野菜類や花き類、ダイズなどを食害する蛾の一種であるオオタバコガの成虫が、フェロモントラップ調査1)において多く誘殺されています。累積誘殺数は平年の約3.4倍であり、過去10年間で最も多くなりました。また、露地野菜のほ場では幼虫による食害が確認されています。向こう1か月の気象予報(大阪管区気象台7月10日発表)では、気温は高いと予想されており、次世代幼虫による被害がさらに増加することが懸念されるため、別添のとおり7月14日付けで令和7年度病害虫発生予察注意報第2号を発表しました。
オオタバコガを含む注意報は、昨年に続いて3年連続での発表となります。
オオタバコガは、幼虫が多種の農作物を加害します。野菜類(トマト、ナス、キャベツなど)や花き(キク、バラなど)では、商品となる果実やつぼみを食害するため、商品価値がなくなります。ダイズでは葉を食害し生育が悪くなるほか、莢を食害することで被害が大きくなります。
1.近江八幡市安土町大中に設置のフェロモントラップにおいて、7月第2半旬までのオオタバコガ成虫の累積誘殺数は平年の約3.4倍であり、過去10年間で最も多い。
2.露地野菜ではナス等でタバコガ類幼虫による被害が確認されており、平年よりも発生が早い。
3.向こう1か月の気象予報(大阪管区気象台7月10日発表)では、気温は高いと予想されており、今後も発生に好適な状況が続くおそれがあり、被害の増加が懸念される。
県では、農業者に対して、(1)ほ場をよく見回り、適期に防除を実施すること、(2)施設栽培では、開口部を防虫ネットで覆い成虫の侵入を防ぐこと、(3)防蛾用黄色蛍光灯の夜間点灯2)により成虫の飛来を抑制すること、を呼びかけています。
1)フェロモントラップ調査:オス成虫を誘引する効果がある物質(フェロモン)を利用し、オス成虫を捕獲して害虫の発生量を調査する方法。
2)防蛾用黄色蛍光灯の夜間点灯:夜行性の蛾類は黄色光を忌避するため、夜間に黄色蛍光灯を点灯することで、ほ場への飛来を抑制する防除方法。