3月中旬(3月11日~14日)に県内16地点で行った調査において、タマネギべと病の発生ほ場率は62.5%(過去7年間の平年値:41.4%)、発病株率2.8%(同平年値:1.7%)と、発生がやや多い状況となっています。
向こう1か月の気象予報では、気温は高く、降水量は多い見込みで、本病の感染に好適な条件が続き、本病の多発が懸念されるため、別添のとおり3月26日付けで令和5年度病害虫発生予察注意報第4号を発表しました。
本県において過去にタマネギべと病の注意報を発表したことはなく、今回が初めての発表となります。
糸状菌により起こるタマネギの重要病害で、病原菌はPeronospora destructor(ペロノスポラ デストラクター)です。本病が多発すると、葉が枯死し、タマネギの球肥大化が大きく阻害され、収量の減収につながります。
症状は2つあり、越年り病株1)(もしくは一次感染株)と二次感染株2)といいます(写真1および2)。越年り病株や二次感染株上にできた分生胞子が伝染源となり、感染と発病が繰り返されます。
県では、農業者に対して、1.越年り病株や症状が激しい二次伝染株の発生を認めた場合、発病株の抜き取りおよびほ場外への持ち出しを徹底すること、2.発病株の抜き取り後は治療効果のある薬剤で早急に防除すること、3.本病の発生が認められない場合でも、感染前の予防散布を徹底することを呼びかけています。
(参考)
1) 越年り病株:定植直後の10~12月頃に感染し、翌年の2~3月頃を中心に発病する株が越年り病株で、葉が湾曲し、色あせて黄色っぽくなるのが特徴です。
2) 二次感染株:2~3月から、越年り病株に形成された分生胞子によって感染するのが、二次感染株です。葉に淡黄緑色の、ややぼやっとした楕円形の病斑ができます。