おいしく食べて健康に滋賀発！いま注目の発酵食品（広報誌滋賀プラスワン令和3年（2021年）7・8月号 vol.192）

2021年7月1日

最近、健康に効果があると発酵食品が注目されています。鮒ずしなど発酵の長い歴史がある滋賀では、ユニークな発想で発酵の力を活かした新しい味わいが次々に登場しています！日常の食事に発酵を意識して取り入れてみませんか？

interview

知れば知るほど深い発酵鮒ずしのおいしさを全国へ伝えたい

運命の出会いに導かれて

発酵の世界に足を踏み入れたのは、25年ほど前、地元の余呉湖畔に「日本発酵機構余呉研究所」が設立されたご縁で、小泉武夫先生をはじめとする発酵学の先生方に出会ったことがきっかけでした。

先生方とお話しさせていただく中で、和食の味付けのベースとなる醤油や酢、酒、みりん、鰹節などが発酵によりつくられていることを改めて認識し、発酵の魅力に引き込まれていきました。先生方より、発酵についてのヒントをいただきながら手探りで工夫を重ねていくことで、発酵の奥深さに気付かされていきました。

その中で、小泉先生からの勧めもあり、2004年に「徳山鮓」を開業することになりました。小泉先生の「鮒ずしはすばらしい発酵食。滋賀が全国に誇れるもの」というお言葉を「徳山鮓」でも発信していければと考えています。

現代に合う鮒ずしを

鮒ずしをはじめとする発酵料理を提供するにあたって、色々と考え続けています。現代に合う発酵料理とはどういうものなのか？先人の方々の知恵や経験を基に、他府県の方や次の世代、外国からのお客さまの好みについても考えていくことが重要だと思われます。

かつては関東の人だけが食べていた納豆は、今では日本全国で食べられるようになってきました。鮒ずしも同じように、全国の皆さまにおいしさを知っていただくにはどうすれば良いかを考え続けています。

発酵食品は、同じ条件でつくっていると思っていても、菌の状態や僅かな変化によって味が違ってきます。現代に合う鮒ずしを実現していくのは容易ではないと感じていますが、だからこそ魅力的で面白く、やりがいがあると感じています。

次の世代のために

年齢を重ねた今、次の世代のために何ができるのかを考えるようになりました。その一つとして、滋賀県のもつ豊かな自然と食材を守ることが大事だと思っています。

また、滋賀県の中で発酵に関わる多くの人たちの交流を深め、それぞれが情報交換していくことも重要になってくると思います。食材豊かな滋賀県が、発酵をきっかけの一つとしてより盛り上がっていった先で、次の世代に継いでいけるよう努めていければと考えています。

徳山鮓
〒529-0523
滋賀県長浜市余呉町川並1408
TEL. 0749-86-4045
FAX. 0749-86-4050
https://tokuyamazushi.com/

「発酵なら滋賀」を目指して

滋賀県では、「発酵からつながる滋賀プラットフォーム」を令和2年度に立ち上げました。Facebookグループを中心に運営しており、発酵を生業とされている方だけでなく、発酵に関心がある方まで幅広くご参加いただけます。令和3年6月1日時点で会員数は230人を超えました。滋賀県の発酵は、鮒ずし以外にも多様な魅力を秘めています。そんな魅力を一人でも多くの人に知ってもらうために、プラットフォームは活動しており、「発酵なら滋賀」と思ってもらえることを目指して頑張っています。

発酵の新たな可能性！

従来のイメージを一新する、発酵食品の“進化形”が滋賀で続々と誕生しています。それぞれ素材や製法にこだわり、幅広い世代の食生活にも合う新しいスタイルで発酵の魅力を引き出しています。滋賀の発酵食品をぜひ一度お試しください。

次世代漬物

これまでの漬物とは違うという意味をこめた「次世代漬物」は、現代の食卓に合うことを目指し、おいしくするために発酵を使っています。例えば鯖のぬか漬け「へしこ」を米油に漬けた「へしこのオイル漬け」はアンチョビ風。オイルはパスタソースにも使えます。「塩麹漬けサーモン」「鯖の醸しリエット」も、漬物の先入観なく食べてみてください。

10% I am
株式会社共立平井俊旭さん
住所高島市朽木市場747
tel 050-7120-8736
HP https://10iam.shop/

お米のヨーグルト

鮒ずしをヒントに考案した「シュワグルト」は、3種類の菌を独自にブレンドして、滋賀県産メインの有機米に比良山系の湧き水を加え、発酵・低温熟成させています。植物性の乳酸菌は胃酸や胆汁に負けず腸まで届きます。腸内環境が整うと、便通や肌など身体全体が整ってきます。食事・睡眠・運動で体質を改善し、真の健康を目指しましょう！