麦類の赤かび病の多発が予想されることから、別添のとおり、4月23日付けで病害虫発生予察注意報第2号を発表しました。赤かび病の注意報は本病が多発した令和4年および令和5年に続いて、3年連続の発表となります。なお、赤かび病の発生は例年5月上旬以降に認められ、現在のところ発生を認めていません。
赤かび病は糸状菌(かび)の一種に起因する麦類の重要病害で、主に穂に感染します。本病は、麦の開花期以降に曇雨天が多く、気温が高く経過すると発生しやすくなります。
また、赤かび病菌はかび毒であるデオキシニバレノール(DON)1)を産生することから、適切な防除対策が必要です。
1.向こう1か月の気象予報では赤かび病の感染に好適な気象条件となる可能性が高いこと、2.農薬散布適期である麦類の開花期が既に始まっていること、3.本県の小麦の主要品種である「びわほなみ」は赤かび病に弱く、本病が多発する可能性があることを注意報発表の根拠としています。
県では農業者に対して、1.品種ごとに農薬散布回数や農薬散布時期が異なるため、適期に農薬散布すること、2.小麦「びわほなみ」は、農薬を2回散布する基本的な防除体系に加えて、3回目の追加散布を実施すること、3.その他の品種についても曇雨天が続く場合は、追加で農薬散布を実施することを呼びかけています。詳細な対策は別紙注意報の通りです。
1)デオキシニバレノール(DON)とは、赤かび病菌が産生するかび毒で、摂取すると人畜におう吐などの症状を引き起こすことがあります。
食品衛生法に基づき、小麦については、デオキシニバレノールを1.0mg/kgを超えて含有するものであってはならない旨の成分規格が設定され、令和4年4月から適用されています。基準値を超えると、流通できず、生産者が廃棄処分する必要があります。