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フィールドレポーター調査「タンポポ調査」を実施します

2010年から5年ごとに行われている「タンポポ調査・西日本」に協力する形で、フィールドレポーター調査でもタンポポ調査を実施します。県内には、8種のタンポポが生育していることがこれまでの調査で明らかとなっています。県内におけるそれぞれの種の分布パターンの変化だけでなく、花期の違いやシロバナタンポポの分布など、フィールドレポーター独自の視点での調査も展開します。

概要

・滋賀県各地の「タンポポ」を調査

・タンポポの花期、特に咲き始めの時期が種によって、あるいは春の訪れが早い県南部と遅い県北部とで差異があるか

・シロバナタンポポは、前回の調査では、長浜市と米原市において確認地点の報告がなかった。

・すぐに見つかるほど密に咲いている地域と、探しても見つからない地域があるかどうか。

詳細について

琵琶湖博物館では、「地域学芸員」に相当するフィールドレポーター制度を設け、身近な自然や暮らしに関する調査を行っています。2024年度の登録者数は210名です。

 

 フィールドレポーターでは、2010年から5年ごとに行われている「タンポポ調査・西日本」に協力してきました。2025年の今年も「タンポポ調査・西日本」が実施されます。そこで、フィールドレポーター調査でも「タンポポ調査」を実施することになりました。

前回(2020年)の調査では、カンサイタンポポは県の南西地域に多く、セイタカタンポポは県の北東地域に多いことがわかりました。また、“自然豊かなところには在来種が残り、都市部には外来種が拡がっている”と言われますが、滋賀県北部の都市的緑地や琵琶湖周辺の農地に、外来種が拡がっていることが明らかになりました。

 

今回の調査は特に次の2つに焦点をあてて調べる予定です。

1.タンポポの花期、特に咲き始めの時期が種(しゅ)によって、あるいは春の訪れが早い県南部と遅い県北部とで、異なるか。

2.シロバナタンポポ(写真1)は、前回の調査では、長浜市と米原市において確認地点の報告がなかった。すぐに見つかるほど密に咲いている地域と、探しても見つからない地域があるか。

 

レポーターの皆さんからの情報により、新たな発見があることを期待しています。

タンポポの在来種と外来種の間に雑種が生じることが 1990 年に判明し、その後の研究で、雑種が日本各地に拡がっていることが分かっています。在来種そっくりの姿をした雑種がある一方で、外来種そっくりの姿をした雑種の報告もあります。雑種の識別には遺伝子分析が必要ですが、滋賀県に生育する黄花在来種の4種のうちの3種は、花粉の大きさが均一かバラバラかを顕微鏡観察することで、雑種かどうかの識別ができます(花粉が均一であれば二倍体の純粋な在来種です)。

花やタネのサンプルは種の見分けに重要のため、必ず送っていただき、フィールドレポータースタッフが調査を行います。皆さんの調査票の記録とサンプルの花粉の状態などから種を判断し、その結果を後日お知らせいたします。詳しくは「タンポポ調査の調べ方」をホームページにアップしています。

<調査期間>

 2025年3月1日(土)~2025年5月31日(土)

 

<調査情報>

https://www.biwahaku.jp/2025/02/post_248.html

 

写真1.シロバナタンポポ

(写真:前田雅子)

写真2.上:カンサイタンポポ、下:セイヨウタンポポ

(写真:前田雅子)

お問い合わせ
滋賀県庁 琵琶湖博物館 琵琶湖博物館フィールドレポーター係(川瀬・芦谷)
電話番号:077-568-4811
メールアドレス:[email protected]