令和6年3月15日(金)に開かれた国の文化審議会文化財分科会において、次の美術工芸品を重要文化財に指定するよう文部科学大臣に答申されました。
リンク先(文化庁HP)
文化審議会の答申(国宝・重要文化財(美術工芸品)の指定等及び登録有形文化財(美術工芸品)の登録)
新たに指定される重要文化財(美術工芸品)
【書跡・典籍の部】1件
元版一切経(げんばんいっさいきょう) 2,892帖
所有者:宗教法人園城寺(大津市園城寺町 246)
説明
園城寺(三井寺)に伝来した一切経(大蔵経)で、中国・元時代に印刷された普寧寺版という経典を主体とし、一部が朝鮮時代の高麗版と室町時代の書写本の経典によって補われている。もとは14世紀に高麗の官人等が元の普寧寺に依頼して印刷し、高麗の寺院製に納められたものであったが、15世紀前半に周防国を拠点としていた大内氏の求めにより朝鮮から日本へともたらされたと考えられている。慶長7年(1602)に園城寺の復興事業に携わっていた毛利輝元によって寄進された。
元版一切経の大部と、経典と一具であった元時代の経箱がまとまって伝存しており、伝来過程が明らかにできることから、わが国の仏教史、東アジア文化交流史上、きわめて価値が高い。