特集 今と未来をつなげる滋賀ワード
6
滋賀県の東部、10市町を結ぶ近江鉄道は、明治31年(1898)の開業から120年以上にわたって、大切な交通手段として沿線の住民に親しまれてきました。地域の歴史・文化に根ざし、住民の暮らしを支えてきた近江鉄道ですが、近年は自家用車の普及などにより利用者が大きく減少しています。
そのような中、鉄道と地域を元気にしようと、沿線の高校生や大学生による新たなチャレンジが始まっています。
近江鉄道に乗って、地域の魅力を再発見する小さな旅にでてみませんか?
日野駅では、日野高校の生徒が観光案内交流施設「なないろ」のカフェコーナーで「日野高カフェ@Home」を月1回営業しています。これは、選択科目の授業の一環の取り組みです。カフェのメニューは、見た目やつくりやすさ・原価計算など、みんなで意見を出し合って商品化しました。
今年度は、日野特産の丁稚羊羹をはさんだでっちバターマフィンや、地域のお店と一緒に考えたおにぎりセット「駅むすび」などをメニューに加えました。営業利益は毎年、地域の施設に寄付しています。地域のお年寄りや家族連れ、鉄道愛好家の方も来てくださって、幅広い方々と交流でき、とてもいい経験になっています。
「なないろ」のカフェは日野高校だけでなく、地域の皆さんが入れ替わりで店長になって営業しています。小さな駅ならではのアットホームで心地よい雰囲気を、もっともっと多くの方に知っていただきたいです!
なないろ:日替わり店長はホームページで確認できます!
びわこ学院大学の教授と学生が、2017年に「地域調査プロジェクトチーム」を立ち上げ、近江鉄道を活かした地域活性化を目指して調査・活動を行っています。
その中で、近江鉄道で活躍した国産初期の電気機関車「ED314」が解体されると知り、貴重な機関車をまちづくりに活用したいとの思いから保存活動を開始。必要資金500万円を調達するため、市民グループとともにクラウドファンディングに挑戦しました。
地域の特産品を返礼品に選び、体当たりで寄付を募った結果、目標を超える資金が集まり、東近江市の酒造会社、近江酒造の敷地に移設・保存できました。
ゆったりと走る車窓に四季折々の田園風景が流れる近江鉄道は、地域の皆さんにとっても学生にとっても「思い出に浸れる大切な場所」。これからも、近江鉄道とまちづくりに積極的に関わっていきたいです。
近江酒造:東近江市八日市上之町9-16(八日市駅から徒歩で約15分)
近江鉄道の年間の輸送人員は、ピークだった昭和42年度(1967)は約1,126万人でしたが、近年は約480万人まで減少し、民間だけでは運行の維持が困難である状況となっています。
このため、近江鉄道の今後のあり方について、滋賀県と沿線の市町、鉄道事業者、関係団体で法定協議会を設立し、検討した結果、令和2年(2020)3月に全線の存続が決まりました。
また、令和2年12月には、令和6年度(2024)から自治体が線路などの施設を保有し、鉄道会社が列車運行を担当する「上下分離」方式で運営することが決定しました。
近江鉄道沿線が丸ごと楽しめる乗車券です!
●金、土、日曜日および祝日限定
●近江鉄道全線1日乗り放題
●おとな900円、こども450円
[会員特典]
●1デイ・スマイルチケット引換券進呈
●会員限定スタンプラリーへの参加
●沿線協賛施設での割引サービスなど
[年会費]
正会員1,000円 ほか
詳しくは右上の二次元コードより
ホームページをご覧ください。