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水辺の景観

水辺の景観沖島では琵琶湖八珍がすべて捕れるビワマスコアユニゴロブナハスホンモロコウロリイサザスジエビ

水と結ぶ生活 近江八幡市

豊かな水辺の景観に人々は集い、癒やされる。琵琶湖に浮かぶ島では水の恵みに支えられた暮らしがあり愛しい懐かしさが漂っていた。内湖が形づくった水郷地帯ではヨシ群落の中、屋形船が揺れる。近江八幡市の人々は水と共に暮らし、その多様な姿を守り巧みに共存してきたのだ。

湖と生きる沖島の暮らし

漁網
手入れされた漁網が並ぶ

沖島港にはいくつもの漁船が係留されている。手入れされた網、多様な漁法に合わせた道具の数々。島民と琵琶湖との結びつきの強さが見てとれる。漁業は島民の暮らしを支えてきた。「水の恩恵を受けているから、ずっと琵琶湖を守っていきたいと強く思う。」沖島町離島振興推進協議会会長の茶谷文雄氏は故郷の風景を眺め、言う。島の時間はゆっくり流れ、学校に通う子どもたちの笑い声が聞こえてくる。

水郷景観を守るロマンの水田

西の湖を中心とした水郷にはヨシ地が広がり、水鳥が集う、美しい水郷の景観だ。この内湖には「権座」という島状の水田が浮かぶ。船でしか渡れない権座では、農作業体験の催しや、様々なイベントが行われている。また、権座産の酒米から日本酒をつくるなど、積極的に魅力を発信している。この活動を企画する、白王町、権座・水郷を守り育てる会事務局長の、大西實氏は、「権座に人が集まり、老若男女が交流を深めている。それが本当にうれしい」と語る。人と水、人と人を結ぶ、ロマンの地だ。

田舟で収穫物や農機具などを運ぶ。
田舟で収穫物や農機具などを運ぶ
水郷に浮かぶ権座。
水郷に浮かぶ権座

琵琶湖とその水辺景観-祈りと暮らしの水遺産

日本遺産

日本が世界に誇る「たから」である文化・伝統のストーリーを認定する「日本遺産」。高度な「水の文化」が認められ平成27年4月に認定された。

詳しくは日本遺産滋賀HP(外部サイトへリンク)にて

まだありますこの地域の水遺産

長命寺

長命寺
長命寺からみた景色

干拓前、湖に囲まれていたという長命寺は湖岸から808段の石段を登ると本堂へたどり着く。本堂は琵琶湖を見渡すことができる景勝地に建つ。堂内では千手観音が湖と、その民を静かに見守っている。

長命寺参詣曼茶羅.
長命寺参詣曼茶羅

安土桃山時代初期の作。船で参詣する巡礼者が描かれている。

伊崎寺

伊崎寺

「水は命。育むもの。」住職の上原行照(うえはら ぎょうしょう)氏は言う。伊崎寺では、毎年8月1日の千日会に、水面から7mの高さに突き出した棹から、琵琶湖へと飛び込む棹飛びという捨身修行が行われる。母なる湖へと身を捨て、また生まれ変わる。新たな命を生む行事として行われてきた。