体験者の語り
・私は今の住所ではなく、近くの地区に住んでいました。
・この地域は中山道が通っており、宿場町の近くで、馬で荷物を運んだりした場所でした。
・当時わが家は、新聞を取っておらず、電気も貴重だったのでラジオは夜に少し聞けるくらいでしたから、大型の強い台風が接近していることを知りませんでした。
・その時は小学3年生で、9月3日の朝、学校に登校したら、先生から今日は強い台風が来るので、すぐに家に帰るように言われました。
・近所のこどもたち3~4人で、家まで帰る途中、風は次第に強くなり雨も激しく降ってきて、昼間なのに夕方のように暗くなってきました。そして、見る見るうちに道路の上にも水が激しく流れるようになりました。
・また、川もどんどん水かさが増えて、やがて川からあふれた濁流は道路にも流れるようになってきました。あたり一面が濁った水だらけになり、どこが道路なのか川なのか見分けがつかなくなりました。
・子供なので川に落ちたら流されるのではと思い、怖く感じました。当時は長靴もなかったけど、ふだんよく歩いて知っている道だから、川に落ちることなく、家に帰ることができました。
・この時の台風はジェーン台風と呼ばれました。当時は米軍が台風の名前を付けていました。
・自宅のまわりは床下浸水していました。子供であったので、行動範囲が狭く、近所など他の被害状況はわかりませんでした。