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ふれあいプラスワン

多様な性を尊重し、認め合う心を (広報誌滋賀プラスワン 令和3年(2021年)3・4月号 vol.190)

性のあり方に関する社会の認識が変化する中、本人の同意を得ずにその人の性的指向や性自認を暴露する『アウティング』などの人権侵害が大きな問題となっています。こうした問題をなくし、誰もが自分らしく生きられる社会を実現するため、私たちにできることは何でしょうか。

性のあり方に関する人権侵害とは

最近は「LGBT(下記参照)」など、性の多様性についてニュースで取り上げられる機会が増えました。特に、学校や職場などの日常生活の様々な場面で、性的指向・性自認を理由とした人権侵害を受けることが多いといわれています。

令和元年に施行された「改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)」では、個人の性的指向・性自認に関する侮辱的な言動やアウティングがパワハラにあたると明確に位置づけられました。

また、大学内で発生したアウティングに関する裁判では、アウティングが「人格権やプライバシー権等を侵害する許されない行為」との判断が示されました。企業内で行われたアウティングでも、企業側が責任を認めて本人に謝罪した例があります。

自分の性をどのように認識するのか、どのような性の人を好きになるのかは、人としての尊厳そのものにかかわる問題です。個人の性のあり方を本人の同意を得ずに他人に広めたり、侮辱したりすることは決して許されません。

大切なことは何か

まず最初に、性のあり方には人それぞれ様々な形がある、ということを知ってください。「自分の周りにはそんな人はいない」と思っていても、それは自分が気づいていないだけかもしれません。

性のあり方をからかったりしないのはもちろんのこと、無意識のうちに人を傷つけることがないよう、どんな時でも互いを尊重する気持ちを持って行動することが大切です。

性的指向・性自認って?

性的指向…

どのような性の人を好きになるか
(Sexual Orientation:セクシュアルオリエンテーション)

性自認…

自分の性をどのように認識しているか
(Gender Identity:ジェンダーアイデンティティ)

この2つを併せて、「SOGI」(ソジまたはソギ)という表現が使われています。また、「LGBT」を性的指向・性自認で分類すると、以下のように表されます。

性的指向

Lesbian(レズビアン)
(女性で女性が好きな人)
Gay(ゲイ)
(男性で男性が好きな人)
Bisexual(バイセクシュアル)
(同性も異性も好きになる人)

性自認

Transgender(トランスジェンダー)
(身体の性と心の性が一致せず、身体の性に違和感を持つ人)

※LGBT以外にも、男女のどちらにも恋愛感情を持たない人や、自分自身の性が決められない人・分からない人など、様々な人がいます。

理解よりも、まず知ってほしい

多様な性の方々は身近にいない? それは「見えていない」だけかも

民間の統計調査では、人口の約9%がLGBTなどの多様な性の方々であるともいわれています。講演会でそう話すと驚きの声が上がりますが、本当は「身近にいない」のではなく、「見えにくい」だけなのです。左ききの人やAB型の人と同じくらい身近な存在だと感じてもらいたいと思います。

私が学生時代に初めて友だちにカミングアウト(自分の意思で自身の性について告白すること)した時は、大切な友だちだからこそありのままの自分を知ってほしいと思って打ち明けたのですが、その後距離を置かれてしまい、本当に悲しかったです。

身近な人からカミングアウトを受けた時は、まず「話してくれてありがとう」のひと言を伝えてあげてください。当事者は理解や特別扱いを求めているのではなく、ありのままの自分を知ってほしい、ただ寄り添ってほしいと願っている人が多いと思います。

LGBT支援団体 Rainbow Create 代表 定政 輝さん

誰もが生きやすい社会のために、正しい知識をもとう

性のあり方に関する偏見や誤解を防ぐためには、まず正しい知識をもつことが大切です。例えば「レズ」・「ホモ」といった言葉は差別的な表現なので、「レズビアン」・「ゲイ」と言い換える必要がありますが、そうと知らずに悪気なく使われ、当事者を傷つけることがあります。

多様な性のあり方を正しく知る人が増えれば、誰もがありのままの自分で生きられる社会の実現につながっていくと思います。

定政さんが考える「カミングアウトされた時の6か条」

  1. 最後までしっかり話を聞く!
  2. セクシュアリティ(性のあり方)を決めつけない!
  3. 「話してくれてありがとう」と伝える!
  4. 「どんなことで困っているのか?」聞いてあげる!何ができるか考えてみる!
  5. 「誰に話しているのか」「誰に話してもいいのか」確認しておく!
  6. LGBTのイベントや動画を調べたり、絵本や本を伝えてあげる。

自身の性のあり方などで悩んでいませんか?

一人で悩みを抱え込まず、相談してください。

こころの悩みに関する相談窓口

●一般社団法人社会的包摂サポートセンター よりそいホットライン
TEL.0120-279-338
※性のあり方に関する相談の場合は、音声ガイダンスが流れたら「4」を押してください。

人権侵害に関する相談窓口

●法務局 みんなの人権110番(全国共通人権相談ダイヤル)
TEL.0570-003-110
開設時間:平日8時30分〜17時15分
※最寄りの法務局につながります。

多様な性についてもっと詳しく知りたい方へ

県や国では、多様な性について、インターネット上でも様々な啓発を行っています。興味のある方は、ぜひ一度ご覧ください。

■県インターネット啓発動画 「多様な性と人権編」(YouTube)
■法務省ホームページ 「多様な性について考えよう!」

人権をテーマにした研修会やイベントを予定している皆さまへ

県では、人権をテーマにした研修会やイベントなどに活用いただけるよう、啓発資材やDVDの貸出を行っています。

ぜひご活用ください!

人権啓発資材(紙芝居やクイズなど)

紙芝居やクイズなどで子どもから大人まで一緒に楽しみながら人権について考えることができます。啓発資材の詳細は県ホームページでご覧ください。

貸出申込み・お問合わせ先

県人権施策推進課
077-528-3533
077-528-4852
[email protected]

人権教育DVD

自治会や企業、学校などで活用いただける視聴覚教材を多数そろえています。県学習情報提供システム「におねっと」から検索・予約いただけます。

貸出申込み・お問合わせ先

県教育委員会事務局生涯学習課
077-528-4652
077-528-4962

滋賀県学習情報システム「におねっと」https://www.nionet.jp/

お問合せ
県庁人権施策推進課
電話番号:077-528-3533
FAX番号:077-528-4852
メールアドレス:[email protected]