滋賀県企業庁では、横河ソリューションサービス(株)と提携し、今年度からVPP※1を活用した「容量市場」に参加しています。
7月8日に電力ネットワークの需給がひっ迫したことから、今年度初めて供給力を提供しました。
※1 VPP:「Virtual Power Plant」の略称で、仮想発電所のこと。地域に散らばるエネルギー資源をIoT技術で管理・制御する新しい需給調整の仕組み。
東日本大震災にともなう電力需給のひっ迫をきっかけに、電力の需給バランスを意識したエネルギー管理の重要性が強く認識されました。
「容量市場」は、将来見込まれる需要量にあわせて、あらかじめ「発電できる能力(供給力)※2」を確保しておくことで、電力の安定供給を実現する仕組みです。
企業庁では、電力需要が少ない時間帯に水道施設のポンプを運転しておき、電力需給のひっ迫時にはポンプを停止することにより、供給力の確保に貢献します。ポンプの制御は横河ソリューションサービス(株)からの指令を受けて行います。
※2 消費電力の制御も「供給力」とみなされます。
○容量市場 参加概要
供給容量 1回の需給調整要請あたり500kW(ポンプの制御により確保できる電力量)
実施内容 年間を通して最大12回、一回あたり3時間ポンプの制御を実施
企業庁では容量市場への参加に向け、水道水の安定供給と両立しながら、技術的知見を蓄積してきました。
2016年~2021年 横河ソリューションサービス(株)と連携し、実証実験を実施
2022年~2023年 「調整力電源」契約を締結
2024年4月1日~ 容量市場への参加
2025年以降も容量市場に参加できるよう実効性テストを毎年実施予定