プロフィール:
近江八幡市出身、在住。滋賀県職員として16年間勤務した後、2015年に起業。近江八幡市内の酒蔵や町家を改装し、宿泊施設やコワーキングスペース、テナントに活用する事業を営む。また事業の傍ら、歴史的な街並みが残る「あきんど道商店街振興組合」の副理事長、近江八幡市観光物産協会の理事を務めるなど、地域活動も積極的に行っている。
近江八幡の風情ある町並みに佇む「co-ba(コーバ)」は、300年続いた酒蔵の建物を活用したコワーキングスペースです。オーナーの宮村さんは、元県職員。福祉関連の部署でボランティアやNPOで活動している人たちと出会い、「自分も現場で動くプレイヤーにならないと!」と思ったのをきっかけに、人が集まり、新しいコトが生まれる場所づくりを目指してコワーキングスペースを始めました。
___お仕事の内容を教えてください。
地元商店街に新しい人の流れを作りたいという思いで起業しました。人が流れて来ないと、高齢者が孤立したり、町が衰退したりと様々な社会問題が起こります。じゃあ、ここで何をやるのかと考えたとき、人を呼ぶには新しい世代による地域経済の活性化が必要だと。そのためには、起業や事業の継続につながるコミュニティを形成するのが良いのではと思い、コワーキングスペースを始めました。
利用者の中には、会社勤めをしながらここで勉強をして起業された方もいますし、この場所を会社の住所として登記している方もいます。会員になれば、24時間365日、自由に使ってもらえるのが特徴です。今も会員さんから意見をいただきながら少しずつ改善を重ねて、より仕事がしやすい場づくりを目指しています。
___サポートするうえで大切にしていることは?
会員さんからの提案で生まれた「木曜会」という交流会を月1回開催しています。コワーキングスペースって、同じ場所で仕事をしていてもお互いに気を遣ってなかなか話しかけられなかったりするんですよね。せっかくここに集っている人同士なんだから、刺激を受けあったり、協業のきっかけができたりすればと思い開催しています。参加は自由で、「最近どう?」と気軽に雑談し合うこともあれば、各自のビジネスプランについて意見交換をすることもあります。
僕自身も起業を経験しているので、利用者のみなさんと同じ目線で話ができると思います。効果的だったPR方法を伝えたり、会員さんのやっている事業を関心がありそうな人に紹介したり、お手伝いできることを探して実行しています。
___起業を目指す人へメッセージをお願いします。
自分のビジネスの登場人物を、具体的にあの人、この人と思い浮かべられることが大事だと思います。そして、まず小さく実行してみて微調整していく。このコワーキングスペースを始めるときも、具体的に誰に向けてやるのかを思い浮かべて準備をし、少しずつ微調整しながらやってきました。特に新規で起業する場合は、可能な限り具体的に考えておくと、いろんな決断がしやすいと思います。
持って生まれた才能や運、外部環境などの条件は人それぞれに違いますが、正しい知識を学んで、そして行動に移す、ということは誰にでもできます。思い切ってアクションを起こしてみれば、そこから波が起こって前に進んでいけるんだと思っています。