県内の小学生などをびわ湖ホールに招き、プロの舞台芸術に直接触れてもらい豊かな心や感受性をはぐくむ体験学習「ホールの子」事業が、5月27日から6月5日にかけて8日間16公演開催されている。
滋賀県の全小学5年生が琵琶湖の環境を学ぶ「うみのこ」や、森林について体験学習する「やまのこ」などにちなんで「ホールの子」と呼ばれる本事業。
県とびわ湖芸術文化財団の主催で、平成23年度から開始。滋賀県内の国・公立小学校、義務教育学校(前期課程)、特別支援学校(小学部、中学部、高等部)、各種学校(一般教養)、外国人学校、教育支援センター、青少年立ち直り支援センター「あすくる」に通う児童を対象として、世界的にも最高水準の音響空間と設備を有する県立芸術劇場びわ湖ホールで開催している。
名曲ぞろいの1時間プログラムでは、舞台上の巨大スクリーンには演奏者の姿を大きく投影したり、司会者が話す言葉も字幕として映し出され、初めて舞台芸術に触れる子どもや特別支援が必要な児童生徒でも楽しみやすい内容となっている。
なお、びわ湖ホールは大規模改修のため7月から休館し、来年は事業も休止するため、今年度は例年より公演数を増やし、招待数も過去最多の1万7千人超となった。
レポーター(広報課職員)が鑑賞させてもらったのは、5月29日午後の部。この日は大津市や栗東市の小学校などから1165人が参加した。
びわ湖ホール芸術監督・阪哲朗氏の指揮、京都市交響楽団の演奏による「名探偵コナン」メインテーマ曲で幕を開けると、まずはオーケストラで使われる楽器の種類や名前、音色を1つずつ紹介。
管楽器チューバの紹介演奏では、童謡「ぞうさん」の1節に加えて、ゾウの鳴き声をまねた大迫力の音色も披露し、子どもたちの驚きと笑いを誘った。
2曲目は、曲のリズムや早さがどんどん変わっていくのが特徴の、ブラームス「ハンガリー舞曲 第5番」。指揮者がオーケストラに対しどのように合図を出して、個性豊かな楽器たちをを操り、まとめているのかを意識させた。
続いては、久石譲作曲「魔女の宅急便」より「海の見える街」。
そして4曲目のワーグナー「ワルキューレの騎行」では、神話に登場する女戦士・ワルキューレが、空を駆ける馬に乗って、戦場で亡くなった兵士たちの魂を運ぶようすを壮大な音楽で表現した。
(あくまでレポーターの感想ですが・・・)
これまでの4つとも、モチーフ(テーマ)となる印象的なメロディが繰り返し登場する曲。同じメロディであっても、テンポや楽器の組み合わせ、または主役となる楽器、そして伴奏などの違いによって聴こえ方・感じ方が全く異なることを実感させるような選曲となっていたのかもしれません。
続いて5曲目からは、びわ湖ホール声楽アンサンブルも出演。
イタリアの登山電車のコマーシャルのため1880年に作られ大ヒットした「フニクリ・フニクラ」は、1番をイタリア語で、2番は日本で替え歌として親しまれる「鬼のパンツ」の歌詞でユーモラスに歌われ、子どもたちも一緒に振り付けを踊り楽しんだ。
6曲目の「ドレミの歌」、次の「翼をください」は、児童らも大合唱。
子どもの持つ底抜けのパワーが声となってホールいっぱいに響き渡り、傍で見守る大人たちの心を洗った。また「翼をください」では、びわ湖ホール声楽アンサンブルと一緒に手話にも挑戦した。
プログラム最後の8曲目は、名作SF映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のテーマ曲。劇中のドク(博士)の名言「君の未来はまだ決まってない」「未来は自分で切り開くものなんだよ」と同じ想いをのせて、迫力満点に演奏された。
おわりに、子どもたちによる大きな「アンコール」を受けて披露した「ラデツキー行進曲」では、みんなで元気に手拍子しながら別れを惜しんだ。
出演者等
プログラム(公演時間:約60分)