国宝延暦寺根本中堂と重要文化財延暦寺根本中堂廻廊では、2016年から滋賀県文化財保護課の設計監理により、破損した屋根葺き材の葺き替え、劣化した塗装や彩色の塗り直し、腐朽した木部の取り替えなどの保存修理事業を実施しています。
保存修理事業は、文化財の健全性を回復するとともに、根本中堂の歴史や建築技術などについて新たな知見が得られる貴重な機会です。特に、調査を通じて、江戸時代中期の修理の痕跡が要所に残り、当時の仕様が復旧可能であることが判明しました。今回の修理で江戸時代中期の姿に復旧整備した根本中堂を未来へ継承します。
この度、保存修理事業が折り返し点を過ぎ、組立施工が本格化していることから、事業の概要や得られた知見について紹介するパンフレットを作成しました。伝統技術を用いた修理の作業工程や、調査で発見した江戸時代の技法とその変遷などを紹介しています。
パンフレット掲載画像の無断転載を禁じます。