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ふれあいプラスワン

ちょっと待って!その書き込み、大丈夫? (広報誌滋賀プラスワン 令和2年(2020年)11・12月号 vol.188)

何気ないひと言が凶器になることも

テレビ番組の出演者がSNS(※)で誹謗中傷にさらされて自ら命を絶ったとされるニュースをきっかけに、インターネット上の書き込みが大きな社会問題としてクローズアップされています。
インターネット上の人権侵害をなくすために大切なことは何でしょうか。

※SNSは「ソーシャル・ネットワーキング・サービス」の略

ネットに潜む危険性

インターネットやSNSは大変便利なものですが、使い方によっては人を深く傷つけてしまう危険性を秘めています。

法務省の発表では、令和元年のネット上での人権侵犯事件は全国で1985件。スマートフォンの普及の影響もあって増加する傾向にあります。部落差別や外国人差別、障害者差別などに加えて、最近では新型コロナウイルス感染症の流行にともなう感染者や医療従事者、その家族などに対する誹謗中傷や個人情報の書き込みなども深刻な問題となっています。

情報発信はよく考えて

デマや誹謗中傷、差別的な内容を書き込んだり拡散したりすることは、人権侵害になるだけでなく、名誉毀損や脅迫などの犯罪となる場合があります。

さらに、不法行為として損害賠償を請求される可能性もあり、あおり運転の事件では、デマを拡散した人が被害者から訴えられ、賠償を命じられた実例もあります。

SNSなどでの発信は簡単ですが、何気ない書き込みが画面の向こうの誰かを傷つける凶器になることもある。そのことをいつも意識しながら、ネットと向き合うことが大切です。

[ インタビュー ] ネット上での人権侵害をなくすために

違法・有害情報相談センター センター長 桑子 博行さん

Q1 ネット上で誹謗中傷が多発する原因は?

ネット上は匿名なので何を書き込んでもいい、という勘違いが原因のひとつです。実際には、権利の侵害があったと判断されれば書き込みをした人を特定することができますし、裁判でリツイートが名誉毀損にあたるとされた事例もあります。

SNSなどでは、自分の価値観に近い人とのやり取りが多くなりがちなため、狭い考えにとらわれ、自分が正しいと思い込んでしまう傾向があります。ネットの世界もリアルな社会と同じ。自分とは違う考えにも耳を傾ける姿勢を忘れないでください。

Q2 人権侵害を受けたら、どうすればいい?

誹謗中傷の書き込みをされた場合、直接反論することは避けましょう。相手は自分が正しいと考えていることも多いので、問題がかえって大きくなってしまうことがあります。

まずは、書き込みがされた掲示板やSNSなどの運営事業者に削除を依頼しましょう。発信者情報の開示を請求することもできます。自分では手続きが難しい場合は、法務省などの専門の相談窓口に相談してください。一人で悩まず、できるだけ早く相談することが大切です。

Q3 加害者にならないために

令和2年度 同和問題啓発強調月間ポスター

書き込みをする前に、相手がどう感じるか、人を傷つけることにならないか、よく考えてください。また、ネット上にはウソやデマがあふれています。情報が確かなものなのか、まず自分で確認する習慣を身に付けましょう。個人情報を安易に書き込まないことも重要です。文字だけでなく、写真を投稿する場合も注意してください。

ネットやSNSは利用が急速に広まったので、大人も子どもも正しい使い方が分かっていないことがあります。日頃からネットの使い方について親子で話をするなど、一人ひとりがネットとの向き合い方を考える機会を持ってほしいと思います。

学習教材のご案内

「ジンケンダーと3つの約束」~スマホとの付き合い方

県では、インターネット上の人権侵害の被害者にも加害者にもならないために、特に注意が必要な「情報の取り扱い」や「トラブル時の対応」など、子どもにも大人にもわかりやすい内容にまとめた学習教材を作成しています。ぜひ一度ご覧ください。

インターネット上の人権侵害等に関する相談窓口

●法務省インターネット人権相談受付窓口
●違法・有害情報相談センター(総務省支援事業)
●(一社)セーファーインターネット協会

●(公財)滋賀県人権センター「人権相談室」…TEL 077-527-3885

●警察総合電話「県民の声110番」……………TEL 077-525-0110

お問合せ
県庁人権施策推進課
電話番号:077-528-3533
FAX番号:077-528-4852
メールアドレス:[email protected]