6年の歳月をかけて大規模なリニューアルを進めてきた琵琶湖博物館が、10月10日、ついにグランドオープンしました。今号は、生まれ変わったA・B展示室をはじめ、3期に分けて行われたリニューアルの全容をご紹介します。琵琶湖の様々なおもしろさに触れられる博物館は、何度訪れても新たな発見が待っています。みんなでおでかけしてみませんか?
湖誕生からの400万年の間に、大地や自然、気候など、湖をめぐる環境は変化し続け、湖周辺の生き物も変化してきました。その過程を、地層の標本や化石、過去の環境を体感できるコーナーなどで紹介しています。
巨大なツダンスキーゾウの骨格標本は、半身を生体復元。当時の姿をよりリアルに感じられるようになりました。
現生人類が地球上に登場するよりはるか以前のおよそ400万年前、琵琶湖は今とは違うところにありました。現在の琵琶湖になるまでの長い時間の中で、大地がどう変化し、どんな生き物が湖のまわりに生息し、入れ替わってきたのかを、ぜひ体感してください。
180万年前に琵琶湖畔に生息していたアケボノゾウの全身の骨格化石を、最新の研究にもとづいて復元
琵琶湖から水と土砂を取り除くと琵琶湖の湖底にある山や谷を見ることができる模型が登場!
ナビゲーターである「龍」とともに、「森」「水辺」「湖」「里」を舞台に、人が自然とどう向き合ってきたのかをたどります。
琵琶湖を中心とした環境史を通して、今の私たちの暮らし(C展示室)にどうつながっているのかを伝える展示です。のどかな「里山」のイメージとは違う一面が浮かび上がってくるかもしれません。
「龍」に導かれて、湖を含めた自然と人の暮らしの移り変わりをたどります。森で暮らしていた縄文時代からスタートして、生活の場を水辺へと広げ、里をつくり森を切り拓く過程で、自然と人間の関係はどうだったのか、みんなで考えてみましょう。
人と自然の関わりを模型や実物の資料でわかりやすく解説! 昔の生活に思いを馳せてみよう!
全長17メートル! 間近で「丸子船」の大きさを体感し、AR(拡張現実)で湖面を帆走する姿を見てみよう!
湖岸から田んぼ、山、そして現代の暮らしへと続く展示をたどると、琵琶湖と今の私たちの暮らしの結び付きが見えてきます。生物を育み、水を浄化するヨシ原の働きや、田んぼが「魚のゆりかご」と呼ばれる理由、植林が手入れされず荒れた山の問題などを、ジオラマや生き物の展示などで楽しく学べます。
淡水生物の展示としては国内最大級! 約2,000平方メートルの展示空間に、琵琶湖とその周辺の様々な環境にすむ生き物を展示しています。リニューアルで登場した、古代湖コーナーのバイカルアザラシや、肉眼ではほとんど見えない琵琶湖の小さな生き物の世界を紹介するマイクロアクアリウムも見逃せません。
「博物館の入り口」として、五感で学び発見することのできる体験型の空間です。ザリガニになってみたり、本物の化石をさわって確かめたりすることができます。
2018年オープンの落ち着いたおとなのディスカバリーでは、たくさんの昆虫をはじめとする動植物や、鉱物・化石などの標本を、じっくり調べ、観察することができます。
屋内展示の後は、屋外へ出てみましょう。ゾウのいた約180万年前の森を再現した「太古の森」や「縄文弥生の森」などがあります。木々の梢を巡る「樹冠トレイル」は、琵琶湖の眺望がすばらしい人気スポットです。
開館してから24年の蓄積として、学芸員の調査研究だけでなく、地域の方と一緒に行ってきた活動を通して、たくさんの資料が集まりました。地域全体の力で、さらに魅力ある博物館に生まれ変わることができたのです。
ここで琵琶湖のおもしろさを発見したら、次は自分の身のまわりに目を向けてみてください。これまで気づかなかったおもしろいものがいろいろ見えてくると思います。
琵琶湖博物館では、感染対策のため入館制限を行っております。ご来館される場合は、事前にホームページからオンラインで予約してください。他にも、感染拡大予防のためにいくつかの制限やお願いをしています。
詳しくは、琵琶湖博物館のホームページをご確認ください。https://www.biwahaku.jp/
新型コロナウイルス感染症の影響により、内容の変更や外出自粛のお願い等をしている場合があります。ホームページ等で最新の情報をご確認ください。