国会議員の選挙については、満18歳以上の日本国民であれば選挙権を持てます。地方選挙については、さらに引き続き3か月以上その市区町村内に住んでいることが必要となります。なお、満18歳以上の日本国民であっても、選挙に関する犯罪などにより選挙権や被選挙権が停止されている場合があります。
選挙権年齢は、平成28年6月19日に満20歳以上から満18歳以上に引き下げられました。満18歳から投票の機会が得られることで、より一層若い皆さんの意見を政治に反映するとともに、政治や選挙に対する関心や政治参加への意識が高まることを期待しています。
選挙期日(投票日)までに満18歳以上であることが必要です。18年目の誕生日の前日の午前0時から満18歳とされます。例えば、平成10年7月11日生まれの人は、平成28年7月10日に満18歳とされます。
選挙権のある人でも、市区町村の選挙人名簿に登録されていなければ投票することはできません。この選挙人名簿の登録は、3月、6月、9月および12月の年4回、それぞれ2日に行われ、各月の1日現在で引き続き3か月以上その市区町村の住民基本台帳に記録されている満18歳以上の日本国民が登録されます。その他に、選挙の公示日(告示日)前日も同様の要件で登録されます。
選挙管理委員会に届出は必要ありません。選挙で投票する場所は、原則として住民票のある市区町村ですので、引っ越しの際は、住民票の届出をしてください。
選挙で投票するためには、選挙人名簿に登録されていなければなりません。引っ越しをした場合は、転入届をした後3ヶ月以上住み続けることで転入先の市区町村の選挙人名簿に登録され、投票することができるようになります。それまでの間は、選挙の種類によって投票することができる場合が異なります。
国政選挙の場合(衆議院および参議院議員選挙)
転出先が国内である限り、新住所地の市区町村の選挙人名簿に登録されるまでの間、原則として旧住所地の市区町村で投票することができます。
都道府県選挙の場合(都道府県議会議員および知事選挙)
転居先が同一の都道府県内の場合は、新住所地の市区町村の選挙人名簿に登録されるまで、原則として転居が一回であることがわかる市区町村長の発行する証明書を提出し、旧住所地の市区町村で投票することができます。なお、異なる都道府県へ転出した場合は、投票することができません。
市区町村選挙の場合(市区町村議会議員および首長選挙)
転居先が同一の市区町村内の場合は、引き続き選挙人名簿に登録されているので投票することができます。なお、異なる市区町村へ転出した場合は、投票することができません。
以上のとおり、選挙の種類や転出・転入後の期間等によって投票することができる場合が異なりますので、詳しくはお住まいの市区町村の選挙管理委員会にお問い合わせください。
どの候補に投票するかを誰かに相談することは、特に禁止されていません。投票は、自らの自由な意思により行うものですので、自分でよく考え、自らの判断で投票する候補者を決めて投票することが重要です。
インターネットで投票することはできません。
投票所入場券は、選挙人に対して選挙があることをお知らせするとともに、投票所で選挙人名簿による本人確認をスムーズに行うためのものです。入場券が届いていない場合やなくしてしまったときでも、本人と確認することができれば投票することができますので、投票所で受付の係員に申し出てください。
投票は、本人が投票所に直接出向いて行わなければなりません。家族の方が本人の代わりに投票することはできません。
自分で投票用紙に文字を記入できない方は、本人から投票所の係員にお申し出いただければ、投票所の係員が選挙人の投票を補助する(代筆する)代理投票により投票をすることができます。なお、代理投票は、期日前投票や不在者投票(ただし、郵便等による不在者投票については要件が異なります。※代理記載制度)でも行うことができます。
投票は、選挙人が自分で投票用紙に記載する方式が原則ですが、投票用紙に字を書くことができない選挙人についても選挙権の行使を保障するため、例外として代理投票や点字投票が認められています。目の不自由な選挙人で、通常の文字が書けない方には点字による投票が認められています。視覚障害者である選挙人は、点字によって投票を行う旨を投票管理者に申し立てます。投票管理者は、点字投票である旨を表示した投票用紙を申立人に交付します。点字器は投票所に用意してありますので、視覚障害者である選挙人は、交付を受けた投票用紙に、点字で記載し投票することができます。なお、点字投票は、期日前投票や不在者投票(ただし、郵便等による不在者投票は除きます。)でも行うことができます。
原則として、選挙人でなければ投票所に入ることができませんが、体の不自由な選挙人を常時介護している方は、投票管理者が認めた場合は、選挙人と同伴して投票所に入場することができます。なお、盲導犬、介助犬および聴導犬は、投票所に入場することができます。
選挙によって投票の方法が異なります。特に間違えやすいのが、衆議院と参議院の比例代表選挙の違いです。
衆議院議員選挙
参議院議員選挙
地方公共団体の長と議会の議員の選挙
最高裁判所裁判官国民審査
投票用紙に氏名が記載されている各裁判官について、辞めさせたい場合はその裁判官の記載欄に「×」を記載し、辞めさせたくない場合は何も記載しない。
非拘束名簿式は、政党の名簿では当選順位は決められておらず、有権者が候補者名または政党名のいずれかを記載して投票する方式です。そのため、有権者は当選させたい候補者を選んで投票することができます。政党の総得票数は、個人の得票と政党の得票を合算したものとなります。政党の総得票数に基づいて各政党等の当選人が決まり、得票数の最も多い候補者から順次当選人が決まります。
投票日当日の投票は原則として、7時から20 時まで可能ですが、理由があって、投票日に投票に行くことができない場合は、期日前投票という制度があります。期日前投票は、公示日または告示日の翌日から投票日の前日までの間、期日前投票所において原則、午前8時30 分から午後8 時までの間、投票することが可能です。なお、期日前投票所に行った際にその時点では満18 歳に達していない場合は、期日前投票ではなく、不在者投票をすることになります。この不在者投票では、投票した人が満18 歳になり、選挙権を有することになった投票日に正式に受理されて、一票として活きることになります。投票の仕方については、市区町村の選挙管理委員会に確認してください。
投票日に仕事や旅行、その他の用事の予定がある人は、選挙の公示日・告示日の翌日から選挙期日(投票日)の前日までの午前8時30分から午後8時まで、住民票のある市役所、区役所、町村役場などに設置される期日前投票所で期日前投票をすることができます。なお、期日前投票所によっては、期日前投票をすることができる日時を限定している場合があります。あらかじめ市区町村選挙管理委員会に日時・場所をお問い合わせのうえ、お出かけください。
入院している病院が、都道府県選挙管理委員会が不在者投票施設として指定されている場合は、不在者投票をすることができます。ただし、不在者投票の期間は、選挙の公示日または告示日の翌日から投票日の前日までです。
衆議院議員と参議院議員の選挙の場合は、「在外投票」という制度があり、「在外選挙人証」の交付を受けた方は、外国にいても投票をすることができます。在外投票について詳しくは、外務省のホームページ(外部サイトへリンク)をご覧ください。
在外投票制度を利用するには、在外選挙人名簿に登録され、在外選挙人証の交付を受けなければなりません。
登録申請については外務省のホームページ(外部サイトへリンク)をご覧ください。
一例として、次のような投票は、無効になります。
候補者は、公職選挙法で認められた方法で選挙運動を行います。ポスター等の印刷物や演説会等の言論などによって行われますが、その方法の主なものは次のとおりです。
ただし、選挙の種類により、その方法、あるいは数量や規格などが異なるものがあります。
満18歳になれば選挙運動が可能です。満18歳未満は一切の選挙運動ができません。
公示日または告示日に立候補の届出が受理された時から選挙期日(投票日)の前日まで選挙運動ができます。それ以外の期間、たとえば、立候補届出前にする選挙運動は事前選挙運動として禁止されています。
電子メールを利用しての選挙運動は満18歳以上の有権者も含め、候補者や政党等以外の全ての人ができません。また、ツイッターやフェイスブック等に誹謗中傷など、他人の名誉を傷つける書き込みをすることは処罰の対象となるため注意が必要です。
有権者は、ウェブサイト等(ホームページ、ブログ、ツイッターやフェイスブック等のSNS、動画共有サービス、動画中継サイト等)を利用した選挙運動ができます。ただし、電子メール(SMTP方式および電話番号方式)を利用した選挙運動は禁止されています。電子メールを使って選挙運動用の文書図画を頒布できるのは、候補者・政党等に限ります。有権者は候補者・政党等から送られてきた選挙運動用電子メールを転送により頒布することもできません。
選挙運動用のホームページや、候補者・政党等から届いた選挙運動用の電子メール等、選挙運動用の文書図画をプリントアウトして頒布することは禁止されています。また、選挙運動用の文書図画を多数の者に回覧させることも頒布とみなされ、禁止されています。
電話による投票依頼は、選挙運動期間中、自由に行うことができます。ただし、投票日当日は選挙運動が禁止されていますので、投票依頼の電話をすることはできません。
例えば、次のような選挙運動は禁止されています。
買収
選挙犯罪のうち、最も悪質なものであり、法律で厳しい罰則が定められています。候補者はもちろん、選挙運動の責任者などが処罰された場合は当選が無効になることもあります。
戸別訪問
誰であっても、特定の候補者に投票してもらうことを目的に、住居や会社、商店などを戸別に訪問することは禁止されています。また、特定の候補者名や政党名あるいは演説会の開催について言い歩くこともできません。
あいさつを目的とする有料広告
候補者や後援団体(特定の候補者を推薦し支持する団体)は、選挙区内にある者に対し、時候、慶弔や激励などのあいさつを目的とする広告を有料で新聞、雑誌に掲載したり、テレビやラジオで放送したりすることは禁止されています。
飲食物の提供
誰であっても、選挙運動に関して飲食物を提供することは禁止されています。 ただし、お茶やこれに伴い通常用いられる程度のお茶菓子や果物は除かれています。 また、選挙事務所で選挙運動員に渡す一定の数の弁当は提供することができます。
署名運動
誰であっても、選挙に関し、特定の候補者に投票をするように、あるいは投票しないようにすることを目的として選挙人に対し署名を集めることは禁止されています。
気勢を張る行為
誰であっても、選挙運動のため人目を引こうと自動車を連ねたり隊列を組んで往来することなどによって気勢を張る行為はできません。
連座制の対象となるような重大な選挙違反等(買収等の選挙犯罪)を犯した事件については、家庭裁判所がその罪質が選挙の公正の確保に重大な支障を及ぼすと認める場合には、原則として検察官へ送致(逆送)され、成人(満20歳以上)と同様に、刑事手続きにより処罰されることになります(少年法は適用されません)。
連座制とは、候補者や立候補を予定している人と一定の関係にある人が、買収等にかかわった場合には、たとえ候補者や立候補を予定している人が買収等にかかわっていなくても、候補者の当選が無効となったり、その選挙については同一の選挙区から5年間立候補できなくなる制度です。
政治家(現職の政治家や候補者、これから立候補しようとしている人をいいます。)は、選挙区内の人や団体に対して寄附をすること(政治団体や親族に対するものおよび政治教育集会などに関する必要やむを得ない実費の補償(食事の提供を除く)を除きます。)は、罰則をもって禁止されています。また、第三者が政治家を名義人として、選挙区内の人たちに寄附をすることも罰則をもって禁止されています。さらに、政治家の後援団体が選挙区内の人などに行う寄附も、同様に罰則をもって禁止されています。選挙人が候補者等に対し、寄附を求めることも禁止されています。
罰則をもって禁止される政治家の寄附の例
個人がする政治家個人への政治活動に関する寄附は、金銭によるものが原則として禁止されていますので、年間150万円以内の物品等に限られています。ただし、政治家の資金管理団体や後援団体などの政治団体に対する寄附は、年間1団体につき150万円まで寄附することができます。また、政治家個人に対する寄附でも、例外として選挙運動に関するもの(陣中見舞いなど)に限り、年間150万円以内で金銭による寄附をすることができます。なお、会社、労働組合やその他の団体などが政治家個人や後援会に対して寄附することは一切禁止されています。