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支援者インタビュー:瀬田商工会 経営支援課 主査 加藤全功さん

プロフィール:

滋賀県大津市出身、在住。関東にある企業調査会社を退職後、Uターンして地元滋賀県へ。2010年に滋賀県商工会連合会に入所し、瀬田商工会の配属となる。労働保険事務組合の運営や青年部等、部会の担当を経て、現在は主に創業者や事業者の経営支援に携わる。

「なんとかなる!心からそう思えるほどの準備が大切です」

もともと人の話を聞くのが好きだったという加藤さん。関東で調査・営業の仕事を経験し、地元ならもっと親しみを持って人と話せるかも、と思ったのがUターンのきっかけでした。その後は瀬田商工会に入所し、地元で活躍する経営者をサポートし続けて早十年。これまでに経験したさまざまなエピソードをもとに、起業者たちの成功のコツを話してくれました。

___お仕事の内容を教えてください。

会員さんからの経理や記帳に関する相談から、これから起業される方の融資相談まで、経営支援全般を担当しています。以前は起業といえば、若い方が新しいお店を持ちたいと相談に来られることが多い印象でしたが、いまは本当にさまざま。定年退職後に事業を始める人もいれば、会社で働きながら商工会のセミナーに通って、事業計画を練っている人もいます。時代の変化とともに働き方の選択肢が増えてきたのかなと感じています。

商工会は事業者さんの素朴な疑問や悩みにお答えする団体です。事業関係はもちろん、起業についても、わからないことがあれば気軽に頼っていただけるとうれしいです。

 

___サポートするうえで大切にしていることは?

流行に合わせてお店や事業を始めるのもいいですが、他との差別化については必ずお伝えするようにしています。例えば、見込み顧客が1,000人いる分野を狙っても、同業者が100件あったら集客に苦労することになります。それならば、お客さんが10人しかいない分野で、それを独り占めする方が得策です。

印象に残っている起業者に、タイ古式マッサージのお店を始めた方がおられます。貸テナントの内装工事だけに約2,000万円を投じる計画で、正直最初に聞いたときは、内装だけにそこまで投資をする必要があるのかと思いました。けれど、「タイの世界観を表現したい」「非日常を演出するためにこだわりたい」などじっくりお話を聞いていくうちに印象が変わっていきました。その結果、見事他店との差別化に成功し、今も繁盛されています。

___起業を目指す人へメッセージをお願いします。

成功される方ほど、起業前の準備に力を入れておられます。その辺りのマメさが、起業後も順調に発展していけるコツではないでしょうか。起業したいと思われる方は、みなさん何らかのこだわりを持っているはずです。そのこだわりをいかに経営に活かせるかは、やはり準備次第だと思います。

〇あなたを支える言葉

見た目が楽観的で成功している人ほど、意外と悲観的な状況のときどうすべきかを十分に考えています。「なんとかなる!」と自信を持って楽観的に臨めるくらい、何事においてもしっかりと準備を整えておくのが良いのではないでしょうか。

【施設情報】

  • 名称:瀬田商工会