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労働委員会とは

勤労者の団結権、団体交渉権および団体行動権は憲法第28条によって保障されていますが、この精神を具体化したものが労働組合法(昭和24年法律174号)です。

この法律によって労働委員会という行政機関が設けられました。労使の間に起こった紛争は、当事者の間で自主的に話し合って納得したうえで解決するのが一番望ましいことは言うまでもありませんが、労使の関係は互いに相反する利害関係にあるうえに、いつも対等の立場で話し合うということは困難でなかなか理想どおりにはいきません。

このような場合、公平な第三者の意見を聞くことによって、紛争の解決を早め、しかもその後における労使関係に悪いしこりを残さないでより良い結果を生むための機関が必要となります。

また、使用者の行為が労働組合法第7条で禁止されている不当労働行為にあたるかどうかを公正に判断し、不当労働行為の事実があれば、労働者を保護し救済できる機関も必要です。こうした必要性のためにできたのが労働委員会という制度です。

労働委員会には都道府県労働委員会と中央労働委員会があります。都道府県労働委員会は、各都道府県に設けられ、あっせん、調停、仲裁といった調整事件や、不当労働行為の審査事件等、その都道府県内に起こった事件を取り扱います。

中央労働委員会は、2都道府県以上にわたる事件、全国的に重要な事件、さらに都道府県労働委員会の行った不当労働行為の判定と労働組合資格審査の決定について再審査を行うとともに、それらの事務手続を統一するために労働委員会規則の制定も行います。