○滋賀県老人福祉法に基づく養護老人ホームの設備および運営に関する基準を定める条例

平成25年3月29日

滋賀県条例第15号

滋賀県老人福祉法に基づく養護老人ホームの設備および運営に関する基準を定める条例をここに公布する。

滋賀県老人福祉法に基づく養護老人ホームの設備および運営に関する基準を定める条例

(趣旨)

第1条 この条例は、老人福祉法(昭和38年法律第133号。以下「法」という。)第17条第1項の規定に基づき、養護老人ホームの設備および運営に関する基準(第3条において「基準」という。)について定めるものとする。

(定義)

第2条 この条例において使用する用語は、法において使用する用語の例による。

(設備および運営に関する基準)

第3条 法第17条第1項の条例で定める基準は、別表のとおりとする。

(施行期日)

1 この条例は、平成25年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 昭和41年10月1日前から存する養護老人ホームについては、別表第2項ならびに第3項第3号ア(ウ)およびク(ア)ならびに第5号の規定は、当分の間、適用しない。

3 昭和62年3月9日前から存する養護老人ホームについては、別表第3項第2号の規定(汚物処理室に係る部分に限る。)は、当分の間、適用しない。

4 この条例の施行の際現に存する養護老人ホームで、平成18年4月1日前から存するもの(同日において建築の工事中であったものを含む。)に対する別表第3項第3号の規定の適用については、同号ア(ア)中「1人とすること。ただし、入所者の処遇上必要と認められる場合は、2人とすることができる」とあるのは、当該養護老人ホームが昭和62年3月9日前から存する場合にあっては「原則として4人以下とすること」と、それ以外の場合にあっては「原則として2人以下とすること」と、同号ア(ウ)中「10.65平方メートル」とあるのは「収納設備等を除き、3.3平方メートル」とする。

(平成27年条例第39号抄)

(施行期日)

1 この条例は、平成27年4月1日から施行する。

(規則への委任)

9 付則第2項から前項までに定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(平成27年条例第45号)

この条例は、公布の日から施行する。

(平成28年条例第10号)

この条例は、平成28年4月1日から施行する。

(平成30年条例第23号)

1 この条例は、平成30年4月1日から施行する。

(平成30年条例第39号)

この条例は、公布の日から施行する。

(令和3年条例第3号)

(施行期日)

1 この条例は、令和3年4月1日から施行する。

(令和6年条例第2号)

(施行期日)

1 この条例は、令和6年4月1日から施行する。

(協力医療機関との連携に関する経過措置)

4 施行日から令和9年3月31日までの間における第2条の規定による改正後の滋賀県老人福祉法に基づく養護老人ホームの設備および運営に関する基準を定める条例別表第18項第3号、第3条の規定による改正後の滋賀県老人福祉法に基づく特別養護老人ホームの設備および運営に関する基準を定める条例(以下「新特別養護老人ホーム基準条例」という。)別表第1第19項第3号(新特別養護老人ホーム基準条例別表第2第9項、別表第3第3項第5号および別表第4において準用する場合を含む。)、新介護老人保健施設基準条例別表第1第21項第4号(新介護老人保健施設基準条例別表第2第9項において準用する場合を含む。)、新介護医療院基準条例別表第1第21項第4号(新介護医療院基準条例別表第2第13項第2号において準用する場合を含む。)および新指定介護老人福祉施設基準条例別表第1第21項第4号(新指定介護老人福祉施設基準条例別表第2第9項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、これらの規定中「定める」とあるのは、「定めるよう努める」とする。

別表(第3条関係)

(一部改正〔平成27年条例39号・45号・28年10号・30年23号・39号・令和3年3号・6年2号〕)

1 基本方針

(1) 養護老人ホームの設置者(以下「設置者」という。)は、健全な環境の下で、社会福祉事業(社会福祉法(昭和26年法律第45号)第2条に規定する社会福祉事業をいう。以下同じ。)に関する熱意および能力を有する職員により、入所者の処遇を適切に行うよう努めること。

(2) 設置者は、明るく家庭的な雰囲気を有し、地域および家庭との結び付きを重視した運営を行うとともに、入所者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、入所者の処遇に関する計画(以下「処遇計画」という。)に基づき、社会復帰の促進および自立に必要な指導および訓練その他の援助を行うこと。

2 養護老人ホームの規模は、20人(特別養護老人ホームに併設する場合にあっては、10人)以上の人員が入所できるものとすること。

3 構造および設備

(1) 養護老人ホームの配置、構造および設備は、採光、換気等の入所者の保健衛生および入所者に対する危害の防止について十分考慮されたものとすること。

(2) 設置者は、居室、静養室、浴室、洗面所、便所、医務室、食堂、集会室、面談室、洗濯室または洗濯場、調理室、宿直室、職員室、汚物処理室、霊安室および事務室その他運営上必要な設備を設けること。ただし、他の社会福祉施設等の設備を利用することにより当該養護老人ホームの効果的な運営を期待することができる場合であって、入所者の処遇に支障がないときは、これらの設備の一部を設けないことができる。

(3) 設備の基準は、次に掲げるとおりとすること。

ア 居室

(ア) 定員は、1人とすること。ただし、入所者の処遇上必要と認められる場合は、2人とすることができる。

(イ) 地階に設けないこと。

(ウ) 入所者1人当たりの床面積は、10.65平方メートル以上とすること。

(エ) 1以上の出入口は、避難上有効な廊下、広間の類または屋外に直接面して設けること。

(オ) 入所者の寝具および所持品を各人別に収納することができる設備を設けること。

イ 静養室

(ア) 医務室または職員室に近接して設けること。

(イ) 原則として1階に設けること。

(ウ) 寝台またはこれに代わる設備を設けること。

(エ) (ア)から(ウ)までに定めるもののほか、静養室については、ア((ア)および(ウ)を除く。)の規定を準用する。

ウ 洗面所は、居室のある階ごとに設けること。

エ 便所

(ア) 居室のある階ごとに設けること。

(イ) 男女別とすること。

オ 医務室には、入所者の診療に必要な医薬品および医療機器を備えるほか、必要に応じ、臨床検査設備を設けること。

カ 調理室の火気を使用する部分は、不燃材料を用いること。

キ 職員室は、居室のある階ごとに居室に近接して設けること。

ク その他

(ア) 廊下の幅は、1.35メートル(中廊下にあっては、1.8メートル)以上とすること。

(イ) 廊下、便所その他必要な場所には、常夜灯を設けること。

(ウ) 階段の傾斜は、緩やかにすること。

(4) 設置者は、養護老人ホームの設備を当該養護老人ホームの用途以外の用途に供しないこと。ただし、入所者の処遇に支障がない場合は、この限りでない。

(5) 建物(入所者が日常生活を営むために使用しない附属の建物を除く。以下同じ。)は、耐火建築物(建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第9号の2に規定する耐火建築物をいう。)または準耐火建築物(同条第9号の3に規定する準耐火建築物をいう。)とすること。ただし、知事が火災予防、消火活動等に関し専門的知識を有する者の意見を聴いて、当該建物が次のアからウまでに掲げる要件のいずれかを満たす木造かつ平家建ての建物であって、火災に対する入所者の安全が確保されているものと認めたときは、この限りでない。

ア 初期消火および延焼の抑制に資する構造または設備を有すること。

イ 火災の早期発見および通報の体制が整備され、円滑な消火活動が可能であること。

ウ 火災の際の円滑な避難が可能な構造および体制を有すること。

4 職員

(1) 設置者は、養護老人ホームの長(以下「施設長」という。)、医師、生活相談員、支援員、看護職員(看護師または准看護師をいう。以下同じ。)、栄養士、調理員および事務員その他の職員を置くこと。ただし、特別養護老人ホームに併設する養護老人ホームであって、入所定員が50人未満であるもの(併設する特別養護老人ホームの栄養士との連携を図ることにより当該養護老人ホームの効果的な運営を期待することができ、かつ、当該養護老人ホームの入所者の処遇に支障がないものに限る。)にあっては栄養士を、調理業務の全部を委託する養護老人ホームにあっては調理員を置かないことができる。

(2) 前号の規定にかかわらず、サテライト型養護老人ホーム(当該施設を設置しようとする者により設置される当該施設以外の養護老人ホーム、介護老人保健施設(介護保険法(平成9年法律第123号)第8条第28項に規定する介護老人保健施設をいう。以下同じ。)、介護医療院(同条第29項に規定する介護医療院をいう。以下同じ。)または病院(医療法(昭和23年法律第205号)第1条の5第1項に規定する病院をいう。以下同じ。)もしくは診療所(同条第2項に規定する診療所をいう。以下同じ。)であって当該施設に対する支援機能を有するもの(以下この項において「本体施設」という。)との連携を確保しつつ、本体施設とは別の場所で運営される入所定員が29人以下である養護老人ホームをいう。以下この項において同じ。)の医師については、本体施設の医師により当該サテライト型養護老人ホームの入所者の健康管理が適切に行われると認められるときは、これを置かないことができる。

(3) 第1号の規定にかかわらず、サテライト型養護老人ホームの生活相談員、栄養士、調理員または事務員その他の職員については、次のアからオまでに掲げる本体施設の種類の区分に応じ、当該アからオまでに定める本体施設の職員により当該サテライト型養護老人ホームの入所者の処遇が適切に行われると認められるときは、これらの職員を置かないことができる。

ア 養護老人ホーム 生活相談員、栄養士、調理員または事務員その他の職員

イ 介護老人保健施設 支援相談員、栄養士、調理員または事務員その他の従業者

ウ 介護医療院 栄養士、調理員または事務員その他の従業者

エ 病床数が100以上である病院 栄養士

オ 診療所 事務員その他の職員

(4) 施設長の数は、1人とすること。

(5) 医師の数は、入所者に対する健康管理および療養上の指導に必要な数とすること。

(6) 生活相談員の数は、常勤換算方法(養護老人ホームの職員のそれぞれの勤務延べ時間数の総数を当該養護老人ホームにおいて常勤の職員が勤務すべき時間数で除することにより、当該養護老人ホームの職員の数を常勤の職員の数に換算する方法をいう。以下同じ。)で、入所者の数を30で除して得た数(その数に1人未満の端数が生じたときは、これを切り上げた数)以上とすること。

(7) 生活相談員のうち、入所者の数を100で除して得た数(その数に1人未満の端数が生じたときは、これを切り上げた数)以上の者を主任生活相談員とすること。

(8) 支援員の数は、常勤換算方法で、一般入所者(入所者であって、指定特定施設入居者生活介護(介護保険法第41条第1項に規定する指定居宅サービスに該当する同法第8条第11項に規定する特定施設入居者生活介護をいう。以下同じ。)、指定介護予防特定施設入居者生活介護(同法第53条第1項に規定する指定介護予防サービスに該当する同法第8条の2第9項に規定する介護予防特定施設入居者生活介護をいう。以下同じ。)または指定地域密着型特定施設入居者生活介護(同法第42条の2第1項に規定する指定地域密着型サービスに該当する同法第8条第21項に規定する地域密着型特定施設入居者生活介護をいう。以下同じ。)の提供を受けていないものをいう。以下同じ。)の数を15で除して得た数(その数に1人未満の端数が生じたときは、これを切り上げた数)以上とすること。

(9) 支援員のうち、1人を主任支援員とすること。

(10) 看護職員の数は、常勤換算方法で、入所者の数を100で除して得た数(その数に1人未満の端数が生じたときは、これを切り上げた数)以上とすること。

(11) 栄養士の数は、1人以上とすること。

(12) 調理員および事務員その他の職員の数は、当該養護老人ホームの実情に応じた適当な数とすること。

(13) 第6号第8号および第10号の規定にかかわらず、視覚または聴覚に障害のある入所者の数が入所定員の7割に相当する数を超える養護老人ホーム(以下この号において「盲養護老人ホーム等」という。)に置く生活相談員、支援員および看護職員の数は、次に掲げるとおりとすること。

ア 生活相談員の数は、常勤換算方法で、1人に、入所者の数を30で除して得た数(その数に1人未満の端数が生じたときは、これを切り上げた数)を加えた数以上の数とすること。

イ 支援員の数は、常勤換算方法で、次の表の左欄に掲げる一般入所者の数の区分に応じ、それぞれ同表の右欄に定める支援員の数以上とすること。

一般入所者の数

支援員の数

20人以下

4人

21人以上30人以下

5人

31人以上40人以下

6人

41人以上50人以下

7人

51人以上60人以下

8人

61人以上70人以下

10人

71人以上80人以下

11人

81人以上90人以下

12人

91人以上110人以下

14人

111人以上120人以下

16人

121人以上130人以下

18人

131人以上

18人に、入所者の数が131人を超えて10人または10人に満たない端数を増すごとに1人を加えた数

ウ 看護職員の数は、常勤換算方法で、入所者の数が100人を超えない盲養護老人ホーム等にあっては2人以上、入所者の数が100人を超える盲養護老人ホーム等にあっては2人に、入所者の数を100で除して得た数(その数に1人未満の端数が生じたときは、これを切り上げた数)を加えた数以上の数とすること。

(14) 指定特定施設入居者生活介護、指定介護予防特定施設入居者生活介護または指定地域密着型特定施設入居者生活介護の事業が行われる養護老人ホームの生活相談員の数は、常勤換算方法で、第6号または第13号アに定める生活相談員の数から1人を減じた数とすることができる。

(15) 第6号から第8号まで、第10号および第13号の入所者の数および一般入所者の数は、前年度における1日当たりの平均値とすること。ただし、養護老人ホームを新たに設置し、または再開しようとする場合は、当該養護老人ホームを新たに設置し、または再開しようとする者が推定した数とする。

(16) 施設長は、専ら当該養護老人ホームの職務に従事する常勤の者とすること。ただし、当該養護老人ホームの管理上支障がない場合は、他の事業所、施設等の職務に従事することができる。

(17) 職員(施設長を除く。)は、専ら当該養護老人ホームの職務に従事する者とすること。ただし、入所者の処遇に支障がない場合は、この限りでない。

(18) 主任生活相談員のうち1人以上は、専らその職務に従事する常勤の者とすること。ただし、指定特定施設入居者生活介護、指定介護予防特定施設入居者生活介護または指定地域密着型特定施設入居者生活介護の事業が行われる養護老人ホームにあっては、入所者の処遇に支障がない場合は、当該養護老人ホームの他の職務に従事することができるものとし、サテライト型養護老人ホームに置く第7号の主任生活相談員にあっては、常勤の者であることを要しないものとする。

(19) 主任支援員は、常勤の者とすること。

(20) 看護職員のうち1人以上は、常勤の者とすること。ただし、サテライト型養護老人ホームまたは指定特定施設入居者生活介護(滋賀県介護保険法に基づく指定居宅サービスの事業の従業者ならびに設備および運営に関する基準等を定める条例(平成25年滋賀県条例第17号)別表第10第2項第1号に規定する外部サービス利用型指定特定施設入居者生活介護を除く。)、指定介護予防特定施設入居者生活介護(滋賀県介護保険法に基づく指定介護予防サービスの事業の従業者ならびに設備および運営ならびに指定介護予防サービスに係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準等を定める条例(平成25年滋賀県条例第20号)別表第10第2項第1号に規定する外部サービス利用型指定介護予防特定施設入居者生活介護を除く。)もしくは指定地域密着型特定施設入居者生活介護の事業が行われる養護老人ホームにあっては、この限りでない。

(21) 施設長は、社会福祉法第19条第1項各号のいずれかに該当する者もしくは社会福祉事業に従事した期間が2年以上である者またはこれらと同等以上の能力を有すると認められる者とすること。

(22) 生活相談員は、社会福祉法第19条第1項各号のいずれかに該当する者またはこれと同等以上の能力を有すると認められる者とすること。

(23) 施設長は、夜間および深夜の時間帯を通じて1人以上の職員に宿直勤務または夜間および深夜の勤務(宿直勤務を除く。)を行わせること。

(24) 施設長は、当該養護老人ホームの職員の管理、業務の実施状況の把握その他の管理を一元的に行うこと。

(25) 設置者は、入所者の処遇を適切に行うことができるよう、職員の勤務の体制を定めること。

(26) 設置者は、その職員に対し、その資質の向上のための研修の機会を確保すること。この場合においては、全ての職員(看護師、准看護師、介護福祉士、介護支援専門員、介護保険法第8条第2項に規定する政令で定める者等の資格を有する者その他これに類する者を除く。)に対し、認知症(同法第5条の2第1項に規定する認知症をいう。)である者の介護に係る基礎的な研修を受講させるために必要な措置を講じなければならない。

(27) 設置者は、適切なサービスの提供を確保する観点から、職場において行われる性的な言動または優越的な関係を背景とした言動であって業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより職員の就業環境が害されることを防止するための方針の明確化等の必要な措置を講ずること。

5 入退所等

(1) 設置者は、入所しようとする者(以下「入所予定者」という。)の入所に当たっては、当該入所予定者の心身の状況、生活歴、病歴等の把握に努めること。

(2) 設置者は、入所者の心身の状況、その置かれている環境等に照らして、当該入所者が居宅において日常生活を営むことができるかどうかを常に配慮するとともに、居宅において日常生活を営むことができると認められる入所者に対しては、当該入所者およびその家族の希望、当該入所者が養護老人ホームを退所した後に置かれることとなる環境等を勘案し、当該入所者が円滑に退所することができるよう必要な援助を行うこと。

(3) 設置者は、入所者の退所に当たっては、保健医療サービスまたは福祉サービスを提供する者との連携に努めること。

(4) 設置者は、入所者が養護老人ホームを退所した後においても、必要に応じ、当該入所者およびその家族等に対する相談および援助を行うよう努めること。

6 処遇計画等

(1) 施設長は、生活相談員に処遇計画の作成に関する業務を担当させること。

(2) 生活相談員は、入所者の心身の状況およびその置かれている環境ならびに入所者およびその家族の希望等を勘案し、他の職員と協議の上、処遇計画を作成すること。

(3) 生活相談員は、処遇計画について、入所者の処遇の状況等を勘案し、必要な見直しを行うこと。

(4) 生活相談員は、前2号に規定する業務のほか、次に掲げる業務を行うこと。

ア 入所者の居宅サービス等(介護保険法第23条に規定する居宅サービス等をいう。以下同じ。)の利用に当たっては、同法第8条第24項に規定する居宅サービス計画または同法第8条の2第16項に規定する介護予防サービス計画の作成等に資するため、同法第8条第24項に規定する居宅介護支援事業または同法第8条の2第16項に規定する介護予防支援事業を行う者および居宅サービス等その他の保健医療サービスまたは福祉サービスを提供する者との連携に努めること。

イ 第16項第3号の規定により事故の状況および当該事故に際して講じた措置を記録すること。

ウ 第17項第2号の規定により苦情の内容等を記録すること。

(5) 主任生活相談員は、前号に規定する業務のほか、入所に係る必要な調整、生活相談員に対する指導等を行うこと。

(6) 指定特定施設入居者生活介護、指定介護予防特定施設入居者生活介護または指定地域密着型特定施設入居者生活介護の事業が行われる養護老人ホームであって生活相談員が置かれていないものにあっては、主任支援員が前2号に規定する業務を行うこと。

(7) 施設長は、次に掲げるところにより、処遇計画に基づき、入所者の処遇を行うこと。

ア 入所者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、入所者の心身の状況等に応じ、社会復帰の促進および自立に必要な指導および訓練その他の援助を適切に行うこと。

イ 漫然かつ画一的なものとならないよう配慮すること。

ウ 職員は、懇切丁寧を旨とし、入所者またはその家族に対し、処遇上必要な事項について適切に説明すること。

エ 入所者または他の入所者等の生命または身体を保護するため緊急かつやむを得ない場合を除き、身体的拘束その他入所者の行動を制限する行為(以下「身体的拘束等」という。)を行わないこと。

オ 身体的拘束等を行う場合には、その態様および時間、その際の入所者の心身の状況ならびに緊急かつやむを得ない理由を記録すること。

カ 身体的拘束等の適正化を図るために、次の(ア)から(ウ)までに掲げる措置を講ずること。

(ア) 身体的拘束等の適正化のための対策を検討する委員会を3月に1回以上開催するとともに、その結果について、支援員その他必要な職員に周知徹底を図ること。この場合において、当該委員会の開催は、テレビ電話装置その他の情報通信機器(以下「テレビ電話装置等」という。)を用いて行うことができる。

(イ) 身体的拘束等の適正化のための指針を整備すること。

(ウ) 支援員その他必要な職員に対し、身体的拘束等の適正化のための研修を定期的に実施すること。

7 食事は、栄養ならびに入所者の心身の状況およびし好を考慮し、適切な時間に提供すること。

8 相談、援助および便宜の提供等

(1) 施設長は、常に入所者の心身の状況、その置かれている環境等の的確な把握に努め、入所者またはその家族に対し、その相談に適切に応じるとともに、必要な助言その他の援助を行うこと。

(2) 施設長は、教養または娯楽に関する設備等を備えるほか、必要に応じ、レクリエーションを行うこと。

(3) 施設長は、入所者の日常生活における行政機関等に対する必要な手続について、入所者またはその家族において行うことが困難である場合には、当該入所者の同意を得て、当該入所者に代わって行うこと。

(4) 施設長は、常に入所者の家族との連携を図るとともに、入所者とその家族との交流等の機会を確保するよう努めること。

(5) 施設長は、入所者の外出の機会を確保するよう努めること。

(6) 施設長は、入所者が養護老人ホームを退所した後における地域での生活に向け、その自立的な生活に必要な援助を行うこと。

(7) 施設長は、入所者が要介護状態等(介護保険法第2条第1項に規定する要介護状態等をいう。)となった場合には、当該入所者の心身の状況、その置かれている環境等に応じ、居宅サービス等を適切に受けることができるよう、必要な措置を講ずること。

9 運営規程の整備

(1) 設置者は、養護老人ホームの運営に関する規程(以下「運営規程」という。)を定めること。

(2) 運営規程には、次に掲げる事項を記載すること。

ア 養護老人ホームの目的および運営の方針

イ 職員の職種、員数および職務の内容

ウ 入所定員

エ 入所者の処遇の内容

オ 養護老人ホームの利用に当たっての留意事項

カ 非常災害対策

キ 虐待の防止のための措置に関する事項

ク その他養護老人ホームの運営に関する重要事項

10 人権への配慮等

(1) 設置者は、入所者の意思および人格を尊重し、常に入所者の立場に立って処遇を行うよう努めること。

(2) 設置者は、入所者の人権の擁護、虐待の防止等のため、責任者を設置する等必要な体制の整備を行うとともに、その職員に対し、研修を実施する等の措置を講ずること。

(3) 設置者は、虐待の発生またはその再発を防止するため、次に掲げる措置を講ずること。

ア 当該養護老人ホームにおける虐待の防止のための対策を検討する委員会を定期的に開催するとともに、その結果について、職員に周知徹底を図ること。この場合において、当該委員会の開催は、テレビ電話装置等を用いて行うことができる。

イ 当該養護老人ホームにおける虐待の防止のための指針を整備すること。

ウ 職員に対し、虐待の防止のための研修を定期的に実施すること。

エ アからウまでに掲げる措置を適切に実施するための担当者を置くこと。

11 衛生管理等

(1) 設置者は、入所者の使用する設備、食器等または飲用に供する水について、衛生的な管理に努め、または衛生上必要な措置を講ずること。

(2) 設置者は、当該養護老人ホームにおいて感染症または食中毒が発生し、またはまん延しないように、次に掲げる措置を講ずること。

ア 当該養護老人ホームにおける感染症および食中毒の予防およびまん延の防止に関する対策を検討する委員会をおおむね3月に1回以上開催するとともに、その結果を職員に周知すること。この場合において、当該委員会の開催は、テレビ電話装置等を用いて行うことができる。

イ 当該養護老人ホームにおける感染症および食中毒の予防およびまん延の防止に関する指針を整備すること。

ウ 職員に対し、感染症および食中毒の予防およびまん延の防止に関する研修ならびに感染症の予防およびまん延の防止に関する訓練を定期的に行うこと。

エ アからウまでに掲げるもののほか、厚生労働大臣が定める感染症または食中毒の発生が疑われる際の対処等に関する手順に沿った対応を行うこと。

(3) 施設長は、入所者が身体の清潔を維持することができるよう、適切な方法により、1週間に2回以上、入所者を入浴させ、または清しきをすること。

(4) 設置者は、当該養護老人ホームに必要な医薬品その他の医療品を備えるとともに、その管理を適正に行うこと。

(5) 施設長は、入所者に対し、入所時および1年に2回以上定期に健康診断を行うこと。

12 非常災害対策

(1) 設置者は、消火用具、非常口その他非常災害の発生の際に必要な設備を設けるとともに、非常災害に関する具体的な計画を作成すること。

(2) 施設長は、非常災害の発生の際の関係機関への通報および連絡の体制を整備すること。

(3) 施設長は、第1号の計画ならびに前号の通報および連絡の体制を定期的に職員に周知すること。

(4) 施設長は、定期的に避難および消火に関する訓練を行うこと。

(5) 設置者は、前号の訓練の実施に当たって、地域住民の参加が得られるよう連携に努めること。

13 業務継続計画の策定等

(1) 設置者は、感染症または非常災害の発生時において、入所者に対する処遇を継続的に行い、および非常時の体制で早期の業務再開を図るための計画(以下この項において「業務継続計画」という。)を策定し、当該業務継続計画に従い他の社会福祉施設との連携その他必要な措置を講ずること。

(2) 施設長は、業務継続計画を職員に周知すること。

(3) 施設長は、定期的に研修および訓練を行うこと。

(4) 設置者は、定期的に業務継続計画の見直しを行い、必要に応じて業務継続計画の変更を行うこと。

14 記録の整備

(1) 設置者は、設備、職員および会計に関する記録を整備すること。

(2) 設置者は、次に掲げる記録を整備し、入所者が養護老人ホームを退所した日から2年間保存すること。

ア 処遇計画

イ 処遇の内容等の具体的な記録

ウ 第6項第7号オの規定による身体的拘束等の記録

エ 第16項第3号の規定による事故の状況および当該事故に際して講じた措置の記録

オ 第17項第2号の規定による苦情の内容等の記録

15 秘密保持

(1) 職員は、正当な理由がなく、その業務上知り得た入所者またはその家族の秘密を漏らさないこと。

(2) 設置者は、職員であった者が、正当な理由がなく、その業務上知り得た入所者またはその家族の秘密を漏らすことがないよう、必要な措置を講ずること。

16 事故発生時の対応

(1) 設置者は、事故の発生またはその再発を防止するため、次に掲げる措置を講ずること。

ア 事故が発生した場合の対応、イに規定する報告の方法等が記載された指針を整備すること。

イ 事故が発生した場合またはそれに至るおそれがある事態が生じた場合に、これらの事実が報告され、その分析を通じた改善策を職員に周知する体制を整備すること。

ウ 事故の発生の防止に関する委員会を定期的に開催すること。この場合において、当該委員会の開催は、テレビ電話装置等を用いて行うことができる。

エ 職員に対する研修を定期的に行うこと。

オ アからエまでに掲げる措置を適切に実施するための担当者を置くこと。

(2) 設置者は、入所者の処遇により事故が発生した場合は、速やかに、当該入所者の家族および市町村(特別区を含む。以下同じ。)に連絡するとともに、必要な措置を講ずること。

(3) 設置者は、前号の事故の状況および当該事故に際して講じた措置を記録すること。

(4) 設置者は、入所者の処遇により事故が発生し、賠償すべき損害が生じたときは、速やかにその損害を賠償すること。

17 苦情への対応

(1) 設置者は、その行った処遇に関する入所者またはその家族からの苦情に迅速かつ適切に対応するために、苦情を受け付けるための窓口を設置する等の必要な措置を講ずること。

(2) 設置者は、前号の苦情を受け付けたときは、当該苦情の内容等を記録すること。

(3) 設置者は、その行った処遇に関し、市町村から指導または助言を受けた場合は、当該指導または助言に従って必要な改善を行うこと。

(4) 設置者は、市町村から求めがあったときは、前号の改善の内容を市町村に報告すること。

(5) 設置者は、社会福祉法第83条に規定する運営適正化委員会が同法第85条第1項の規定により行う調査にできる限り協力すること。

18 連携等

(1) 設置者は、市町村、老人の福祉を増進することを目的とする事業を行う者その他の保健医療サービスまたは福祉サービスを提供する者との連携に努めること。

(2) 設置者は、その行った処遇に関する入所者からの苦情に関して市町村が派遣する者が相談および援助を行う事業その他の市町村が実施する事業に協力するよう努めること。

(3) 設置者は、入所者の病状の急変等に備えるため、あらかじめ、次のアからウまでに掲げる要件を満たす協力医療機関(複数の医療機関によりこれらの要件を満たすこととなるものを含む。以下この項において同じ。)を定めること。

ア 入所者の病状が急変した場合等において医師または看護職員が相談に応じる体制を、常時確保していること。

イ 当該設置者から診療の求めがあった場合において診療を行う体制を、常時確保していること。

ウ 入所者の病状が急変した場合等において、当該養護老人ホームの医師または協力医療機関その他の医療機関の医師が診療を行い、入院を要すると認められた入所者の入院を原則として受け入れる体制を確保している病院であること。

(4) 設置者は、1年に1回以上、協力医療機関との間で、入所者の病状が急変した場合等の対応を確認するとともに、協力医療機関の名称等を知事に届け出ること。

(5) 設置者は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)第6条第17項に規定する第2種協定指定医療機関(次号において「第2種協定指定医療機関」という。)との間で、新興感染症(同条第7項に規定する新型インフルエンザ等感染症、同条第8項に規定する指定感染症または同条第9項に規定する新感染症をいう。次号において同じ。)の発生時等の対応を取り決めるよう努めること。

(6) 設置者は、協力医療機関が第2種協定指定医療機関である場合においては、当該第2種協定指定医療機関との間で、新興感染症の発生時等の対応について協議すること。

(7) 設置者は、入所者が協力医療機関その他の医療機関に入院した後に、当該入所者の病状が軽快し、退院することができるようになった場合においては、再び当該養護老人ホームに速やかに入所させることができるよう努めること。

(8) 設置者は、あらかじめ、適当な歯科に係る医療機関との協力体制を整備するよう努めること。

19 設置者およびその職員は、作成、保存その他これらに類するもののうち、この表において書面(書面、書類、文書、謄本、抄本、正本、副本、複本その他文字、図形等人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物をいう。以下この項において同じ。)で行うことが規定され、または想定されているものについては、書面に代えて、当該書面に係る電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)により行うことができる。

滋賀県老人福祉法に基づく養護老人ホームの設備および運営に関する基準を定める条例

平成25年3月29日 条例第15号

(令和6年4月1日施行)

体系情報
第4編 生/第1章 社会福祉/第5節 老人福祉
沿革情報
平成25年3月29日 条例第15号
平成27年3月23日 条例第39号
平成27年5月19日 条例第45号
平成28年3月18日 条例第10号
平成30年3月29日 条例第23号
平成30年10月19日 条例第39号
令和3年3月19日 条例第3号
令和6年3月19日 条例第2号