幼稚園、保育所等と小学校との教育をつなぎ、子どもたちの育ちをしっかりと支援する体制をつくっていきます。
幼児期には、遊びや生活を通して、様々なことに挑戦したり、自分の思いや考えを伝えたり、友だちと力を合わせて、やり遂げたりする経験をします。その中で、小学校以降の学習や生活につながる「学びの芽生え」が生まれます。
小学校低学年では、そうした幼児期の「学びの芽生え」を生かす活動や環境を意図的に設定し、「学びの基礎」を築きます。
新しい学習指導要領などでは、幼稚園、保育所等と小学校、さらには中学校、高等学校までを見通して、3つの力を育むことを大切にしています。
幼稚園、保育所等や小学校の先生は、3つの力を育んでいくため、「10の姿」や成長の様子を共有し、教育・保育活動に取り組んでいます。
1.健康な心と体
自分のやりたいことに向かって、心と体を十分に働かせながら取り組むようになる。
2.自立心
自分でしなければならないことを自覚して行い、自信をもって行動するようになる。
3.協同性
互いの思いや考えなどを共有し、物事をやり遂げるようになる。
4.道徳性・規範意識の芽生え
善悪が分かり、友だちと折り合いをつけながら決まりを作ったり守ったりするようになる。
5.社会生活とのかかわり
家族を大切にしようとする気持ちをもったり、地域にいっそうの親しみをもったりするようになる。
6.思考力の芽生え
新しい考えを生み出す喜びを味わいながら、自分の考えをよりよいものにするようになる。
7.自然とのかかわり・生命尊重
身近な事象への関心が高まったり、自然への愛情や尊敬の念をもったりするようになる。
8.数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚
数量・図形、文字などへの関心・感覚が高まるようになる。
9.言葉による伝え合い
豊かな言葉や表現を身につけるとともに、思いめぐらしたことなどを言葉で表現して楽しむようになる。
10.豊かな感性と表現
感じたことなどを表現したり、友だちへ伝えることを楽しんだりするようになる。
1.主体的に学ぶ姿勢
2.学びかた
3.学習規範
県内5ブロックの研究指定校園11の幼稚園・保育所等と小学校では、幼児教育と小学校教育のなめらかなつながりを意識した教育課程を編成しています。
また、主体的・対話的で深い学びの視点から保育・授業の改善を進め、子どもたちの「学びに向かう力」の育成につなげられるように取り組んでいます。
保育の写真をもとに、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」のどの姿に当たるかを協議し、子どもの様子や思いを考えます。幼稚園等の教員が具体的に子どもの姿を伝えることで、小学校教員の幼児への理解が深まり、幼児の学びの見取り方や細やかな支援の仕方、環境構成について共通理解することができます。
また、小学校でも「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」をもとにして子どもの育ちを捉え、カリキュラムを作成したり、授業のあり方を考えたりして、幼児教育と小学校教育のなめらかな接続を目指しています。