○ふるさと滋賀の野生動植物との共生に関する条例第21条第1項の規定による生息・生育地保護区の指定
平成23年2月16日
滋賀県告示第70号
ふるさと滋賀の野生動植物との共生に関する条例第21条第1項の規定による生息・生育地保護区の指定
ふるさと滋賀の野生動植物との共生に関する条例(平成18年滋賀県条例第4号)第21条第1項の規定に基づき、生息・生育地保護区を次のとおり指定し、平成23年3月31日から施行する。
1 名称 佐目風穴コウモリ類および石灰岩性植物生息・生育地保護区
2 指定の区域 犬上郡多賀町佐目の一部(区域は、区域図表示のとおり)
3 指定に係る希少野生動植物種 コキクガシラコウモリ、キクガシラコウモリ、モモジロコウモリ、ユビナガコウモリ、テングコウモリ、ホラアナゴマオカチグサガイ、コバノチョウセンエノキ、ミスミソウ、ヤマシャクヤク、キンランおよびセイタカスズムシソウ
4 指定の区域の保護に関する指針
(1) 指定の目的 佐目風穴は、伊吹山地から鈴鹿山脈北部にかけての石灰岩地帯の南西端近くに位置している、総延長205メートルの鍾乳洞である。県内では河内風穴に次ぐ規模の鍾乳洞として知られ「佐目のこうもり穴」という別名も持っており、県内でも数少ないコウモリ類の生息地として知られている。
また、風穴付近の森林は、落葉広葉樹林と針葉樹林が入り交じる林相であるが、好石灰岩性の植物が多数生育していること、県下ではまれなセイタカスズムシソウ(絶滅危機増大種)などが生育していることにより、本地域は石灰岩地の植生を代表する価値ある場所である。
したがって、洞窟およびその周辺をとりまく森林を、本地域に生息・生育する希少野生動植物種の保護を図る上で、一体のものとして保護していく必要がある。
(2) 指定に係る希少野生動植物種の個体の生息・生育のために確保すべき条件 当該地域の希少野生動植物は、洞窟という要素を含む石灰岩地帯に適応したものである。そのため、洞窟を含む周囲の石灰岩地帯の現状を維持することが必要である。
また、周囲の植物を維持するためには、傾斜地にある森林および犬上川までの区域を併せて保全するとともに、森林維持にとって適切な植生管理が必要である。
(3) 生息・生育条件の維持のための環境管理の指針
ア 土地の形質の変更、鉱物の採掘または土石の採取 本区域においては、洞窟という要素を含む石灰岩地帯を維持するため、森林の維持管理、野生動植物の調査その他指定に係る希少野生動植物種の保護に支障のないものを除き、土地の形質の変更、鉱物の採掘および土石の採取は行わないものとする。
イ 木竹の伐採 本区域において木竹の伐採を行う場合は、指定に係る希少野生動植物種の生息・生育する場所では行わないものとするほか、現状の森林を維持するため、原則として択伐法によることとし、択伐率は現在蓄積の30パーセント以下に努めるものとする。
ウ 環境管理 条例違反行為に対する巡視を行うほか、所有者、周辺住民および関係団体と連携協力して維持に努めるものとする。
(区域図は、省略し、滋賀県琵琶湖環境部自然環境保全課ならびに各森林整備事務所および西部・南部森林整備事務所高島支所に備え置いて一般の縦覧に供する。)