ここから本文です。

更新日:2022年4月25日

2011年度

2011年度開催の研究発表・公開講座

2011年度に開催した研究発表・公開講座の詳細

第42回滋賀県立成人病センター研究所セミナー

  • 日時
    2012年3月16日(火曜日)17時15分~18時15分
  • 場所
    滋賀県立成人病センター研究所会議室
  • 演題
    乳癌幹細胞についての最近の知見と創薬標的同定の試み
  • 演者
    吉川清次 特定准教授 (京都大学大学院医学研究科 メディカルイノベーションセンター 悪性制御研究ラボ (DSKプロジェクト))
  • 要旨
    乳癌の治療においては、ホルモン療法剤・HER2に対する抗体薬が登場し、それまで予後不良であったホルモン受容体陽性乳癌・HER2陽性乳癌の治療は格段に進歩した。しかしホルモン受容体・HER2陰性のいわゆるtriple negative乳癌は、分子標的が未だ同定されておらず、臨床上の問題となっている。一方乳癌においては、CD44hi CD24lo/-細胞集団がより効率よくマウスへの移植で腫瘍を形成することから幹細胞マーカーとして用いられてきた。
    遺伝子発現解析によるluminal・basalサブタイプの分類、ヒト乳癌細胞におけるCD44hiCD24lo/-細胞の解析より、従来乳癌幹細胞と言われてきた分画は、TN乳癌の中でも、上皮マーカーの発現が失われ、間葉系遺伝子の発現が亢進したepithelial-mesenchymal transition (EMT)を起こした細胞であることが判ってきた。昨今の乳癌幹細胞に関する知見に合わせて、乳癌幹細胞特性であるEMT 誘導因子を同定するために確立した新規スクリニーング系を講演ではご紹介します。
  • 世話人
    木下 和生

第41回滋賀県立成人病センター研究所セミナー

  • 日時
    2012年2月14日(火曜日) 17時~18時
  • 場所
    滋賀県立成人病センター研究所 1階講堂
  • 演題
    血管脳関門障害血管における血管障害の分子メカニズム解明から血管性認知症の治療へ
  • 演者
    上野 正樹 准教授(香川大学医学部・病理病態生体防御医学講座・炎症病理学)
  • 要旨
    血管性認知症の増悪に血液脳関門 (BBB) 障害が重要な役割を担っていることが近年指摘されている。 我々は、血管性認知症のモデル動物としても報告されており海馬の BBB 障害を示す脳卒中易発症系自 然発症高血圧ラット (SHRSP) を用いて、その BBB 障害部位の分子メカニズムを検討している。その結果、ベータアミロイド蛋白の排出機構と酸化ストレスや血管障害との関係を示唆する所見が得られて おり、アルツハイマー病の血管因子と血管性認知症の関係を探る上で興味深いと考えられる知見や今後 の期待される治療法などを提示する予定である。
  • 世話人
    真鍋 俊明

滋賀県臨床検査技師会、血液形態部門・染色体検査分野研修会において、講演「染色体・遺伝子の異常による発がん PART-II」を行いました。

当日使われたスライドの動画ファイル.zip(ZIP:1,553KB)

  • 日時
    平成23年10月7日(金曜日)19時00分~20時30分
  • 場所
    草津市まちづくりセンター 306号室
  • 講師
    木下 和生 研究員
  • 参加費
    会員無料・非会員3,000円
  • 主催
    社団法人 滋賀県臨床検査技師会
  • 要旨
    昨年は、がんで見られる染色体・遺伝子の異常を解説し、それらをネットワーク経路の観点から理解する事が抗がん剤の開発に役立っているという事をお話ししました。それに引き続く今回はがんが「進化」する病気であるという観点から、がん組織に含まれるさまざまな種類の細胞の間で交わされるコミュニケーションががんの進化に重要であり、このコミュニケーションを断ち切る事ががんの治療を考える上で重要である事を解説しました。
    コンピュータシミュレーションをもちいて進化においては協調関係を築く傾向を持つ戦略が優位に立つ傾向がある事を示し、がんにおいても細胞同士の協調関係が重要だと考えられる事を議論しました。現在の分子標的薬はまさにこの協調関係の破壊を標的にしています。
    また講演会の数日前に開かれた日本癌学会の発表から興味深いトピックの紹介を行ないました。肺癌の原因となる染色体組換えによる融合遺伝子 EML4-ALK 、ファーマコゲノミクスについて解説しました。EML4-ALKは4年前に東京大学の間野教授により発見された融合遺伝子ですが、この働きを抑える薬が既にアメリカで認可され、まもなく日本でも使用されることになるでしょう。ファーマコゲノミクスは遺伝子情報に基づいて、抗がん剤を含むいろいろな薬の副作用を予知したり、個人に合った適切な投与量の予測に役立つ新しい医学分野で、個別化医療を推進するものです。
  • 動画について
    ※このファイルはMOV形式(QuickTime Motion JPEG)です。 QuickTimeがインストール済みでない場合は、アップル社のウェブサイトにてご対応ください。