滋賀県は、障害者、外国人、高齢者、子どもを含めた県民みんなが、地域で生き生きと暮らし、ともに働く「共生社会」の実現を目指して、農業と文化芸術の分野でも様々な取り組みを行っています。
農業は農作物を生産する場であると同時に、癒やしや安らぎをもたらし地域での人と人との結び付きを強くする力をもっています。県では、誰もがともに働く仲間として活躍できる農業の可能性に着目し、農業と福祉の連携(農福連携)を推進しています。
脱サラして農業を始めて5年経った頃、農園の規模拡大にともなって家族だけでの農作業に限界を感じていました。そんなときに農福連携マッチングを知り、滋賀県社会就労事業振興センターを通して紹介されたのが、近くの福祉事業所に通っていたMさんでした。まず1か月に1週間の農業体験を3か月してもらい、本人の希望も確認して初めての従業員として雇用することを決めました。
初めの3か月ほどは、自分の思いを口にできないMさんとのコミュニケーションに悩み、福祉事業所の方に相談したこともあります。Mさんの個性を理解して、「イエス」「ノー」で答えられる質問にするなど、自分なりに工夫してコミュニケーションがとれるようになりました。
農福連携にはむずかしい面もありますが、Mさんがここを自分の居場所と思ってくれている、そういう空気感のある職場なら、障害のあるなしに関係なく誰もが気持ちよく働けるのではないかと考えています。
Mさんを正式に雇用してから2年、イチゴは8割ほど彼に任せています。田植えのコンバインやトラクターの運転もしてもらっています。黙々と確実に仕事をするMさん、頼りにしています!
一番好きな作業はイチゴ。野菜やイチゴができたとき、仕事のやりがいを感じます。これからも農園での仕事全般がんばりたいです。
滋賀県社会就労事業振興センターでは、農業者と福祉事業所とのマッチングを行っています。
ぜひ、ご相談ください。
特定⾮営利活動法⼈ 滋賀県社会就労事業振興センター
滋賀県草津市大路2丁目11-15 TEL 077-566-8266
農福連携に取り組まれている農家さんの声を動画でご覧いただけます。
県では、「滋賀県文化振興基本方針(第3次)」に基づき、障害の有無や言語の違い、年齢などにかかわらず、誰もが文化芸術に親しめる環境を整え、交流を通じて互いの理解を深める機会となる様々な事業を進めています
今年度、県では、文化芸術による共生社会づくりの機運をより一層盛り上げるため、県内の様々な文化団体、福祉団体などと連携し、誰もが楽しめる文化芸術イベントを県内各地で開催しています。これまで文化芸術イベントや文化施設公演に行きづらさを感じておられた方も、ぜひこの機会にご参加ください!
県立美術館企画展に合わせて、上田假奈代氏、森司氏、保坂健二朗ディレクター(館長)によるこれからの文化芸術×共生社会の展望を滋賀県で考えるトークイベントと、「花鈴人」によるハンドベル演奏を開催。
開催日 2022年2月5日
場所 県立美術館 木のホール
お問合せ 実行委員会事務局 TEL 077-523-7146
障害のある人とない人がともに活動する団体「劇団まちプロ一座」(大津市)の公演と、「たんぽぽの家アートセンターHANA」(奈良市)のメンバーがファシリテーターを務める身体表現ワークショップを開催。
開催日
(1) 2022年1月29日 (2) 2022年2月26日
場所
(1) 草津アミカホール (2) キラリエ草津
お問合せ
(公財)びわ湖芸術文化財団 TEL 077-523-7146
ロシア演劇の名作 チェーホフ作「かもめ」を朗読劇形式で新制作。年齢・性別・障害の有無などを問わず広く公募した出演者が、稽古などを通して共につくりあげます。
開催日 2022年2月13日
場所 びわ湖ホール 中ホール
お問合せ びわ湖ホールチケットセンター TEL 077-523-7136
新型コロナウイルス感染症の影響により、内容の変更や外出自粛のお願い等をしている場合があります。ホームページ等で最新の情報をご確認ください。
県では、誰もが文化芸術に親しみ、ともに楽しめる拠点を県内各地に生み出すため、「滋賀で人と社会と文化芸術をつなぐプロジェクト“SANPOh”」に取り組んでいます。
“SANPOh”では、文化芸術や福祉関係者、まちづくりに携わる方など、様々な立場の方々が交流し、互いの知見や思いを共有できるネットワークづくりを進めています。
また、市町の文化施設などで、障害者や外国人県民、子どもから高齢者まで、みんなが参加し楽しめるイベントを開催し、県民の皆さんに文化芸術に親しむ機会や出会いにつながる機会を提供しています。
“SANPOh”のこと、もっと知ってください!
SANPOhとは、「Society and Arts Networking Project in Ohmi」の頭文字からなる、本プロジェクトの愛称です。