琵琶湖固有種でありコイ科魚類であるホンモロコは、重要な漁獲対象種ですが、その漁獲量は近年では回復傾向にあるものの、さらに効果的な資源の回復手法が求められています。
このようななか、近畿大学農学部水産学科亀甲武志准教授、水産試験場職員をはじめとする研究グループが、標識放流により、ホンモロコが生まれ育った場所から琵琶湖を広く回遊したのちに、産卵のために再び生まれ育った場所に高い確率で帰ってくることを明らかにしました。コイ科魚類は世界に広く分布する魚類ですが、コイ科魚類で産卵のため回帰することは世界で初めての発見です。
この成果に関する論文が、水産学における国際的な学術誌である「Canadian Journal of Fisheries and Aquatic Sciences」にオンライン掲載されました。
なお、本件につきましては、近畿大学が同時に資料提供しておりますので、詳細な内容につきましてはそちらをご覧ください。
近畿大学からの資料提供
https://newscast.jp/news/5050855
雑誌名
Canadian Journal of Fisheries and Aquatic Sciences
論文題名
Apparent migration and natal homing of a small minnow in a large ancient lake
(広大な古代湖における小型コイ科魚類の回遊と産卵回帰)
著者
亀甲武志※1・佐藤拓哉※2・金岩稔※3・石崎大介※4・桑村邦彦※4・岡本晴夫※4・井出充彦※4・根本守仁※4・竹岡昇一郎※5・甲斐嘉晃※6・中山耕至※7・藤岡康弘※4
※1:近畿大学農学部水産学科、※2:京都大学生態学研究センター、※3:三重大学生物資源学研究科、※4:滋賀県水産試験場、※5:公益財団法人滋賀県水産振興協会、※6:京都大学フィールド科学教育研究センター、※7:京都大学農学研究科
掲載日
令和6年(2024年)2月13日
論文掲載
https://doi.org/10.1139/cjfas-2022-0207
DOI
10.1139/cjfas-2022-0207