であり、作成する負担が大きい。データでの提出、確認の方法も考えてほしい
・現場確認がされていない場合も見受けられる。
・納品後の検査が、必ずしもされていない。
・業務を受託したが、前業者の業務実績を確認、評価されたのか疑問に思う。
・担当者の業務内容についての知識、理解度によって差がある。
・評価制度・基準が曖昧であったり、硬直化したものになっている。
◇プラス面
民間より丁寧だった