文化庁によると、文化審議会は、3月21日(金)に開催された同審議会文化財分科会の審議・議決を経て、新たに4件の美術工芸品を国宝に、42件の美術工芸品を重要文化財に指定することについて文部科学大臣に答申しました。
本県関係では、別添資料のとおり、1件(彫刻の部)が該当します。また、新指定とは別に、1件(書跡・典籍の部)が国宝(美術工芸品)に追加指定され、1件(歴史資料の部)が重要文化財(美術工芸品)に追加指定されます。今後、官報告示などの所定の事務手続きが完了すると、本県における重要文化財(美術工芸品)の指定件数は643件となります。
1.重要文化財(美術工芸品)の指定1件
〈彫刻の部〉
木造護法童子立像 1軀(もくぞうごほうどうじりゅうぞう)
附 像内納入品 一括(つけたり ぞうないのうにゅうひん)
所有者:宗教法人 延暦寺(大津市坂本本町4220)
2.国宝(美術工芸品)および重要文化財(美術工芸品)の追加指定2件
(1)国宝の追加指定
〈書跡・典籍の部〉
淳祐内供筆聖教(薫聖教) 83巻 1帖(しゅんゆうないくひつしょうぎょう においのしょうぎょう)
所有者:宗教法人 石山寺(大津市石山寺一丁目1-1)
(2)重要文化財の追加指定
〈歴史資料の部〉
大津百艘船関係資料 1265点(おおつひゃくそうせんかんけいしりょう)
所有者:大津市(大津市御陵町3-1)※大津市歴史博物館保管
【重要文化財の指定】
<彫刻の部>
木造護法童子立像 1軀
附 像内納入品 一括
所有者 宗教法人延暦寺(大津市坂本本町4220)
法量 像高75.4センチメートル
時代 鎌倉時代
説明 護法童子とは、高僧や修験者を守護する童子の姿をした神である。本像は比叡山(ひえいざん)東塔(とうどう)南谷(みなみだに)の西尊院(さいそんいん)に伝来した。東塔南谷にはかつて護法堂(ごほうどう)と呼ばれる堂が存在し、天台宗の高僧である皇慶(こうげい)(977~1049)に仕えたとされる「乙護法(おとごほう)」と呼ばれる護法童子が祀られていたと伝えられ、本像はこれに当たるとみられる。ヒノキ材の寄木造(よせぎづくり)で、表面には鮮やかな彩色文様がよくのこり、作風から鎌倉時代13世紀後半~末頃の製作と考えられる。近年の修理で解体された際、頭部内より銅製の金色不動明王像と水晶製五輪塔(ごりんとう)、体部内より不動明王の印仏(小型の版木で仏や菩薩を押印したもの)などの納入品が発見され取り出された。製作者は明らかではないが、優れた力量を持つ仏師の作と推定される。比叡山における護法童子信仰の状況を示す貴重な例であり、像内納入品についても本像の背景にある多様な信仰を示す例として注目される。