○農作物特定品種の指定
平成13年3月30日
滋賀県告示第180号
農作物特定品種の指定
滋賀県農作物奨励品種指定規程(昭和28年滋賀県告示第186号)第2条第2項の規定に基づき、次のとおり滋賀県農作物特定品種(以下「特定品種」という。)を指定をする。
1(1) 特定品種に指定するもの
ア 種類名 水稲(粳)
イ 品種名 吟吹雪
(2) 新特定品種の来歴および特性の概要
ア 来歴
「吟吹雪」は、「山田錦」並の酒造適性と「玉栄」並の栽培特性を目標において、昭和59年に「山田錦」を母、「玉栄」を父として人工交配を行い、その後代から育成した系統である。
平成2年より奨励品種決定調査を行い、収量等について継続検討するとともに、酒造適性および現地での適応性を検討し、平成3年雑種第3代(F8)で系統番号「滋系酒56号」を付した。
平成5年度までの成績を検討の結果、特性の把握を完了、その成績が有望と認められ、試験を終了し、平成10年に「吟吹雪」と命名した。
イ 特性の概要
苗の草丈はやや長く葉色は中、葉幅はやや広い。本田での初期生育、分げつの発生は良好で、葉身はやや広く長い。葉色はやや淡く経過する。
稈長は「玉栄」に比較して約5センチメートル長く、穂長は同程度、穂数はやや少なめの偏穂重型の草型を示す。
粒着は「玉栄」に比べ、やや密で2次枝梗が多い。籾は無芒で、ふ先色は黄白色、脱粒性は難である。
玄米の千粒重は26グラム前後で大粒種、腹白粒は少なく、心白粒の発現が極めて良好である。整粒歩合が高く光沢良好で外観品質は良い。
出穂・成熟期は「玉栄」より約10日、「日本晴」より約7日遅い、中生の晩に属する粳種である。
稈の太さ、剛さおよび倒伏抵抗性は、「玉栄」に優り「日本晴」程度である。
いもち病、ごま葉枯病耐病性および穂発芽性は中位で「玉栄」並だが、紋枯病はややでにくい。
収量性は「玉栄」に比較して明らかに高い。
醸造用としての精白適性は良好で、白米吸水性・消化性、消化残渣および溶解性は「山田錦」と比較して遜色がない。また、粗蛋白含量等の白米成分も良好である。