3月27日~4月2日に県内33地点で採集したヒメトビウンカ越冬虫1)において、イネ縞葉枯病ウイルスの保毒虫率は20.8%と高くなっています。また、保毒虫は、全県的に検出されています。
向こう3か月の気象予報では、気温は高いと予想されており、本病を媒介するヒメトビウンカの発生に好適であることから、別添のとおり4月12日付けで令和6年度病害虫発生予察注意報第1号を発表しました。
本県において、過去にイネ縞葉枯病の注意報を発表したことはなく、今回が初めての発表となります。
本病は、ヒメトビウンカが媒介するウイルスが原因で発病します。イネの生育初期にウイルスに感染すると、生育不良や出穂の異常(穂の奇形や不稔)が起こり、減収につながります。発病後の防除はできません。
本病のまん延防止のためには、ヒメトビウンカの防除が必要です。県では、農業者に対して、1:ほ場周辺の雑草の除草を行うこと、2:窒素質肥料の多施用を避けること、3:例年発生が多いほ場では、育苗箱施薬すること、4:発病株を認めたら、早期に抜き取って処分すること、5:6月下旬に発病が多い場合は、7月上旬までに薬剤を散布することを呼びかけています。
(参考)
1) ヒメトビウンカ越冬虫:ヒメトビウンカは、ほ場内の刈り株再生芽(ひこばえ)や、ほ場周辺のイネ科雑草で冬を越します。今回は、ほ場内の刈り株再生芽で採集しました。