プロフィール:
兵庫県加古川市生まれ、9歳から滋賀県大津市に住む。大津市役所に入庁し、道路建設、広報、観光振興などの部署を経て、現在は「都市魅力づくり推進課」に勤務。大津中心市街地エリアの空き家、空き店舗の活用を担当する傍ら、自らもまちの人と関わり、当事者としてまちの日常づくりを進めることをライフワークとしている。
現役の大津市職員という、シェアオフィスのマネージャーとしては異色のキャリアを持つ藤原さん。仕事としてまちづくりに関わっても、3、4年で部署異動になってしまうことをもどかしく感じていたといいます。「それならば、プライベートの活動のなかで関わればずっと地域のことが続けられる」と考え、シェアキッチンやシェアオフィスが集まる複合施設「TERAMACHI BASE(テラマチベース)」をオープンしました。
___お仕事の内容を教えてください。
テラマチベースはシェアオフィス、シェア工房、シェアキッチンがある複合施設で、古い町家を改装して作りました。オフィスは4区画、工房は2区画あって、現在はWEB制作会社やデザイナー、木桶づくりの職人さんなど多彩なメンバーが入居しています。僕の役割は、利用希望者の対応やスケジュール調整など、施設全体のマネージメントです。
お店を始めるとき、ハードルのひとつになるのが固定費だと思います。その固定費をみんなでシェアすることで、一歩踏み出すハードルが下がればと思い、この場所を始めました。これまでにも、ふらっとコーヒーを買いに来た人が、興味を持って利用に至ったことがあります。ここはゴールじゃなくスタートの場所。入居者の方には、ここをスタートに巣立っていってもらえればと思っています。
___サポートするうえで大切にしていることは?
テラマチベースのコンセプトは、“自分のやりたいことを表現できる場所”。シェアオフィス、シェア工房は必要最低限の改修しかしていないので、入居者さん自身で使いやすいようにアレンジしてもらえます。内装をデザインしたり、壁に絵を描いたり、自分自身を自由に表現してもらえればと思います。
入居者さんには「みんなでこの施設を育ててください」とお伝えしていて、施設の自治もお任せしています。日々の掃除当番を決めたり、地域のお祭りに合わせてみんなで出店の計画をしたり。僕の知らないところで交流が生まれて、いろんな企画が進んでいるのもうれしいです。いろんな人が肩肘張らず、いい距離感でコミュニケーションを取れるのがこの場所の特徴です。
___起業を目指す人へメッセージをお願いします。
まず、小さくから始めてみてください。「夢は大きく!」はもちろんですが、小さくからでも始めて動き続けていれば仲間もできるし、周りの環境も変わってきます。僕自身は起業する立場にはありませんが、サポートする側として「悩んでるならやってみよう!」とお伝えしたいです。
比叡山延暦寺を建てた最澄の言葉です。簡単に言うと「自分の立場や環境で精一杯やれることをやる」という意味。何をするにも、行動して考えて、また行動して、と繰り返していくのは自分自身。自分の立場で精一杯できることを考えてアクションを起こすようにしています。