大戸川上流地域での被害状況
骨組みだけになった、大戸川沿いに建つ製茶工場
提供:信楽町多羅尾
【この調査は、関西大学環境都市工学部マネジメント研究室と協働で行いました】
昭和28年8月多羅尾豪雨
信楽町多羅尾区編纂 「多羅尾村昭和大水害誌」 (平成元年3月発行)より転載
昭和28年8月、寒冷前線が停滞し、滋賀県南部でも、8月14日夜から15日朝にかけて雷を伴う大豪雨となった。
甲賀郡南東部の山間部一帯は、多羅尾村(当時)を中心として300mmを超す雷雨混じりの豪雨となり、特に15日0時頃から3時頃までが最も強く、時間雨量は水口で53mm、大原では60mmを記録し、大戸川・杣川・信楽川・野洲川が増水氾濫した。
住民の方たちの体験から、「地域の特性」・「昭和28年多羅尾豪雨の水害」「昭和28年台風13号の水害」「平成25年台風18号の水害」をマップにまとめてあります。
【石居の概要】
大戸川を挟んだ地域。
右岸は、現在の石居1丁目丁目と3丁目。山地から大戸川への坂地。当時3丁目は茶畑が広がっていた。
左岸は農地。現在の2丁目。
【被害の状況】
8月14日夜半から15日夕方までの、大戸川上流の信楽地域山間部一帯の豪雨により、大戸川の水量が急速に増加したため、流域の各所で氾濫・決壊が発生して、橋梁や家屋の流失・倒壊、田畑の冠水をもたらした。
石居付近の雨量は、上流部ほど多くはなかったものの、堂村橋(木橋)が流れて、石居橋に引っかかって水をせき止めたため、耐えられなくなった石居橋も流失。さらに下流の稲津橋(木橋)も流失した。
大戸川上流地域での被害状況
河原となった多羅尾地区の農地
信楽町多羅尾区編纂 「多羅尾村昭和大水害誌」より転載
大戸川上流地域での被害状況
大戸川の氾濫・山地の土砂災害が凄まじい多羅尾
提供:琵琶湖博物館