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更新日:2020年12月23日
山内副所長が第39回日本認知症学会学術集会でシンポジストとして発表し ました。
- 発表日
2020年11月27日 - 学会名
第39回日本認知症学会学術集会 - 開催地
名古屋国際会議場 - 演題
脳循環障害の早期発見と認知症予防 - 演者
山内浩 - 要旨
脳検診で、脳動脈硬化病変を軽症段階で発見し、適切な管理により進行をくいとめ、脳循環障害の発生を予防することは、認知症予防に重要である。脳主幹動脈に狭窄を認めても軽度なら狭窄部より遠位の脳循環障害は生じない。
しかし、高度狭窄または閉塞病変を認めた場合、脳循環障害の程度を評価し、その重症度に基づいて対応する必要がある。PETを用いると,脳血流量だけでなく、血液量、酸素摂取率、酸素代謝率を測定でき、脳循環障害の重症度を正確に評価できる
脳灌流圧が低下すると、まず血管拡張が起こり、脳血流量/血液量比が低下する(灌流障害)。続いて、血流量が低下し酸素摂取率が増加する(貧困灌流)。機能低下や梗塞に至る前の貧困灌流を無症候性脳虚血と呼ぶ。
無症候性アテローム硬化性脳主幹動脈病変でも、低頻度ながら灌流障害や貧困灌流を呈する。灌流障害や貧困灌流は、脳虚血イベント発生のリスクを増加させ、さらに明らかな脳虚血発作なしに、大脳皮質神経細胞障害を引き起こす。
無症候性基底核ラクナ梗塞等の存在に反映される小血管病(細動脈硬化)を合併すると、虚血性白質障害のリスクも高まる。大脳皮質神経細胞障害や虚血性白質障害は、程度や場所に応じて、認知機能を低下させる。
従って、脳循環障害例では、動脈硬化病変進行に伴う脳循環障害の悪化を防ぐため、厳格な内科治療が必要である。貧困灌流例では、高度の脳循環障害を改善する目的で、外科的治療の適応もあるかもしれない。
高血圧は動脈硬化の重要な危険因子であるが、灌流障害や貧困灌流を呈する例の血圧管理においては、過度の降圧は脳循環を悪化させ、脳虚血イベントや神経細胞障害の発生につながるため、厳格な降圧目標の設定には注意が必要である。
一方、貧困灌流は、脳アミロイド蓄積増加に寄与し、元来アルツハイマー病のリスクを有している場合、相加的に作用し、アルツハイマー病脳病変発生を加速する可能性がある。