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祝世界農業遺産認定 世界が認めた! 滋賀の農林水産業 (広報誌滋賀プラスワン 令和4年(2022年)9・10月号 vol.199)

Globally Important Agricultural Heritage Systems

森・里・湖に育まれる漁業と農業が織りなす琵琶湖システムが、7月18日、国連食糧農業機関(FAO)の「世界農業遺産」に認定されました!

漁業 伝統的な琵琶湖漁業

琵琶湖のエリ(定置網)と水田

千年以上の歴史を持つエリ漁は、魚の習性を利用し、「つぼ」と呼ばれる部分で漁獲します。必要なサイズ・量だけを漁獲できる持続可能な漁法として、現代に受け継がれています。

林業 水源林の保全

水源林保全活動

水源林の保全には、漁業者や地域住民も参画しています。山に木を植えて育てることが洪水や渇水を防ぐことに役立っているほか、川に上って産卵する湖魚の繁殖環境の保全にもつながっています。

農業 環境に配慮した農業

みずかがみ ほ場

琵琶湖の水質や生態系を守るため、排水を管理し農薬や化学肥料を減らす「環境こだわり農業」やオーガニック農業、琵琶湖から田んぼに遡上して産卵する湖魚を支える「魚のゆりかご水田」などが営まれています。

食文化 伝統的な食文化とお祭り

鮒ずし

「鮒ずし」に代表される湖魚をご飯に漬け込んで発酵させる保存食「なれずし」は、贈り物や祭礼のお供えにも使われてきました。こうした食文化や祭礼は、地域の絆の醸成にもつながっています。

「琵琶湖システム」とは

琵琶湖とそれを取り巻く地域で、伝統的な琵琶湖漁業の代表格である「エリ漁」をはじめ、湖魚が琵琶湖から遡上して産卵・繁殖する「魚のゆりかご水田」、また、琵琶湖の水質や生態系の保全に寄与する日本一の「環境こだわり農業」やオーガニック農業、さらに、湖魚をご飯に漬け込んで作る鮒ずしなどの食文化、水源を涵養する「森林保全活動」など、持続可能性の維持・向上につながる営みのことです。こうした森、川、水田、湖のつながりは、1,000年以上に渡って受け継がれてきたものです。

世界農業遺産「琵琶湖システム」は、農業・漁業者の皆さまをはじめとする地域の皆さまの取り組みが世界的に貴重なものとして認められたものです。皆さん、一緒に地域を盛り上げていきましょう!