滋賀県では、県内で受け継がれてきた伝統的工芸品の振興を図るため、一定の要件を満たす工芸品を「滋賀県伝統的工芸品」として指定している。
このたび、滋賀県は新たに3件を滋賀県伝統的工芸品に指定し、令和8年4月30日に県公館において指定書授与式が行われた。
滋賀県伝統的工芸品は、県内において製造される工芸品のうち、「製造工程の主要部分が手工業的であるもの」、「伝統的な技術または技法により製造されるもの」などの要件に該当するものについて、知事が指定するものである。
今回新たに指定されたのは、「木籠(製造者:太々野㓛さん・荒井恵梨子さん)」および「錺金具(製造者:小林錺金具工房/合同会社早野錺」の計3件。
木籠は、長浜市北部の奥丹生谷にあった小原村で代々作り方が受け継がれ、約800年前にはじまったと言われている。木を原料とし、年輪に沿って薄く剥いで整えたヒゴを用いて編む籠は全国的にも珍しく、現存する地域は全国でも数か所のみである。
現在では太々野さんが小原村出身で唯一の作り手であり、荒井さんは平成30年より太々野さんに師事している。
また、錺金具は、小林錺金具工房が明治37年から、また合同会社早野錺が昭和21年から、仏壇の作製技術を活かして作っている。へりとり、毛彫り、地彫り、魚々子などの技術は、仏壇の錺金具だけでなく、社寺建築の装飾や、神輿の装飾、金属工芸品などに活かされているという。
今回の指定により、県内の伝統的工芸品は計39品目・45件となり、湖国の多様なものづくり文化が改めて示された。
授与式では、対象者に対し知事から指定書が手渡された後、歓談や記念撮影が行われた。
三日月知事は、「どれも滋賀県が誇る伝統的工芸品。こういうものは、人が技で作ったり編んだり、残して継いでいくもの。いろんな御苦労はあると思うが、良さを伝えて、みなさんの技術を残していけるようにしたい」と述べ、長年にわたり受け継がれてきた技術への敬意とともに、今後の更なる発展への期待を示した。