● 1500 年以上の歴史がある日本の鵜飼を総合的に明らかにした書籍が刊行されました。
● ウミウ・カワウの行動と生態からみた鵜飼について亀田 佳代子館長が執筆。
● 俳諧にみる鵜飼からみた自然観について篠原 徹名誉館長が執筆。
刊行された書籍をもつ亀田館長
● 書名:鵜飼の⽇本史 ー野⽣と権⼒、表象をめぐる 1500 年
● 編者:卯⽥ 宗平
● 体裁:A5・432 ページ 本体価格 8,250 円(税込)
● 出版:昭和堂
● 内容:1500 年以上の歴史がある⽇本の鵜飼。古墳時代には鵜 飼の鵜を模った埴輪がつくられ、平安時代になると朝 廷による鵜飼が都周辺でおこなわれました。今なお鵜 飼がおこなわれ、技術が継承されています。本書は、 ⽇本の鵜飼を時代や地域、分野を超えて初めて総合的 に明らかにしています。
昭和堂ホームページ http://www.showado-kyoto.jp/book/b656885.htm
鵜飼の日本史
まえがき――鵜飼が映しだす⽇本 序章 鵜飼から何を問うのか 卯⽥宗平
前篇 鵜飼を成り⽴たせるもの
第⼀章 ウミウ・カワウ――その⾏動と⽣態からみた鵜飼 ⻲⽥佳代⼦
第⼆章 捕獲技術――⽇本の鵜飼漁を⽀える根本 卯⽥宗平
第三章 鵜飼⽤具――モノからみた鵜と⼈間のかかわり ⽯野律⼦
第四章 鵜⾈――⻑良川における鵜⾈の構造とその必然性 今⽯みぎわ
第五章 鵜匠装束――労働着と⾒せる⾐装のはざま 夫⾺佳代⼦
第六章 アユ――その⽣態からみた鵜飼 井⼝恵⼀朗
第七章 鵜飼の美術――平安時代から幕末に⾄る絵画化の諸相 三⼾信惠 コラム1 ウミウの⼈⼯繁殖――その難しさと楽しさ 沢⽊万理⼦
後篇 ⽇本史のなかの鵜飼
【第⼀部 古代から近世】
第⼋章 古墳時代の鵜飼――⽇本における鵜飼の始まり 賀来孝代
第九章 平安時代の鵜飼――異⽂化としての古代鵜飼 ⼩川宏和
第⼀〇章 鵜飼の表現――鷹狩図に描かれた鵜飼 ⽔野裕史
第⼀⼀章 鵜飼制度の変容と鵜匠――尾張藩による保護と鵜匠の働きかけ 筧真理⼦
第⼀⼆章 俳諧にみる鵜飼――⾃他合⼀の⾃然観 篠原 徹 コラム2 鵜飼を展⽰する――⻑良川鵜飼ミュージアムの現場から 河合昌美
【第⼆部 近代から現代】
第⼀三章 近代漁業制度と鵜飼――⻑良川鵜飼における皇室の保護とその意義 ⼤塚清史
第⼀四章 ⽣業としての鵜飼――江の川流域における鵜飼漁 葉杖哲也
第⼀五章 鵜川と鵜飼――⾼津川の鵜飼再考 宅野幸徳・篠原 徹・卯⽥宗平
第⼀六章 鮎鮨と鵜飼――その製造技術と菌叢の解析から 堀 光代
第⼀七章 地⽅公共団体による鵜飼の⽀援――観光⾏政にとって鵜飼とは何か 松⽥敏幸
第⼀⼋章 観光資源としての鵜飼――⽣業の技術をみせる 瀬⼾敦⼦
終章 なぜ野⽣のウミウにこだわるのか――⽇本的な動物利⽤の背景 卯⽥宗平
※本書は、国⽴⺠族学博物館共同研究「⽇本列島の鵜飼⽂化に関する T 字型学際共同アプローチー野 ⽣性と権⼒をめぐって」(2020〜2022 年度、代表:卯⽥宗平 国⽴⺠族学博物館教授)の研究成果と して出版されたもので、⻲⽥館⻑、篠原名誉館⻑は共同研究者として参加していました