令和6年7月、滋賀県南部の施設メロンほ場において、葉に退緑および黄化症状を示す株が認められました。滋賀県病害虫防除所において、遺伝子診断を実施したところ、県内では未発生のウリ類退緑黄化ウイルス(Cucurbit chlorotic yellows virus :CCYV)による「メロン退緑黄化病」であることが判明しました。このことから、7月23日付けで令和6年度病害虫発生予察特殊報1)第1号を発表しました。
本病は平成20年に佐賀県、大分県、宮崎県および熊本県で初めて特殊報が発表され、現在では26府県で発生が確認されています。
発生初期は葉に退緑小斑点を生じます。症状が進むと次第に斑点が拡大しながら癒合し、徐々に黄化します。さらに進展すると、葉脈部分を残して黄化します。発病株では果実の肥大が不良となり、糖度の低下や収量の減少といった被害が発生します。国内ではメロン、キュウリおよびスイカにおいて、感染が確認されています。
本ウイルスはタバココナジラミが媒介します。なお、経卵伝染、汁液伝染、種子伝染および土壌伝染はしないと報告されています。
写真を使用される場合、「滋賀県病害虫防除所提供」と記載をお願いします。
予防的な対策として、ウイルスを媒介するタバココナジラミの防除の徹底が重要となります。県では、農業者に対して、1.防虫ネット(目合い0.4mm以下)や黄色粘着板を活用したタバココナジラミの侵入抑制、早期発見および密度低下に努めること、2.タバココナジラミを見つけた場合は速やかに薬剤防除すること、3.発病株は直ちに抜き取り、適切に処分することを呼びかけています。なお、退緑黄化病に対する農薬はなく、タバココナジラミ(コナジラミ類)に登録のある薬剤を散布します。
(参考)
1)特殊報:県内に今まで発生が確認されていなかった病害虫を発見した場合や、病害虫が今までとは違う特異的な発生をする現象が認められた場合に発表しています。