1998年9月に開館した滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールは今秋、25周年を迎えます。びわ湖を望む絶景に位置し、世界に誇る音響・舞台機構を備えています。全国唯一、劇場専属のプロの声楽家集団「びわ湖ホール声楽アンサンブル」を擁し、多くの活動を通じて文化芸術の魅力を県内外に伝えてきました。
4月に芸術監督に就任した阪哲朗は、20年以上ドイツなどで歌劇場の要職を務め、現在は滋賀県を拠点に活躍しています。びわ湖ホールが「創造する劇場」をキャッチフレーズに25年の歴史で培った劇場の知見と、阪が自らの経験から得た新たな視点を加え、これからも県民の皆さまにいっそう楽しんでいただける多彩で魅力ある事業を発信していきます。
「劇場にはその活動を象徴する“顔”が必要」と、若杉弘さん、沼尻竜典さんという、これまでの芸術監督が、プロデュースオペラと声楽アンサンブルを二枚看板として中心に据え、それに劇場にふさわしい様々なジャンルの公演を加え、年間60公演を超える自主事業を数えるまでになりました。
第3代芸術監督に就任するにあたり、びわ湖ホールがこれまで積み上げてきた成果を継承しつつ滋賀に住む芸術監督として、ドイツやスイスで経験した地域の方々とともにつくり上げる劇場を目指し、「ここに劇場があってよかった」と思っていただける場所にしたいと考えています。
また、「声楽アンサンブル」の育成強化や「オペラセミナー」の受講対象者の拡大など、「世界のスタンダードを見据えた人材育成」などの活動にも力を入れます。
今年度の活動については、ゴールデンウィークに「びわ湖の春 音楽祭2023」を自分の音楽の原点ともいえる「ウィーン」をテーマに開催しました。さらに私が指揮するオペラは、モーツァルト『フィガロの結婚』、ヨハン・シュトラウス2世『こうもり』、リヒャルト・シュトラウス『ばらの騎士』の3本。いずれもウィーンに関連する作品です。
オペラ出演や、年に2回程度の定期公演のほか、教育委員会の協力による「学校巡回公演」、学校の授業にメンバーとピアニストが参加し、ミニコンサートや合唱指導を行う「ふれあい音楽教室」、「びわ湖ホール 音楽会へ出かけよう!(ホールの子事業)」への出演など、音楽の普及活動を年間100回以上行っています。
「プロデュースオペラ」は、芸術監督のもと、開館時から毎年、国内外から第一線で活躍するキャスト・スタッフを集め制作し、全国そして世界へ発信し続けてきました。2023年にはワーグナー主要10作品の上演を完遂。これまでに「菊池寛賞」「ENEOS音楽賞」「文化庁芸術祭大賞」など、多数受賞しました。
お問い合せ 公益財団法人びわ湖芸術文化財団 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール(滋賀県大津市打出浜15-1)
TEL びわ湖ホールチケットセンター 077-523-7136(受付時間:10:00~19:00 火曜休館)