○滋賀県文化財保護条例
昭和31年12月25日
滋賀県条例第57号
滋賀県文化財保護条例をここに公布する。
滋賀県文化財保護条例
目次
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 県指定有形文化財(第4条―第22条)
第3章 県指定無形文化財(第23条―第28条)
第4章 県指定有形民俗文化財および県指定無形民俗文化財(第29条―第33条の4)
第5章 県指定史跡名勝天然記念物(第34条―第40条)
第5章の2 県選定伝統的建造物群保存地区(第40条の2―第40条の4)
第5章の3 県選定保存技術(第40条の5―第40条の9)
第6章 補則(第41条)
第7章 罰則(第42条―第43条)
付則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第182条第2項の規定に基づき、法の規定による指定を受けた文化財以外の文化財で、滋賀県(以下「県」という。)の区域内に存するもののうち、県にとつて重要なものについて、その保存および活用のため必要な措置を講じ、もつて県民の文化的向上に資するとともに、我が国文化の進歩に貢献することを目的とする。
(一部改正〔平成17年条例32号〕)
(定義)
第2条 この条例で「文化財」とは、法第2条第1項に規定する有形文化財、無形文化財、民俗文化財、記念物および伝統的建造物群をいう。
(一部改正〔昭和50年条例46号・平成17年32号〕)
(財産権等の尊重および他の公益との調整)
第3条 知事は、この条例の執行に当たつて関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。
(一部改正〔令和2年条例10号〕)
第2章 県指定有形文化財
(指定)
第4条 知事は、県の区域内に存する有形文化財(法第27条第1項の規定により重要文化財に指定されたものを除く。以下同じ。)のうち県にとつて重要なものを滋賀県指定有形文化財(以下「県指定有形文化財」という。)に指定することができる。
2 前項の規定による指定をするには、知事は、あらかじめ、指定しようとする有形文化財の所有者および権原に基づく占有者の同意を得なければならない。ただし、所有者または権原に基づく占有者が判明しない場合は、この限りでない。
3 第1項の規定による指定をするには、知事は、あらかじめ、別に定める滋賀県文化財保護審議会(以下「文化財保護審議会」という。)に諮問しなければならない。
4 第1項の規定による指定は、その旨を滋賀県公報(以下「公報」という。)で告示するとともに、当該有形文化財の所有者および権原に基づく占有者に通知してする。
6 第1項の規定による指定をしたときは、知事は、当該県指定有形文化財の所有者に指定書を交付しなければならない。
(一部改正〔昭和50年条例46号・令和2年10号〕)
(解除)
第5条 県指定有形文化財が県指定有形文化財としての価値を失つたときその他特別の理由があるときは、知事は、その指定を解除することができる。
3 県指定有形文化財について法第27条第1項の規定による重要文化財の指定があつたときは、当該県指定有形文化財の指定は、解除されたものとする。
4 前項の場合には、知事は、その旨を公報で告示するとともに、当該県指定有形文化財の所有者および権原に基づく占有者に通知しなければならない。
(一部改正〔昭和50年条例46号・令和2年10号〕)
(所有者の管理義務および管理責任者)
第6条 県指定有形文化財の所有者は、この条例ならびにこの条例に基づく規則および知事の指示に従い、県指定有形文化財を管理しなければならない。
2 県指定有形文化財の所有者は、特別の事情があるときは、もつぱら自己に代り当該県指定有形文化財の管理の責に任ずべき者(以下この章において「管理責任者」という。)を選任することができる。
3 前項の規定により管理責任者を選任したときは、所有者は、速やかにその旨を知事に届け出なければならない。管理責任者を解任したときも、同様とする。
4 第1項の規定は、管理責任者について準用する。
(一部改正〔令和2年条例10号〕)
(管理団体による管理)
第7条 県指定有形文化財につき、所有者がない場合または判明しない場合は、知事は、適当な地方公共団体その他の法人を指定して、当該県指定有形文化財の保存のため必要な管理を行わせることができる。
2 前項の規定による指定をしようとするときは、知事は、あらかじめ、権原に基づく占有者および指定しようとする地方公共団体その他の法人の同意を得なければならない。
3 第1項の規定による指定は、その旨を公報で告示するとともに、権原に基づく占有者および当該地方公共団体その他の法人に通知してする。
5 前条第1項の規定は、管理団体について準用する。
(一部改正〔令和2年条例10号〕)
第8条 前条第1項に規定する理由が消滅したときその他特別の理由があるときは、知事は、管理団体の指定を解除することができる。
(一部改正〔令和2年条例10号〕)
(所有者または管理責任者の変更等)
第9条 県指定有形文化財の所有者が変更したときは、旧所有者は、当該県指定有形文化財の引渡と同時にその指定書を新所有者に引き渡さなければならない。
2 前項の場合においては、新所有者は、速やかにその旨を知事に届け出なければならない。
3 県指定有形文化財の所有者または管理責任者は、その氏名もしくは名称または住所を変更したときは、速やかにその旨を知事に届け出なければならない。氏名もしくは名称または住所の変更が県指定有形文化財の所有者に係るときは、届出の際指定書を添えなければならない。
(一部改正〔令和2年条例10号〕)
(滅失、き損等)
第10条 県指定有形文化財の全部または一部が滅失し、もしくはき損し、またはこれを亡失し、もしくは盗み取られたときは、所有者(管理責任者または管理団体がある場合は、その者)は、速やかにその旨を知事に届け出なければならない。
(一部改正〔令和2年条例10号〕)
(所在の変更)
第11条 県指定有形文化財の所在の場所を変更しようとするときは、所有者(管理責任者または管理団体がある場合は、その者)は、あらかじめ、その旨を知事に届け出なければならない。ただし、規則で定める場合には、届出を要せず、または所在の場所を変更した後届け出ることをもつて足りる。
(一部改正〔令和2年条例10号〕)
(管理または修理の補助)
第12条 県指定有形文化財の管理または修理につき多額の経費を要し、所有者または管理団体(以下この章において「所有者等」という。)が、その負担に堪えないときその他特別の事情があるときは、県は、その経費の一部に充てさせるため当該所有者等に対し、予算の範囲内で補助金を交付することができる。
2 前項の補助金を交付する場合には、知事は、その補助の条件として管理または修理に関し必要な事項を指示することができる。
(一部改正〔令和2年条例10号〕)
(1) 管理または修理に関しこの条例またはこの条例に基づく規則に違反したとき。
(2) 補助金の交付を受けた目的以外の目的に補助金を使用したとき。
(3) 前条第2項の補助の条件に従わなかつたとき。
(一部改正〔令和2年条例10号〕)
(管理または修理に関する勧告)
第14条 県指定有形文化財の管理が、適当でないため、当該県指定有形文化財が滅失し、き損し、または盗み取られるおそれがあると認めるときは、知事は、所有者等または管理責任者に対し、管理方法の改善、保存施設の設置その他管理に関し必要な措置を勧告することができる。
2 県指定有形文化財が、き損している場合において、その保存のため必要があると認めるときは、知事は、所有者等に対し、その修理について必要な勧告をすることができる。
3 前2項の規定による勧告に基づいてする措置または修理のために要する費用は、予算の範囲内でその全部または一部を県の負担とすることができる。
(一部改正〔令和2年条例10号〕)
2 前項に規定する「補助金または負担金の額」とは、補助金または負担金の額を、補助または費用負担に係る修理等を施した県指定有形文化財につき、知事が定める耐用年数で除して得た額に、更に当該耐用年数から修理等を行つた時以後当該県指定有形文化財の譲渡の時までの年数を控除した残余の年数(1年に満たない部分があるときは、これを切り捨てる。)を乗じて得た額に相当する金額とする。
3 補助または費用負担に係る修理等が行われた後当該県指定有形文化財を県に譲り渡した場合その他特別の事情がある場合には、知事は、第1項の規定により返還すべき金額の全部または一部の返還を免除することができる。
(一部改正〔令和2年条例10号〕)
(損壊等の禁止)
第16条 県指定有形文化財は、損壊し、き棄し、または隠匿してはならない。
(現状変更等の制限)
第17条 県指定有形文化財に関し、その現状を変更し、またはその保存に影響を及ぼす行為で規則で定めるものをしようとするときは、知事の許可を受けなければならない。ただし、現状の変更については規則で定める維持の措置または非常災害のために必要な応急措置をとる場合は、この限りでない。
(全部改正〔昭和50年条例46号〕、一部改正〔令和2年条例10号〕)
2 県指定有形文化財の保護のため必要があると認めるときは、知事は、前項の届出に係る修理に関し技術的な指導と助言を与えることができる。
(一部改正〔令和2年条例10号〕)
(公開)
第19条 知事は、県指定有形文化財の所有者等に対し、6月以内の期間を限つて、知事の行う公開の用に供するため当該県指定有形文化財を出品することを勧告することができる。
2 知事は、県指定有形文化財の所有者等に対し、3月以内の期間を限つて当該県指定有形文化財の公開を勧告することができる。
3 第1項の規定による出品のために要する費用は、県の負担とする。
4 県は、第1項の規定により出品した所有者等に対し、報償金を支給することができる。
5 第2項の規定による公開のために要する費用の全部または一部は、予算の範囲内で県の負担とすることができる。
6 知事は、第1項の規定により県指定有形文化財が出品されたときは、その職員のうちから当該県指定有形文化財の管理の責に任ずべき者を定めなければならない。
7 知事は、第2項の規定による公開および当該公開に係る県指定有形文化財の管理に関し必要な指示をするとともに、必要があると認めるときは、当該管理について指揮監督することができる。
(一部改正〔昭和50年条例46号・令和2年10号〕)
(報告の徴収)
第21条 知事は、必要があると認めるときは、県指定有形文化財の所有者等または管理責任者に対し、当該県指定有形文化財の現状または管理もしくは修理の状況につき報告を求めることができる。
(一部改正〔令和2年条例10号〕)
(所有者等の変更に伴う権利義務の承継)
第22条 県指定有形文化財の所有者等が変更したときは、新たに所有者等となつた者は、当該県指定有形文化財に関しこの条例に基づいてする知事の勧告、指示その他の処分による旧所有者等であつた者の権利義務を承継する。
(一部改正〔令和2年条例10号〕)
第3章 県指定無形文化財
(指定)
第23条 知事は、県の区域内に存する無形文化財(法第71条第1項の規定により重要無形文化財に指定されたものを除く。)のうち県にとつて重要なものを滋賀県指定無形文化財(以下「県指定無形文化財」という。)に指定することができる。
2 知事は、前項の規定による指定をするに当たつては、当該県指定無形文化財の保持者または保持団体(無形文化財を保持する者が主たる構成員となつている団体で代表者の定めのあるものをいう。以下同じ。)を認定しなければならない。
4 第1項の規定による指定は、その旨を公報で告示するとともに、当該県指定無形文化財の保持者または保持団体として認定しようとするもの(保持団体にあつては、その代表者)に通知してする。
5 知事は、第1項の規定による指定をした後においても、当該県指定無形文化財の保持者または保持団体として認定するに足りるものがあると認めるときは、そのものを保持者または保持団体として追加認定することができる。
(一部改正〔昭和50年条例46号・平成17年32号・令和2年10号〕)
(解除)
第24条 県指定無形文化財が県指定無形文化財としての価値を失つたときその他特別の理由があるときは、知事は、その指定を解除することができる。
2 保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなつたと認めるとき、保持団体がその構成員の異動のため保持団体として適当でなくなつたと認めるときその他特別の理由があるときは、知事は、その認定を解除することができる。
5 県指定無形文化財について法第71条第1項の規定による重要無形文化財の指定があつたときは、当該県指定無形文化財の指定は、解除されたものとする。
6 前項の場合においては、知事は、その旨を公報で告示するとともに、当該県指定無形文化財の保持者として認定されていた者または保持団体として認定されていた団体の代表者に通知しなければならない。
7 保持者が死亡したとき、または保持団体が解散したとき(消滅したときを含む。以下この条および次条において同じ。)は、当該保持者または保持団体の認定は解除されたものとし、保持者の全てが死亡したとき、または保持団体の全てが解散したときは、県指定無形文化財の指定は解除されたものとする。この場合には、知事は、その旨を公報で告示しなければならない。
(一部改正〔昭和50年条例46号・平成17年32号・令和2年10号〕)
(保持者の氏名変更等)
第25条 保持者が氏名もしくは住所を変更し、または死亡したときその他規則で定める理由があるときは、保持者またはその相続人は、速やかにその旨を知事に届け出なければならない。保持団体が名称、事務所の所在地もしくは代表者を変更し、構成員に異動を生じ、または解散したときも代表者(保持団体が解散した場合にあつては、代表者であつた者)について同様とする。
(一部改正〔昭和50年条例46号・令和2年10号〕)
(保存)
第26条 知事は、県指定無形文化財の保存のため必要があると認めるときは、県指定無形文化財について、自ら記録の作成、伝承者の養成その他その保存のため適当な措置を行い、または保持者または保持団体その他その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。
(一部改正〔昭和50年条例46号・令和2年10号〕)
(公開)
第27条 知事は、県指定無形文化財の保持者または保持団体に対し県指定無形文化財の公開を、県指定無形文化財の記録の所有者に対しその記録の公開を勧告することができる。
3 県は、第1項の規定による県指定無形文化財の記録の公開に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。
(一部改正〔昭和50年条例46号・令和2年10号〕)
(保存に関する助言または勧告)
第28条 知事は、県指定無形文化財の保持者または保持団体その他その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存のため必要な助言または勧告をすることができる。
(一部改正〔昭和50年条例46号・令和2年10号〕)
第4章 県指定有形民俗文化財および県指定無形民俗文化財
(一部改正〔昭和50年条例46号〕)
(指定)
第29条 知事は、県の区域内に存する有形の民俗文化財(法第78条第1項の規定により重要有形民俗文化財に指定されたものを除く。)のうち県にとつて重要なものを滋賀県指定有形民俗文化財(以下「県指定有形民俗文化財」という。)に、無形の民俗文化財(同項の規定により重要無形民俗文化財に指定されたものを除く。)のうち県にとつて重要なものを滋賀県指定無形民俗文化財(以下「県指定無形民俗文化財」という。)に指定することができる。
4 第1項の規定による県指定無形民俗文化財の指定は、その旨を公報に告示してする。
(全部改正〔昭和50年条例46号〕、一部改正〔平成17年条例32号・令和2年10号〕)
(解除)
第30条 県指定有形民俗文化財または県指定無形民俗文化財が県指定有形民俗文化財または県指定無形民俗文化財としての価値を失つたときその他特別の理由があるときは、知事は、その指定を解除することができる。
2 県指定有形民俗文化財または県指定無形民俗文化財について法第78条第1項の規定による重要有形民俗文化財または重要無形民俗文化財の指定があつたときは、当該県指定有形民俗文化財または県指定無形民俗文化財の指定は、解除されたものとする。
4 第1項の規定による県指定無形民俗文化財の指定の解除は、その旨を公報に告示してする。
5 第2項の場合の県指定無形民俗文化財の指定の解除については、知事は、その旨を公報に告示しなければならない。
(全部改正〔昭和50年条例46号〕、一部改正〔平成17年条例32号・令和2年10号〕)
(県指定有形民俗文化財の保護)
第31条 県指定有形民俗文化財に関し、その現状を変更し、またはその保存に影響を及ぼす行為で規則で定めるものをしようとする者は、あらかじめ、その旨を知事に届け出なければならない。
2 知事は、県指定有形民俗文化財の保護のため必要があると認めるときは、前項の届出に係る現状の変更または保存に影響を及ぼす行為に関し必要な指示をすることができる。
(一部改正〔昭和50年条例46号・令和2年10号〕)
(一部改正〔昭和50年条例46号〕)
(県指定無形民俗文化財の保存)
第33条 知事は、県指定無形民俗文化財の保存のため必要があると認めるときは、県指定無形民俗文化財について自ら記録の作成その他その保存のため適当な措置をとることができるものとし、県は、その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存に要する経費の一部を補助することができる。
(追加〔昭和50年条例46号〕、一部改正〔令和2年条例10号〕)
(県指定無形民俗文化財の記録の公開)
第33条の2 知事は、県指定無形民俗文化財の記録の所有者に対し、その記録の公開を勧告することができる。
(追加〔昭和50年条例46号〕、一部改正〔令和2年条例10号〕)
(保存に関する助言または勧告)
第33条の3 知事は、県指定無形民俗文化財の保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存のため必要な助言または勧告をすることができる。
(追加〔昭和50年条例46号〕、一部改正〔令和2年条例10号〕)
(県指定無形民俗文化財以外の無形の民俗文化財の記録の作成等)
第33条の4 知事は、県指定無形民俗文化財以外の無形の民俗文化財のうち特に必要のあるものを選択して、自らその記録を作成し、保存し、または公開することができるものとし、県は、適当な者に対し、当該無形の民俗文化財の公開またはその記録の作成、保存もしくは公開に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。
(一部改正〔昭和50年条例46号・令和2年10号〕)
第5章 県指定史跡名勝天然記念物
(指定)
第34条 知事は、県の区域内に存する記念物(法第109条第1項の規定により史跡、名勝または天然記念物に指定されたものを除く。)のうち県にとつて重要なものを滋賀県指定史跡、滋賀県指定名勝または滋賀県指定天然記念物(以下「県指定史跡名勝天然記念物」と総称する。)に指定することができる。
(一部改正〔平成17年条例32号・令和2年10号〕)
(解除)
第35条 県指定史跡名勝天然記念物が県指定史跡名勝天然記念物としての価値を失つたときその他特別の理由があるときは、知事は、その指定を解除することができる。
2 県指定史跡名勝天然記念物について法第109条第1項の規定による史跡、名勝または天然記念物の指定があつたときは、当該県指定史跡名勝天然記念物の指定は、解除されたものとする。
(一部改正〔昭和50年条例46号・平成17年32号・令和2年10号〕)
(一部改正〔令和2年条例10号〕)
(一部改正〔令和2年条例10号〕)
(滅失等の禁止)
第38条 県指定史跡名勝天然記念物は、滅失し、き損し、または衰亡させてはならない。
(現状変更等の制限)
第39条 県指定史跡名勝天然記念物に関し、その現状を変更し、またはその保存に影響を及ぼす行為で規則で定めるものをしようとする者は、知事の許可を受けなければならない。ただし、現状の変更については、規則で定める維持の措置または非常災害のために必要な応急措置をとる場合は、この限りでない。
(一部改正〔昭和50年条例46号・令和2年10号〕)
第5章の2 県選定伝統的建造物群保存地区
(追加〔昭和50年条例46号〕)
(選定)
第40条の2 知事は、市町の申出に基づき、市町が法第143条第1項または第2項の規定により定める伝統的建造物群保存地区(法第144条第1項の規定により重要伝統的建造物群保存地区に選定されたものを除く。)の区域の全部または一部で県にとつてその価値が特に高いものを、滋賀県選定伝統的建造物群保存地区(以下「県選定伝統的建造物群保存地区」という。)として選定することができる。
2 前項の選定をするには、知事は、あらかじめ、別に定める文化財保護審議会に諮問しなければならない。
3 第1項の規定による選定は、その旨を公報で告示するとともに、当該申出に係る市町に通知してする。
(追加〔昭和50年条例46号〕、一部改正〔平成16年条例38号・17年32号・令和2年10号〕)
(解除)
第40条の3 県選定伝統的建造物群保存地区が県選定伝統的建造物群保存地区としての価値を失つた場合その他特別の理由があるときは、知事は、その選定を解除することができる。
3 県選定伝統的建造物群保存地区について、法第144条第1項の規定による重要伝統的建造物群保存地区の選定があつたときは、当該県選定伝統的建造物群保存地区の選定は、解除されたものとする。
4 前項の場合には、知事は、その旨を公報で告示するとともに、当該市町に通知しなければならない。
(追加〔昭和50年条例46号〕、一部改正〔平成16年条例38号・17年32号・令和2年10号〕)
(修理等に関する補助)
第40条の4 県選定伝統的建造物群保存地区の保存のための当該地区内における建造物および伝統的建造物群と一体をなす環境を保存するため特に必要と認められる物件の管理、修理、修景または復旧について市町が行う措置について、県は、当該市町に対し、その経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。
(追加〔昭和50年条例46号〕、一部改正〔平成16年条例38号〕)
第5章の3 県選定保存技術
(追加〔昭和50年条例46号〕)
(選定等)
第40条の5 知事は、県の区域内に存する伝統的な技術または技能で文化財の保存のために欠くことのできないもの(法第147条第1項の規定により選定保存技術に選定されたものを除く。)のうち県として保存の措置を講ずる必要があるものを滋賀県選定保存技術(以下「県選定保存技術」という。)として選定することができる。
2 知事は、前項の規定による選定をするに当たつては、県選定保存技術の保持者または保存団体(県選定保存技術を保存することを主たる目的とする団体(財団を含む。)で代表者または管理人の定めのあるものをいう。以下同じ。)を認定しなければならない。
3 一の県選定保存技術についての前項の認定は、保持者と保存団体とを併せてすることができる。
(追加〔昭和50年条例46号〕、一部改正〔平成17年条例32号・令和2年10号〕)
(解除)
第40条の6 知事は、県選定保存技術について保存の措置を講ずる必要がなくなつた場合その他特別の理由があるときは、その選定を解除することができる。
2 知事は、保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなつたと認められる場合、保存団体が保存団体として適当でなくなつたと認められる場合その他特別の理由があるときは、保持者または保存団体の認定を解除することができる。
4 県選定保存技術について法第147条第1項の規定による選定保存技術の選定があつたときは、当該県選定保存技術の選定は、解除されたものとする。
(追加〔昭和50年条例46号〕、一部改正〔平成17年条例32号・令和2年10号〕)
(追加〔昭和50年条例46号〕)
(保存)
第40条の8 知事は、県選定保存技術の保存のため必要があると認めるときは、県選定保存技術について自ら記録の作成、伝承者の養成その他その保存のため適当な措置をとることができるものとし、県は、保持者または保存団体その他その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。
(追加〔昭和50年条例46号〕、一部改正〔令和2年条例10号〕)
(保存に関する指導または助言)
第40条の9 知事は、県選定保存技術の保持者または保存団体その他その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存のため必要な指導または助言をすることができる。
(追加〔昭和50年条例46号〕、一部改正〔令和2年条例10号〕)
第6章 補則
(規則への委任)
第41条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
(一部改正〔令和2年条例10号〕)
第7章 罰則
(罰則)
第42条 次の各号の一に該当する者は、5万円以下の罰金または科料に処する。
(1) 第16条の規定に違反して県指定有形文化財を損壊し、き棄し、または隠匿した者
(2) 第38条の規定に違反して県指定史跡名勝天然記念物を滅失し、き損し、または衰亡させた者
(一部改正〔昭和50年条例46号〕)
(追加〔昭和50年条例46号〕、一部改正〔令和2年条例10号〕)
(両罰規定)
第43条 法人の代表者または法人もしくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人または人の業務または財産の管理に関して前2条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人または人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
付則
この条例は、公布の日から施行する。
付則(昭和50年条例第46号)
(施行期日)
1 この条例は、昭和51年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の際現にこの条例による改正前の滋賀県文化財保護条例(以下「旧条例」という。)第29条第1項の規定により指定されている滋賀県指定民俗資料は、この条例による改正後の滋賀県文化財保護条例(以下「新条例」という。)第29条第1項の規定により指定された滋賀県指定有形民俗文化財とみなす。この場合において、旧条例第29条第2項において準用する旧条例第4条第6項の規定により交付された滋賀県指定民俗資料の指定書は、新条例第29条第2項において準用する新条例第4条第6項の規定により交付された滋賀県指定有形民俗文化財の指定書とみなす。
3 この条例の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(滋賀県風致地区内における建築等の規制に関する条例の一部改正)
4 滋賀県風致地区内における建築等の規制に関する条例(昭和45年滋賀県条例第24号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略
付則(平成16年条例第38号抄)
1 この条例は、規則で定める日から施行する。
(平成16年規則第66号で平成17年1月1日から施行)
付則(平成17年条例第32号)
この条例は、平成17年4月1日から施行する。
付則(令和2年条例第10号)抄
(施行期日)
1 この条例は、令和2年4月1日から施行する。
(経過措置)
5 この条例の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。